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第5章(4)アルバートside
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しおりを挟む「会社や財産は、他の者に任せてもよい。欲しい者にくれてやる。
……だが、アカリだけは……っ。
大切な孫娘だけは、ヴァロン君以外に任せられん!」
私は間違っているのかも知れない。
上に立つ者として、ここまで私を信じて付いてきてくれた者達からしたら最低かも知れん。
でも。
残された人生の中で、それが1番譲れない大切なものだった。
「そのお言葉、奥様やギルバート様がお聞きになられたら、とても喜ばれると思います」
固く握り締めた私の拳にそっと手を添えて、ローザが言った。
「及ばずながら、私もお支えします。
他の使用人達が去っても、私はどうか最後まで貴方様のお側にいさせて下さいませ」
先程の厳しい意見を言った表情とはガラリと変わった彼女が、優しく微笑んだ。
いつも私の気持ちを汲み取り、側にいてくれたローザ。
「……ああ。よろしく頼むよ。
さっきは声を上げて、すまなかった」
私の謝罪の言葉に、彼女は首を横に振って許してくれた。
……
…………。
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