夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

☆リサーナ☆

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第14章(1)アカリside

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「アカリ様、お願いです!
この度貴女様に届いております縁談の申し出を、どうか受けて下さい!」

一ヶ月程前の事。
私の元に訪ねて来たスーツ姿の年配の男性が、深く頭を下げながらそう言った。

彼は、お祖父様の秘書。
突然の訪問と申し出に驚く私に、秘書さんは話してくれた。お祖父様と、その会社の事……。


ーー私は、何も知らなかった。

お祖父様が最近体調を崩しがちな事も、その事や次の跡継ぎが幼いヒカルだという事に会社で働く人達や関係者さん達が不安に思い、不満を感じている事も……。

私がヴァロンと結婚して破断した縁談の埋め合わせは、ヴァロンが居て、彼が影ながら補ってくれていたから保っていただけの事。
ヴァロンがいなくなってからのこの三年間は、お祖父様は1人で……老体に鞭を打って頑張ってくれていたのだ。
私には、何も言わずに……。


『お前はもう少し、自分の価値と立場を自覚すべきだ』

『兄上の事ばかり考えている場合ではないぞ。
お前はアルバート様の血を引く孫娘。その事を忘れるんじゃない』

あの人アラン様が言っていた事が、この時になって初めて……解った。


「アルバート様は、万が一の時はこのまま自分の代で会社を手放すおつもりだと思います。
っ……しかし!私はあの方の頑張りをずっと側で見てきました。アルバート様の努力の結晶を、ここで終わらせてしまうなんてっ……」

秘書さんの、心からお祖父様と会社を想う言葉。

自分の無力さと、本当に私は守られてばかりだったのだと気付いた。
ヴァロンと結婚してから今まで、少しでもお祖父様や会社の事を考えた事が自分にはあっただろうか?
私がアルバート様の孫娘として出来る事を考えた事が、あった?


ーーっ、一度も、ない。
ヴァロン、ヴァロン、ヴァロン……。私はいつも彼の事と、自分の事しか考えてなかった。
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