上 下
76 / 214
第4章(1)ヴァロンside

1-4

しおりを挟む

「っ……で、でも。
その間、ヴァロンを一人にしちゃうし……。
せっかく一緒に旅行にきてるのに……」

無料は嬉しいけど、俺と離れたくない。
そうハッキリ顔に書いてあるアカリ。
俺はそんな彼女の頭をポンポンッと撫でると、そのイベント会場の近くにあるお店を指差した。


「平気平気。
俺、あそこの本屋ちょっと覗きたいって思ってたから時間潰してるよ。退屈しないから、安心して?」

俺の言葉を聞くとアカリは本屋の位置を確認して、そこがすぐ近くだと分かると安心した様に笑顔で頷く。


「分かった。
じゃあ、お言葉に甘えて作ってくる!」

「ん、じゃあ……。また後でな」

俺はアカリをイベント会場に送り、荷物を鍵付きのロッカーに預けると目当ての本屋に向かった。
しおりを挟む

処理中です...