183 / 213
第18章(1)マオside
1-4
しおりを挟む
***
「ーーえっ?」
一緒に僕の部屋に入って、僕が先程の自分の言動に弁解と謝罪をすると、アカリさんは目を見開いて驚いた表情をした。
自分でもよく分からない感情を上手く説明出来たのか分からない。
でも、彼女にはちゃんと伝えて知って欲しいと思った。
ソファーに隣同士で腰掛けて話をした僕はアカリさんの返答が気になったが、横目でチラッと彼女の様子を確認するだけで、なかなか真横を向けない。
彼女は僕の話を聞いて、どう思ったんだろう?
ドキドキしながら暫く黙っていると、アカリさんは驚いた表情を浮かべたまま僕に言った。
「えっ、と……」
「!っ……はい!」
「つまり、マオさんは……。私が、前の夫を気にしていたら……嫌、なんですか?」
「……え?」
そう質問されて、僕は思わず顔を横に向けて彼女を見た。
すると、アカリさんの綺麗な漆黒の瞳と僕の瞳が重なって……。ドキドキが、止まる。
「私と前の夫の事、気になるん……ですか?」
以前の僕ならば、こんな風に落ち着いて彼女の瞳を真っ直ぐに見つめ返す事は出来なかっただろう。
でも、アカリさんの心が瞳を通じて伝わって来たような感覚に陥って、真剣に答えた。
「ーーはい。気に、なります」
無理だと、分かってる。
愛し合って、結婚して、子供までいて……。大切な時間やものを共有してきた旦那さんに勝る事なんて出来ないと、分かってる。
でも、でもっ……。
僕を、見てほしいーー。
この感情を上手く言葉に出来なくて、もどかしい。
ただただ瞳を逸らさずにジッと見つめていると、アカリさんの顔が次第に赤く染まっていくように感じた。
「っ……そ、それって、つまり……」
「?……アカリさん?」
「マオさんは……、え?っ……えっ?~~ッ」
そして、戸惑ったようにワタワタし出したアカリさんは、みるみるうちに真っ赤になった顔を両手で押さて俯いてしまう。
「ーーえっ?」
一緒に僕の部屋に入って、僕が先程の自分の言動に弁解と謝罪をすると、アカリさんは目を見開いて驚いた表情をした。
自分でもよく分からない感情を上手く説明出来たのか分からない。
でも、彼女にはちゃんと伝えて知って欲しいと思った。
ソファーに隣同士で腰掛けて話をした僕はアカリさんの返答が気になったが、横目でチラッと彼女の様子を確認するだけで、なかなか真横を向けない。
彼女は僕の話を聞いて、どう思ったんだろう?
ドキドキしながら暫く黙っていると、アカリさんは驚いた表情を浮かべたまま僕に言った。
「えっ、と……」
「!っ……はい!」
「つまり、マオさんは……。私が、前の夫を気にしていたら……嫌、なんですか?」
「……え?」
そう質問されて、僕は思わず顔を横に向けて彼女を見た。
すると、アカリさんの綺麗な漆黒の瞳と僕の瞳が重なって……。ドキドキが、止まる。
「私と前の夫の事、気になるん……ですか?」
以前の僕ならば、こんな風に落ち着いて彼女の瞳を真っ直ぐに見つめ返す事は出来なかっただろう。
でも、アカリさんの心が瞳を通じて伝わって来たような感覚に陥って、真剣に答えた。
「ーーはい。気に、なります」
無理だと、分かってる。
愛し合って、結婚して、子供までいて……。大切な時間やものを共有してきた旦那さんに勝る事なんて出来ないと、分かってる。
でも、でもっ……。
僕を、見てほしいーー。
この感情を上手く言葉に出来なくて、もどかしい。
ただただ瞳を逸らさずにジッと見つめていると、アカリさんの顔が次第に赤く染まっていくように感じた。
「っ……そ、それって、つまり……」
「?……アカリさん?」
「マオさんは……、え?っ……えっ?~~ッ」
そして、戸惑ったようにワタワタし出したアカリさんは、みるみるうちに真っ赤になった顔を両手で押さて俯いてしまう。
0
あなたにおすすめの小説
二度目の初恋は、穏やかな伯爵と
柴田はつみ
恋愛
交通事故に遭い、気がつけば18歳のアランと出会う前の自分に戻っていた伯爵令嬢リーシャン。
冷酷で傲慢な伯爵アランとの不和な結婚生活を経験した彼女は、今度こそ彼とは関わらないと固く誓う。しかし運命のいたずらか、リーシャンは再びアランと出会ってしまう。
氷の宰相補佐と押しつけられた厄災の花嫁
瑞原唯子
恋愛
王命により、アイザックはまだ十歳の少女を妻として娶ることになった。
彼女は生後まもなく始末されたはずの『厄災の姫』である。最近になって生存が判明したが、いまさら王家に迎え入れることも始末することもできない——悩んだ末、国王は序列一位のシェフィールド公爵家に押しつけたのだ。
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
冷酷騎士様の「愛さない」は一分も持たなかった件
水月
恋愛
「君を愛するつもりはない」
結婚初夜、帝国最強の冷酷騎士ヴォルフラム・ツヴァルト公爵はそう言い放った。
出来損ないと蔑まれ、姉の代わりの生贄として政略結婚に差し出されたリーリア・ミラベルにとって、それはむしろ救いだった。
愛を期待されないのなら、失望させることもない。
契約妻として静かに役目を果たそうとしたリーリアは、緩んだ軍服のボタンを自らの銀髪と微弱な強化魔法で直す。
ただ「役に立ちたい」という一心だった。
――その瞬間。
冷酷騎士の情緒が崩壊した。
「君は、自分の価値を分かっていない」
開始一分で愛さない宣言は撤回。
無自覚に自己評価が低い妻に、激重独占欲を発症した最強騎士が爆誕する。
以後、
寝室は強制統合
常時抱っこ移動
一秒ごとに更新される溺愛
妻を傷つける者には容赦なし宣言
甘さ過多、独占欲過剰、愛情暴走中。
さらにはリーリアを取り戻そうとする実家の横槍まで入り――?
自己評価ゼロの健気令嬢と愛が一分も我慢できなかった最強騎士。
溺愛が止まらない、契約結婚から始まる甘すぎる逆転ラブコメ
恋は、母をやめてから始まる――正体を隠したまま、仮の婚約者になりました
あい
恋愛
両親を失ったあの日、
赤子の弟を抱いて家を出た少女がいた。
それが、アリア。
世間からは「若い母」と呼ばれながらも、
彼女は否定しなかった。
十六年間、弟を守るためだけに生きてきたから。
恋も未来も、すべて後回し。
けれど弟は成長し、ついに巣立つ。
「今度は、自分の人生を生きて」
その一言が、
止まっていた時間を動かした。
役目を終えた夜。
アリアは初めて、自分のために扉を開く。
向かった先は、婚姻仲介所。
愛を求めたわけではない。
ただ、このまま立ち止まりたくなかった。
――けれどその名前は、
結婚を急かされていた若き当主のもとへと届く。
これは、
十六年“母”だった女性が、
もう一度“ひとりの女”として歩き出す物語。
半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜
侑子
恋愛
小さな村のはずれにあるボロ小屋で、母と二人、貧しく暮らすキアラ。
父がいなくても以前はそこそこ幸せに暮らしていたのだが、横暴な領主から愛人になれと迫られた美しい母がそれを拒否したため、仕事をクビになり、家も追い出されてしまったのだ。
まだ九歳だけれど、人一倍力持ちで頑丈なキアラは、体の弱い母を支えるために森で狩りや採集に励む中、不思議で可愛い魔獣に出会う。
クロと名付けてともに暮らしを良くするために奮闘するが、まるで言葉がわかるかのような行動を見せるクロには、なんだか秘密があるようだ。
その上キアラ自身にも、なにやら出生に秘密があったようで……?
※二章からは、十四歳になった皇女キアラのお話です。
私たちの離婚幸福論
桔梗
恋愛
ヴェルディア帝国の皇后として、順風満帆な人生を歩んでいたルシェル。
しかし、彼女の平穏な日々は、ノアの突然の記憶喪失によって崩れ去る。
彼はルシェルとの記憶だけを失い、代わりに”愛する女性”としてイザベルを迎え入れたのだった。
信じていた愛が消え、冷たく突き放されるルシェル。
だがそこに、隣国アンダルシア王国の皇太子ゼノンが現れ、驚くべき提案を持ちかける。
それは救済か、あるいは——
真実を覆う闇の中、ルシェルの新たな運命が幕を開ける。
【完結/番外追加】サリシャの光 〜憧れの先へ〜
ねるねわかば
恋愛
彼女は進む。過去に囚われた者たちを残して──
大商会の娘サーシャ。
子どもの頃から家業に関わる彼女は、従妹のメリンダと共に商会の看板娘として注目を集めていた。
華々しい活躍の裏で、着実に努力を重ねて夢へと向かうサーシャ。しかし時には心ないことを言う者もいた。
そんな彼女が初めて抱いた淡い恋。
けれどその想いは、メリンダの涙と少年の軽率な一言であっさり踏みにじられてしまう。
サーシャはメリンダたちとは距離をおき、商会の仕事からも離れる。
新たな場所で任される仕事、そして新たな出会い。どこにあっても、彼女が夢を諦めることはない。
一方、光に囚われた者たちは後悔と執着を募らせていき──
夢を諦めない少女が、もがきながら光を紡いでいく軌跡。
※前作「ルースの祈り」と同じ世界観で登場人物も一部かぶりますが、単体でお読みいただけます。
※作中の仕事や制作物、小物の知識などは全てフィクションです。史実や事実に基づいていないことをご理解ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる