グレイ

☆リサーナ☆

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第4章(4)紫愛side

4-4-5

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トニーさんは、知ってるんだーー……。

トニーさんの声色には全く裏がなくて、確信に溢れたものだ。
そう感じ取って、冷たい汗がスッと背中に流れた。

空気が更に、緊迫していく。

「さ、最強の兵器、って……。
な、何言ってんだよ、オヤジ!人が兵器って、そんなのおかしいだろっ?」

アレクが引き攣った笑いで……。信じられない、って苦笑いした表情で、言った。
みんなもさすがに、トニーさんの言葉には半信半疑のようで、表情には困惑の色を見せる。
けど、そんなみんなにトニーさんが冷静に続けた。

「オレ様はな、実際にたちばな親子を見てるし知ってんだよ。
当時から怪しい噂が絶えなかったからな。相棒と一緒に色々と調べさせてもらった」

そう言ったトニーさんは、持っていた資料の束をバサッとみんなに見えるようにテーブルの上に広げた。みんなが集まって、それを見る。
それにはおそらく、たちばな 涼夜りょうやが起こした最大の悪事について、書かれていた。

たちばな 涼夜りょうやは人と魔物を融合させて、見た目は全く人と変わらない魔物を造り出したんだ。
それこそが、奴の最高かつ最悪の研究結果。人型魔物と言う、人の姿をした最強の兵器だ」

そう語るトニーさんを、もうこの時すでに私は見る事が出来なくなっていた。

バレ、た。
バレていた、すでに……。
私達家族の秘密は、暴かれてしまっていたのだ。

身体の震えを抑えて、この場に立っているのもやっとだった。
すっかり冷え切った心と身体。
動けなくて、思考も止まった私は、ただ人形のようにみんなの声を聞いているだけだった。

「つまり、たちばな 響夜きょうやは人型魔物。その息子である弥夜やよいは、当然、人型魔物……と、言う事ですよね?
そしておそらく、その研究に使われた魔物がダークゲイルで、弥夜やよいは今回の任務に自分の父親が関係している可能性を考えた、と」

ハルさんが、みんなの考えをまとめたような質問を、した。
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