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第7章(4)シュウside
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しおりを挟むしかし。
今の私に、一体何が出来るのだろう?
自分の事も満足に出来ない。
ましてや、夢の配達人のマスターである私が問題を起こす事は出来ない。
配達人の為にも、家族の為にも……。
結局私は、何も出来ないのだ。
己の無力さを痛感し、拳を握り締めた。
私は今のままでいるしかないのだ。
なるべく平穏に、波風を立てず、生きよう。
そう心の中で呟いた瞬間ーー。
「マスターッ!!」
「!!……え?」
私を呼ぶ声に、ドクンッと跳ね上がる鼓動。
同時に鼻に届く、懐かしい香水の香り。
リディア?
まさかと思いながらも、頭の中に浮かんだのは美しい彼女の姿だった。
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