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第4章(1)アカリside
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【広場】
「いい~?あんまり遠くに行っちゃダメよ~?」
「は~い!ヒカル、いこ~」
「ねーちゃ、まて~」
ビニールシートを敷いて休憩スペースを確保していると、ヒナタとヒカルは早速遊び場に駆けて行った。
荷物を置き、シートに腰を降ろして遊んでいる子供達を見つめると、仲の良い姉弟の姿がとても微笑ましい。
ついこの間まで赤ちゃんだったのに、二人とも大きくなったなぁ~。
抱っこして、ミルクをあげていたのが最近の事のように思い出せる。
まだヒナタが完全に乳離れしていない際に、ヒカルを身籠っていた私。
とにかく必死で、あの頃は落ち込む暇もなく育児に追われていた。
そんな私がヴァロンの事が恋しくなって落ち込んだり、色々悩んで泣いたり……。
様々な感情が溢れ出すようになった。
ある意味やっと、私は今自分自身を取り戻しかけているんだと思う。
ヴァロンがいなくなってから駆け抜けるようだった時間が、再びゆっくり刻みになりだした自分の生活。
すっかり彼との想い出が、心穏やかに思い出せるようになっていた。
この広場も、買い物がてらヴァロンと散歩した事がある想い出の場所の一つ。
だいぶ雰囲気は変わってしまったけど、あの時からあるいくつかの出店と噴水。
一緒にクレープを食べて、ヴァロンがこの噴水にある言い伝えを教えてくれた。
”噴水に背を向けて10歩歩いて、そのまま振り返らずコインを投げて、中央の小さな受け皿に入ったら何でも願い事が叶うんだ”って……。
「やってみる?」って言われて、あの時は「無理だよ!」って断ってしまった。
だって中央の受け皿って本当に直径10㎝位の小さなもので、ヴァロンですら成功した事がないなんて言われたら、とても自分では入れられないと思った。
「いい~?あんまり遠くに行っちゃダメよ~?」
「は~い!ヒカル、いこ~」
「ねーちゃ、まて~」
ビニールシートを敷いて休憩スペースを確保していると、ヒナタとヒカルは早速遊び場に駆けて行った。
荷物を置き、シートに腰を降ろして遊んでいる子供達を見つめると、仲の良い姉弟の姿がとても微笑ましい。
ついこの間まで赤ちゃんだったのに、二人とも大きくなったなぁ~。
抱っこして、ミルクをあげていたのが最近の事のように思い出せる。
まだヒナタが完全に乳離れしていない際に、ヒカルを身籠っていた私。
とにかく必死で、あの頃は落ち込む暇もなく育児に追われていた。
そんな私がヴァロンの事が恋しくなって落ち込んだり、色々悩んで泣いたり……。
様々な感情が溢れ出すようになった。
ある意味やっと、私は今自分自身を取り戻しかけているんだと思う。
ヴァロンがいなくなってから駆け抜けるようだった時間が、再びゆっくり刻みになりだした自分の生活。
すっかり彼との想い出が、心穏やかに思い出せるようになっていた。
この広場も、買い物がてらヴァロンと散歩した事がある想い出の場所の一つ。
だいぶ雰囲気は変わってしまったけど、あの時からあるいくつかの出店と噴水。
一緒にクレープを食べて、ヴァロンがこの噴水にある言い伝えを教えてくれた。
”噴水に背を向けて10歩歩いて、そのまま振り返らずコインを投げて、中央の小さな受け皿に入ったら何でも願い事が叶うんだ”って……。
「やってみる?」って言われて、あの時は「無理だよ!」って断ってしまった。
だって中央の受け皿って本当に直径10㎝位の小さなもので、ヴァロンですら成功した事がないなんて言われたら、とても自分では入れられないと思った。
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