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第15章(3)ユイside
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***
それはひと月程前の出来事だった。
久々の休暇にレイさんに誘われて、2人で食事に行った時の事。
帰りに立ち寄った広場で……。
「今日は誘って下さってありがとうございました!とっても楽しかったです」
隣を歩いてくれるレイさんに、私は微笑みながらお礼を言った。
食事中の話題は、主にお父さんの事。
楽しくて、嬉しくて……。最初誘われた時はどうしようか?と戸惑ったが、無理にではなく、私はいつの間にか心の底から微笑っていた。
心地良いと感じる雰囲気。
きっとお父さんの話をたくさん聞けて、私は嬉しかったのだ。
……そう、思ってたの。
けどーー。
ふと、足を止めるレイさん。
何かあったのかな?と、少し前に行ってしまった私が振り返ると……。
「ボク、ユイさんの事が好きです」
「……え?」
「ユイさんが、大好きです」
「レイ、さん……」
いつもと変わらない優しい表情で、頬を少し赤く染めて、レイさんは真っ直ぐな想いをぶつけてくれた。
突然の事で、一瞬何を言われたのか分からなくて、私は目を見開いて固まってしまう。
するとレイさんは、優しく微笑んで、こう言ってくれた。
「返事はすぐじゃなくて大丈夫です。
ただ、ボクは……ユイさんの笑顔を、ずっと見ていたいです」
……そう言われて、私は初めて気付いた。
私を見つめてくれているレイさんの瞳が、とても優しくて綺麗な事に。
それは、私が憧れ続けた瞳の輝き。ヴァロンさんが、アカリさんを見つめている時と、一緒の瞳。
嘘偽りないとハッキリ伝わってくる、曇りのない恋の瞳ーー。
「っ……」
レイさんの気持ちが分かった時、"嬉しい"と素直に思った。
照れて「さっ、帰りましょう」と、もう私の顔をまともに見ずに送ってくれたからレイさんは気付いていなかったけれど……。彼に負けないくらい、私の顔も赤かったに違いない。
けれど、初めて真剣に告白された私には、すぐにこの胸の高鳴りが"本当の恋心"なのか分からなかったの。
……
…………。
それはひと月程前の出来事だった。
久々の休暇にレイさんに誘われて、2人で食事に行った時の事。
帰りに立ち寄った広場で……。
「今日は誘って下さってありがとうございました!とっても楽しかったです」
隣を歩いてくれるレイさんに、私は微笑みながらお礼を言った。
食事中の話題は、主にお父さんの事。
楽しくて、嬉しくて……。最初誘われた時はどうしようか?と戸惑ったが、無理にではなく、私はいつの間にか心の底から微笑っていた。
心地良いと感じる雰囲気。
きっとお父さんの話をたくさん聞けて、私は嬉しかったのだ。
……そう、思ってたの。
けどーー。
ふと、足を止めるレイさん。
何かあったのかな?と、少し前に行ってしまった私が振り返ると……。
「ボク、ユイさんの事が好きです」
「……え?」
「ユイさんが、大好きです」
「レイ、さん……」
いつもと変わらない優しい表情で、頬を少し赤く染めて、レイさんは真っ直ぐな想いをぶつけてくれた。
突然の事で、一瞬何を言われたのか分からなくて、私は目を見開いて固まってしまう。
するとレイさんは、優しく微笑んで、こう言ってくれた。
「返事はすぐじゃなくて大丈夫です。
ただ、ボクは……ユイさんの笑顔を、ずっと見ていたいです」
……そう言われて、私は初めて気付いた。
私を見つめてくれているレイさんの瞳が、とても優しくて綺麗な事に。
それは、私が憧れ続けた瞳の輝き。ヴァロンさんが、アカリさんを見つめている時と、一緒の瞳。
嘘偽りないとハッキリ伝わってくる、曇りのない恋の瞳ーー。
「っ……」
レイさんの気持ちが分かった時、"嬉しい"と素直に思った。
照れて「さっ、帰りましょう」と、もう私の顔をまともに見ずに送ってくれたからレイさんは気付いていなかったけれど……。彼に負けないくらい、私の顔も赤かったに違いない。
けれど、初めて真剣に告白された私には、すぐにこの胸の高鳴りが"本当の恋心"なのか分からなかったの。
……
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