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第12章(4)ギャランside
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しおりを挟む「俺には、無理だよ。そんな器じゃ……」
「大丈夫ですよ!ギャランさんなら、出来ます!」
ハッキリと言い切るノイ。
こんな無責任とも取れる言葉。きっと、彼以外に言われたら、怒鳴り声を上げていた。
……けど。
ワシを見つめるノイの瞳が、まるで未来を見通す水晶のように澄んでいて……。心を穏やかにしてくれる。
「なんで、そう思う?」
「だって、ギャランさんは僕の奥さんの事を一言も悪く言わないでいてくれました!」
根拠があるような、ないような一言なのに。ノイがあんまり嬉しそうに言うから、納得してしまう。
「大体の人は言うんです。『お前は騙されてる』『そんな女とは早く別れろ』『本当にお前の子なのか?』……って。大変だな、苦労してるんだな、大丈夫か、って目で、僕を見るんです。
……でも、ギャランさんは違いました」
「えへへ」っと、笑う顔は無邪気で子供みたいなのに、言葉にはズシリとした深い重みを感じる。
「僕は、例え彼女の子供が自分の子供じゃなくても構いません。彼女が僕を騙していても、利用していても構いません。
……ただ、好きなんです。僕が彼女を好きなんです!」
こんな風に、真っ直ぐに愛されたら、どんな詐欺師でもお手上げじゃろう。
「ギャランさんは彼女も、そんな僕の事も否定しないでいてくれた。
そんなギャランさんの創る何でも屋は、絶対に素敵な何でも屋になるに違いありません!」
ーー惚れてしまう。
老若男女問わず、惹かれてしまう。
じゃが、抱き締めたい、口付けたいとか……そういうやましい感情ではなく、ずっと彼を見ていたくなる。
トクンッと暖かく胸打つ鼓動が、ワシを変えてくれた。
土の中で長く眠っていた蝉の幼虫が、時を経て成虫になり大空を飛び立つようにーー。
新たな世界が、ノイを通じて、見えた。
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