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第5章(5)ローザside
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〈回想〉
それなのにーー。
「!……うわぁ~っ!」
お見合い当日。
私は目の前に広がる別荘に圧倒され、驚きの声を上げていた。
「ははっ、気に入ったかい?」
そう言って優しい笑顔で私の隣に立つ男性。
実年齢よりは間違いなく若く見えし、白髪混じりの茶髪と鼻の下の髭もお洒落に見えて紳士的。
それが私のお見合い相手のアルバート様だった。
さて、どんな風に暴れてやろうか?
顔を合わせた瞬間からそんな事ばかりを考えていた私に、「君を連れて行きたい場所がある」と言ってアルバート様は早々にお見合い会場を後にすると船に乗せ、この別荘に連れてきた。
おそらくまだ建てたばかりの新築であろう。
近くの浜辺が見渡せる小高い丘の上に建った、白壁に赤に近い茶色の屋根の可愛い外観。
外から見る限り二階建てだが、一階から二階までの空間が広いのか高さもあり、広い土地を伸び伸びと使われていて横にも広い。
「良かったら中へどうぞ。
君がこの別荘へ招待した第一号様だ」
圧倒される私に、アルバート様が促す。
へぇ、なるほど。
そうやって自分の凄さをアピールして、私をつろうとしているのね。
その手には乗らない!と、思いつつも……。
正直、内装が気になった。
海辺の美しい別荘、なんて昔読んだ絵本の中みたいに夢だったし。
少し、見るだけ。
私はそんな気持ちでアルバート様に付いて、別荘の中へ入った。
別荘内は、この頃はまだたいした装飾品や家具はなく、ただただ広いだけの空間だった。
でも、アルバート様は私を案内しながら各部屋や場所をこうしたい、ああしたいと自分の理想を話してくれた。
それを頭の中で想像しながら一緒に歩くうちに、いつの間にか楽しくなった私は、自分の意見も述べて会話を弾ませていたの。
それなのにーー。
「!……うわぁ~っ!」
お見合い当日。
私は目の前に広がる別荘に圧倒され、驚きの声を上げていた。
「ははっ、気に入ったかい?」
そう言って優しい笑顔で私の隣に立つ男性。
実年齢よりは間違いなく若く見えし、白髪混じりの茶髪と鼻の下の髭もお洒落に見えて紳士的。
それが私のお見合い相手のアルバート様だった。
さて、どんな風に暴れてやろうか?
顔を合わせた瞬間からそんな事ばかりを考えていた私に、「君を連れて行きたい場所がある」と言ってアルバート様は早々にお見合い会場を後にすると船に乗せ、この別荘に連れてきた。
おそらくまだ建てたばかりの新築であろう。
近くの浜辺が見渡せる小高い丘の上に建った、白壁に赤に近い茶色の屋根の可愛い外観。
外から見る限り二階建てだが、一階から二階までの空間が広いのか高さもあり、広い土地を伸び伸びと使われていて横にも広い。
「良かったら中へどうぞ。
君がこの別荘へ招待した第一号様だ」
圧倒される私に、アルバート様が促す。
へぇ、なるほど。
そうやって自分の凄さをアピールして、私をつろうとしているのね。
その手には乗らない!と、思いつつも……。
正直、内装が気になった。
海辺の美しい別荘、なんて昔読んだ絵本の中みたいに夢だったし。
少し、見るだけ。
私はそんな気持ちでアルバート様に付いて、別荘の中へ入った。
別荘内は、この頃はまだたいした装飾品や家具はなく、ただただ広いだけの空間だった。
でも、アルバート様は私を案内しながら各部屋や場所をこうしたい、ああしたいと自分の理想を話してくれた。
それを頭の中で想像しながら一緒に歩くうちに、いつの間にか楽しくなった私は、自分の意見も述べて会話を弾ませていたの。
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