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第5章(5)弥夜side
5-5-2
しおりを挟む「!っ、見付けた!あれが本体だ!!
弥夜!核を破壊するから道をーー……」
ーー……ザシュッ!!
紫夕さんがどうしてほしいのか、すぐに分かる。
僕は指示の途中で自ら動き、紫夕さんの行手を阻もうとしていた蔓を切り裂いて本体までの道を作った。
そんな僕に紫夕さんはすれ違い際に、
「ーーさすが、俺の息子だなっ」
そう言って、くれた。
横目で一瞬目が合った紫夕さんは、とても優しい瞳だった。
その眼差しをを見て熱くなった心に浮かんだのは、
僕は、紫夕さんが大好きなんだーー。
そんな想いで、いっぱいになった。
……
…………。
…………………。
そして、本体の核を破壊すると、辺りを蠢いていた蔓はバタバタと地面に落ちていき……やがて動かなくなり、枯れてパラパラと灰のようになっていった。
森林は落ち着き、静けさを取り戻す。
「よし、一件落着だな!
あ~、やっぱりたまには身体動かさなきゃダメだな。最近は総指揮官の仕事ばっかりで全然戦闘してなかったから、身体が鈍っちまってるわ」
紫夕さんが、「ハハハッ」って笑いながら明るい声で言った。きっと僕が気に病まないように、あえて明るくしてくれているのだと分かる。
けど、僕は何もなかったかのように振る舞う事はすぐには出来なかった。
まずは謝らなきゃいけない。
胸倉を掴んで、生意気な口を利いた事。
そしてそれによって、僕が紫夕さんの本当の息子ではない事があの場に居た全員にバレた。
紫愛、目を丸くして驚いてた。
紫愛は、どう思ったんだろうか?
それから、みんなは?
もしかしたら僕のせいで、人型魔物の事がみんなにバレてしまったかも知れない。
言いたい事、聞きたい事。
言わなきゃいけない事、聞かなきゃいけない事。
たくさんあるのに、なかなか自分から口を開く事が出来ない。
すると、そんな僕に紫夕さんが言った。
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