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第2章(1)アカリside

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【4月下旬/港街の自宅】

「ご飯出来たわよ~」

夕飯の仕度が整い私が声を掛けると、居間でユウさんと遊んでいた子供達が「はぁ~い!」という元気な返事と共に食卓に駆けてくる。

背伸びをしながらテーブルの上を覗いて、夕飯の献立を確認しようとするヒナタとヒカル。
その背後からゆっくりと忍び寄ったユウさんは、二人の頭をポン!ポン!と軽く叩いて目線を合わせるように屈むと……。振り向いた子供達に言い聞かせるように言った。


「ヒナちゃん、ヒカル君。
まだ、おもちゃのお片付けが終わってないだろ~?
大切な物はちゃんとしまわないと、夜中に泥棒さんにもっていかれちゃうぞ?」

「えっ~!?やだやだ~!」

「や~!ひかるの~」

ユウさんの言葉に二人は慌てて居間に戻ると、さっきまで遊んでいた物をおもちゃ箱に必死で片付け始めた。

その光景を見て、私はユウさんと顔を見合わせると微笑み合う。


「よ~し!ユウ兄さんも手伝ってやるから、頑張れ頑張れ~!」

注意して促すだけでなく、ユウさんはそう言うと子供達の元に歩み寄って、一緒に後片付けを手伝ってくれた。

いつもは嫌々やっているように見えるお片付けでさえ、彼がいるだけでヒナタとヒカルはとても楽しそう。

……。

子供達の笑顔を見て、私の決断は間違っていなかったんだと……思える。


今夜は初めて、ユウさんを我が家の夕飯にお招きした。
今までは、朝から夕方まで何処かに外出して遊ぶ事しかしなかった私達。

子供達は「ユウさんも夕飯一緒に食べてって!」毎回言っていたけど、夜自宅に上がる事にはユウさんも遠慮してくれていたから……。

でも、前回の帰りに私がしたプロポーズの返事。
驚いて少しの間呆けていたユウさんは、「じゃあ、僕と付き合ってくれるの?」って遠慮がちに尋ねてきて……。
私が頷くと、その場で「やったぁ!」って飛び上がって、すごく嬉しそうに笑ってくれた。
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