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第7章(2)ディアスside
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しおりを挟む「特に、ないよ?
相変わらず仕事もさっぱりだし……。この前もお祖父様にはお叱りを受けたばかりだ」
困ったような笑みを浮かべるマオ様。
相変わらず明るい笑顔を見せる事はないが、それにしても以前とは違い過ぎる。
以前ならばこんな風に自分の失敗やお咎めを受けた事を話す時は、目を伏せて落ち込んだ様子が一目瞭然。
一体、自分が留守にしている間に何があったのか?
疑問抱くが、ご機嫌な主人はそんな事はお構いなしに無邪気に私に接してくる。
「ディアス、もし良かったら買い物に付き合ってほしいんだ。
……疲れてるかな?駄目?」
何とも控え目なお願い。
”買い物に付き合え”と命じて下さればいいのに、この方はいつも自分の事よりも相手を気遣って下さるのだ。
「とんでも御座いません。
マオ様のお誘いとあらば、喜んでお供致します。
準備をして参りますので少しお待ち下さい」
その言葉に、分かりやすいくらいに明るく響くマオ様の「ありがとう」を聞くと、私は一礼して出掛ける支度に取り掛かった。
……
…………。
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