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第12章(6)ギャランside
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しおりを挟むそんなワシを救ってくれるのは、天使からの贈りものーー。
「……ギャランさん!良かった、目が覚めたんですね!」
まさにワシがベッドから起き上がり、立ち去ろうとした瞬間。様子を見に来たママ先生に見つかってしまった。
何も出来ず、動けず、ただただ佇む。
もう、何も言えない。話す事もない。
黙り込んで、俯く事しか出来ない。
気まずいとすら感じない、どうでもいいと思えるような、沈黙の時間。
むしろ、殴って、責めてほしいとすら思った時間だった。
ユメはもういない。
謝る事すら、出来ない。
そんな、謝罪の場さえ失って無気力状態のワシに、ママ先生が言う。
「私は正直、貴方を信じる事が出来ませんでした」
「……」
「貴方がもう一度この町を訪れる事も。あの子が……。ユメが亡くなったと聞いて、貴方がこれ程までに落ち込んで下さるとは思っていなかったんですよ」
……当たり前だろう。
ワシがママ先生の立場であっても、そう思う。
見た目も口も態度も悪い、他所者。
たった二ヶ月、この町の診療所に居ただけで……。特別親しくしていた訳ではない。
おまけに、恩を仇で返すような去り方をしたこんな男を……。
否定なんて出来ない、出来る筈もない。
救いようもない、愚かなワシ。
けれど……。
「……良かった。貴方を信じていたあの子の想いは、無駄じゃなかったんですね」
「……え?」
「あの子は……。ユメだけは、貴方をずっと見ていたんですよ?」
ママ先生に手を握られて、冷たくなっていた自分の手に、微かに温もりが伝わってきた。
顔を上げると、そこにあるのは「おかえりなさい」と言ってくれた時と同じの、ママ先生の優しい笑顔。
「貴方に会わせたい子がいるんです。……どうぞ、こちらへ」
こんな自分に微笑んでくれる存在に”何故?”と疑問を感じながらも、ワシは導かれるように歩みを進めた。
孤児院の廊下を歩く間、ママ先生はワシにユメの事を語ってくれた。
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