夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

☆リサーナ☆

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第12章(3)ギャランside

3-4

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「はいっ、毛布ですよ~」

そう言って、おそらく孤児院の自室から持って来た毛布をワシの肩に掛け、自分も同じ毛布に包まるようにして寄り添ってきた。


ただ、それだけ。
特別な言葉も、慰める仕草もない。いつもと変わらない自然体のユメ。

……だが。
それは初めて感じる、優しい、暖かいぬくもり。

何故このは、こんなにも俺の事が分かるんだろう?

見付けてくれた、独りぼっちにしないでいてくれた。
誰よりもワシを見てくれて、寄り添ってくれた彼女の本心は分からなかったが、ユメの全てがワシの心に浸透して、じゅんっと胸を暖かくした。

このは天使かーー。
そう感じた、名も知らぬ想いがワシを動かす。

「っ……!」

「?……ギャラン、さッ……」

”それ”は絶対に女の子が憧れるムードも、シチュエーションのカケラもないものだった。
ボロい小さな物置小屋で、後頭部に回された手で強引に引き寄せられて、一回り以上年も年も違うオヤジによって奪われた天使の唇。
そして……。


天使の清らかな唇は、哀しみ、寂しさ、もどかしさ……。様々な感情でぐちゃぐちゃだったワシを甘く誘惑した。

もっと、欲しいーー。

自然と……。
ーーいや、本能と言った方が正しいのだろうか?
ワシの身体は彼女を求め、何も知らない無垢な天使を己の欲望のままに抱いた。


……。
行為中の事は、よく覚えていない。
「それくらい夢中だった」と言い切る事が出来たのならば、良かったのにな……。

ーーだか、違う。
ワシは拒絶されるのが怖くて、必死だっただけ……。
生まれて初めて心から欲しい、と強く願った彼女に拒まれたら……。この時のワシは粉々に砕けてしまいそうじゃった。

だから、見ないようにした。
自分がこれ以上傷付く事を恐れて、逃げていた。

行為中の彼女がどんな反応をしていたか、なんて……。顔を見る事すら出来なかった。


そして……。
朝日が登る前に、隣で静かに寝息を立てるユメが目を覚ます前に、物置小屋を後にした。

この日が、彼女と真っ直ぐ向き合えた最後の日だとも気付かずに……。
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