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第5章(2)アカリside
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【パン屋】
……
…………。
「申し訳、ありませんでしたっ……」
店の奥にある事務所に呼び出された私は、店長に向かって深く頭を下げた。
その訳は……。
どんな理由であれお客様に声を上げ、失礼な態度をとった私の接客態度。
「しっかりして下さいよ?もう大人なんですから!
温厚なお客様だからよかったものの……」
店長さんは溜め息を吐きながら、私に言い聞かせるように言う。
ユウさんの代わりにこの店にやって来た、私より少し年上の男の店長さん。
新米の彼は問題を起こさないように必死で……。
弁解など聞いてもらえる様子ではなかった為、私は謝ってその場をおさめる事にした。
それに、話したところでどうにかなる訳でもなければ、話したくもない。
きっと私の気持ちなど、分かってはもらえないのだから……。
「まぁ……。雨のせいでお客も少ないし、今日はもう上がっていいですよ。
明日からは気持ちを入れ替えて下さいね」
黙って俯きながら話を聞いていた私を見て、キツく言い過ぎたと思ったのだろうか?
時刻はまだ12時を過ぎたばかりだが、店長さんは少し優しい口調になるとそう言ってくれた。
「……はい。
お疲れ様でした。……」
勘違いしている店長さんに申し訳ないと思いながらも、この後元気に接客に戻る自信がなかった私は、お言葉に甘えて仕事を早めに上がる事にした。
事務所を出て更衣室で着替えると、従業員用の出入り口から帰ろうと扉を開ける。
外は、雨。
大粒ではないが、傘がなくてはけっこう濡れる感じの雨がシトシトと降り注いでいた。
子供達の保育所のお迎えまでは、まだ時間がある。
私は一旦自宅へ戻ろうと、鞄の中から折り畳み傘を取り出すと、さして帰り道を歩き出した。
……
………。
……
…………。
「申し訳、ありませんでしたっ……」
店の奥にある事務所に呼び出された私は、店長に向かって深く頭を下げた。
その訳は……。
どんな理由であれお客様に声を上げ、失礼な態度をとった私の接客態度。
「しっかりして下さいよ?もう大人なんですから!
温厚なお客様だからよかったものの……」
店長さんは溜め息を吐きながら、私に言い聞かせるように言う。
ユウさんの代わりにこの店にやって来た、私より少し年上の男の店長さん。
新米の彼は問題を起こさないように必死で……。
弁解など聞いてもらえる様子ではなかった為、私は謝ってその場をおさめる事にした。
それに、話したところでどうにかなる訳でもなければ、話したくもない。
きっと私の気持ちなど、分かってはもらえないのだから……。
「まぁ……。雨のせいでお客も少ないし、今日はもう上がっていいですよ。
明日からは気持ちを入れ替えて下さいね」
黙って俯きながら話を聞いていた私を見て、キツく言い過ぎたと思ったのだろうか?
時刻はまだ12時を過ぎたばかりだが、店長さんは少し優しい口調になるとそう言ってくれた。
「……はい。
お疲れ様でした。……」
勘違いしている店長さんに申し訳ないと思いながらも、この後元気に接客に戻る自信がなかった私は、お言葉に甘えて仕事を早めに上がる事にした。
事務所を出て更衣室で着替えると、従業員用の出入り口から帰ろうと扉を開ける。
外は、雨。
大粒ではないが、傘がなくてはけっこう濡れる感じの雨がシトシトと降り注いでいた。
子供達の保育所のお迎えまでは、まだ時間がある。
私は一旦自宅へ戻ろうと、鞄の中から折り畳み傘を取り出すと、さして帰り道を歩き出した。
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