夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

☆リサーナ☆

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第18章(2)マオside

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けれど。
もし来世があるのならば、この未来さきを生きる事が少しだけ寂しくし、怖くない。
希望を持てる、気がしていた。

馬鹿げた質問だと思いつつも、きっと彼女ならば茶化さないで答えてくれると思ったんだ。
すると……。


「え?っ……ん、ん~~~。難しいですね」

ーーほら、やっぱり。
僕の質問に、アカリさんは真剣に考えてくれる。

「実際、私は前世があったとしても何も覚えてない訳だし……。信じます、って言っても……説得力ないですよね」

こうやって対等に、同じ目線で話してくれる。
そして……。

「でも、私は信じたいです。
前世は覚えていませんけど、来世があるって思ったら……。もしもこの人生の未来さきが辛いものでも、頑張ってまっとうしよう、って思えるから……」

ーーほら、ね。
僕と同じ、答えをくれるんだ。


「っ……。そう、ですか」

アカリさんの答えが嬉しくて、胸が熱くなって、その熱が目に集まって、視野が滲みそうになる。
誤魔化すように見上げるフリをして天を仰ぐと、視線の先の青空を白い一羽の鳥が飛んで行った。


背中の翼を広げて、力強く羽ばたかせて……。向かい風に負けないよう真っ直ぐに、時にその風に身を任せて、自由に飛んで行くーー。

「……僕は、もしも来世があるなら鳥になりたいです」

「!……え?」

「自分の力で、何処へでも行ける……翼が欲しい」

目覚めてから、ずっと思って事を初めて口にした。
ずっとずっと思ってた。病室の窓から外を眺めていた時も、自宅に引きこもってた時も、何をやっても上手くいかない時も……。
その頃は弱い心が生んた、"逃げ"の発想だったのかも知れない。

……けど。
今は、本当の自分で在れる場所へ。自分の居場所へと、行きたいと願う。
"逃げ"ではなく、前へ進む為に。


「……鳥、ですか?
自分が人間以外に生まれ変わるなんて、考えた事ありませんでした」

僕の言葉に、アカリさんが言った。
鳥に……。人間以外に生まれ変わりたい、なんて馬鹿げた発言だと思う。
馬鹿にされても、おかしくないと思う。

でも。彼女なら、きっと……。
僕はそう確信していた。
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