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第15章(2)アカリside
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しおりを挟む「早く行って下さい。
……いえ、行ってあげて下さい。お父さんの元へ!」
顔を少し後ろに向けて、ユイちゃんは私に横顔を見せて笑った。
三年前の事件で私を護れなくて、ヴァロンが帰って来なくなって……。その結果、彼女はそれを自分のせいだと責めているとレナとレイから聞いた。
でも、今のユイちゃんを見れば分かる。
後悔を力に変えて、強く今を……未来を生きようとしていた。
「ーーうん!
ありがとう、ユイちゃん!」
私は笑顔で返事を返すと、全速力で駆け出し船着場を目指した。
話したい事はたくさんある。
けどその為には、足りないものがあった。
いつも私達の真ん中に居て、毎日を輝かせてくれる愛おしい人。
ヴァロンーー。
彼を取り戻して、必ず戻る。
心の中で強く誓って、私はただただ前を向いて進んでいった。
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