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第15章(3)ユイside
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しおりを挟む「……一体どう言うつもりでしょうか?」
静かな夜の港街の路地。
私の正面に立っているディアスさんが問いかけてくる。
「私は今夢の配達人の任務中ではありませんよ?それなのに調査員である貴女に邪魔をされるのは、何故でしょうか?
貴女がしゅう様の命で私に張り付いて居たのは知っています。けれど、さすがにこれは規約違反では?」
規約違反ーー。
確かに、調査員と言えども夢の配達人のプライベート……。つまり、任務中以外の面で本人の同意なく私生活に関わる事は禁忌。
調査員の私は、今夢の配達人の任務中ではないディアスさんに関わる事は決してやってはならない事だ。
でも……。
「ーーご安心下さい。
私もついさっき調査員としての勤務時間を終えました。今は、ただのアカリさんの友人です」
そう答えて、私は調査員の制服の上着をバサッと脱ぎ捨てた。
これは任務でも、現マスターであるシュウ様の命でもない。私自身が選んだ行動だ。
「調査員ではなく、私個人の意志。
友達と、自分の父親の幸せを守る為にここに居るんです!」
今度こそ、なりたい自分になってみせる。
幼い頃に憧れた、大好きな勇者様が幸せになれる道を共に切り拓く女戦士にーー。
もう迷ったり、逃げたりしない。
相手は夢の配達人のSランクに引けを取らない実力を持つディアスさん。シュウ様に言われて密かに張り付いていたけれど、すでに気付かれていた。
きっと私が勝てる相手ではない。
……でも、勝てなくてもいい。
アカリさんの乗る船が出航するまでの時間を稼げたら、それでいい。
そう、思った。
しかしそんな甘い考えは、この後瞬時に打ち砕かれる……。
キッと見据えて、相手がどう出るか一瞬たりとも気を許さないよう身構える。
すると、ディアスさんはふぅ……っと短く溜め息を吐いた。
「……困りましたね。
貴女様はヴァロン様のご息女。仮にもリオン様の血縁にある貴女を傷付けたくはないのですが……」
そう言いながら懐から結い紐を取り出すと、背中まで伸びた長い黒髪を束ねて、ディアスさんも私を強い瞳で見つめ返してきた。
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