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第23章(3)スズカside
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夜、私は気になる事がありアカリ様の元を訪れる事にした。
しかし、ノックをしても、声をお掛けしても返事がない。心配になった私が、そっと扉をあけて中の様子を伺うと……。
「!……アカリ様っ?どうかされましたかっ?」
「!っ、スズカ……」
驚いて、思わず駆け寄る。
自室のベッドに腰掛け、猫のぬいぐるみを抱き締めながらアカリ様は泣いていたのだ。
専属の使用人である私は、気付いていた。
私達の前では明るく振る舞っているアカリ様が、毎夜毎夜部屋に戻られてから寂しそうにしている事を……。
夜中、私が見回りに訪れるとポケ電を握り締めて眠っていた事もあった。
いけないと思いつつ画面を覗くと、そこに映っていたのはアカリ様によく似た二人の子供。それはきっと、ここへ嫁ぐと決めた際に残してきたアカリ様の実のお子様達。
アカリ様は苦しんでいらっしゃる。
毎日毎日私達に見せてくれる笑顔の裏で、本当はずっと1人で孤独と戦っていらっしゃるのだ。
そして……。
「アカリ様、その猫のぬいぐるみ。もしかして、前の旦那様に頂いたのではありませんか?」
「え?っ……どう、して?」
私の質問に、涙に濡れたアカリ様の瞳が大きく見開かれ、"やっぱり"と思った。
ぬいぐるみに視線を移して、改めて確証する。
私が教えて一緒に作った際の生地とは違うけれど、それは間違いなく……。
「恐れながら、私が作り方を教えたのです」
「えっ?」
「私がマオ様に、ぬいぐるみの作り方をお教えしました」
今も忘れられないあの日々を思い出す。
そして、あの時のマオ様を思い出して、納得する。
アカリ様が、マオ様の言っていた愛おしい方なのだ、と……。
それから、アカリ様もマオ様の事を……。きっと、今もお慕いしているのだ、と。
おそらく、お二人は想い合いながらもなんらかの事情があり別れてしまったのだ。
それが、私がずっと違和感を感じていた"何故マオ様はミネア様をお選びになったのか?"という疑問の答えに繋がると感じる。
そう思ったら、今まで府に落ちなかった胸のつかえがストンッとなくなった。
夜、私は気になる事がありアカリ様の元を訪れる事にした。
しかし、ノックをしても、声をお掛けしても返事がない。心配になった私が、そっと扉をあけて中の様子を伺うと……。
「!……アカリ様っ?どうかされましたかっ?」
「!っ、スズカ……」
驚いて、思わず駆け寄る。
自室のベッドに腰掛け、猫のぬいぐるみを抱き締めながらアカリ様は泣いていたのだ。
専属の使用人である私は、気付いていた。
私達の前では明るく振る舞っているアカリ様が、毎夜毎夜部屋に戻られてから寂しそうにしている事を……。
夜中、私が見回りに訪れるとポケ電を握り締めて眠っていた事もあった。
いけないと思いつつ画面を覗くと、そこに映っていたのはアカリ様によく似た二人の子供。それはきっと、ここへ嫁ぐと決めた際に残してきたアカリ様の実のお子様達。
アカリ様は苦しんでいらっしゃる。
毎日毎日私達に見せてくれる笑顔の裏で、本当はずっと1人で孤独と戦っていらっしゃるのだ。
そして……。
「アカリ様、その猫のぬいぐるみ。もしかして、前の旦那様に頂いたのではありませんか?」
「え?っ……どう、して?」
私の質問に、涙に濡れたアカリ様の瞳が大きく見開かれ、"やっぱり"と思った。
ぬいぐるみに視線を移して、改めて確証する。
私が教えて一緒に作った際の生地とは違うけれど、それは間違いなく……。
「恐れながら、私が作り方を教えたのです」
「えっ?」
「私がマオ様に、ぬいぐるみの作り方をお教えしました」
今も忘れられないあの日々を思い出す。
そして、あの時のマオ様を思い出して、納得する。
アカリ様が、マオ様の言っていた愛おしい方なのだ、と……。
それから、アカリ様もマオ様の事を……。きっと、今もお慕いしているのだ、と。
おそらく、お二人は想い合いながらもなんらかの事情があり別れてしまったのだ。
それが、私がずっと違和感を感じていた"何故マオ様はミネア様をお選びになったのか?"という疑問の答えに繋がると感じる。
そう思ったら、今まで府に落ちなかった胸のつかえがストンッとなくなった。
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