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第14章(4)アランside
4-4
しおりを挟む私が撃ち抜き傷付けた大切な利き手。
そんな相手と遊びたいと思うなんて、どうかしていると思った。
……本当に、調子が狂う。
まあ、いい。さっさと終わらせよう。
「じゃ、やろうぜ~」
「……」
仕方ない、と腹をくくりベッドに座っている兄上の前に移動して椅子に座った。
誰かと遊ぶ、なんて、カジノやお偉いとの付き合いの賭けでしかなくて……。ただ、"遊ぶだけのゲーム"なんてした事もない。
しかもそれを、自分がずっと"生涯の敵"だと思っていた相手としているなんて……信じられなかった。
複雑な心境の私と違って、一方の兄上は終盤に向かうまでの過程も終始笑顔。
「……楽しそうだな。
余程、自信満々と見える」
勝負は終盤になっても互いに一歩も引かない、という感じで最後まで勝負は分からない盤面だった。
だから私はその兄上の笑顔を、この勝負に勝てる余裕からだと受け取った。
……でも、違った。
その予想外の言葉が、私のこれからの兄上に対する気持ちを変える事となった。
「夢だったんだよな。
こうやって、弟と一緒に遊ぶの」
「!……は?」
「自分に兄弟が出来て、こうやってずっと遊びたかった。
だから、母さんに赤ちゃんが出来た時はめちゃくちゃ嬉しかったんだ。
……会えなかった、けどな」
「……」
一瞬、言葉が出てこなかった。
兄上の母親が、父の子供をもう一人身籠っていたという事実を初めて知って、ショックだから……では、ない。
盤面から顔を上げて、私を見つめる兄上の瞳が……とても優しくて美しかったからだ。
「っ……わ、私はッ……その弟ではない!」
「ははっ、んな事分かってるよ。お前はお前はだよ、アラン。
……でも。俺は、お前が居てくれて嬉しいよ」
「っ……」
そう言われて、胸が騒つく。
「お前が居てくれて嬉しいよ」
そんな事を言われて、ますます分からなくなる。
ーーでも。
なんだか暖かくて、目の奥に熱が集中していく感覚。
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