夢の言葉と約束の翼(上)【続編⑤】

☆リサーナ☆

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第8章(3)マオside

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『僕も一緒だから、楽しい』

そして、嘘偽りないとハッキリ感じられるその言葉が……。
僕に、自ら一歩を歩む勇気をくれる。


「そうだね。
みんなで居ると、楽しいよね。
……うん、遊ぼう!一緒に!
ヒカル君、今度はヒカル君とも一緒に遊びたい。僕と、遊んでくれないかな?」

以前の自分からは想像も出来なかった言葉が、行動が……。自然と動き出した。

僕が屈んで差し出した右手を見て、最初はキョトンとしていたヒカル君。
でも、そっと様子を伺うように目線を合わせて、「うんっ」って、笑って頷いて、小さな掌を預けてくれた。


ーーやっと、握れた。

手袋越しだけど、その小さな手はとても温かくて”大切にしたい”って思える宝物のように感じる。
何だかくすぐったい気持ちを感じて表情を緩ませていると……。


「ヒカルとマオさんだけずるーい!
ヒナとママもー!」

そう言ってアカリさんと手を繋いだヒナタちゃんが、反対の手をヒカル君と繋ぐ。


左右に僕とアカリさん。
そして、その真ん中にヒナタちゃんとヒカル君。

それは、理想の、仲の良い家族の形。


違和感なく出来上がったその形に、思わず反対側のアカリさん見た。

そしたら、始めは困ったような表情だった彼女が……。
僕と目が合った瞬間に、とても幸せそうに微笑った。

少し赤く染まった頬は、暑さのせいだろうか?


そうに違いない。
君が僕に特別な感情を抱いている筈などないと思いながら、確かに思った。

最初出逢った時の悲しそうな切ない瞳より、彼女には笑顔が似合う。

もしも願いが叶うなら……。
ずっと、君に微笑っていてほしい。

何よりも、そう強く願っていた。
何故だか僕は、そう願わずにはいられなかったんだ。

……
…………。
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