夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】

☆リサーナ☆

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第24章(3)ミネアside

3-5

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「箱の中身は、恥ずかしいから勘弁して?
その代わり、とっておきの秘密教えてやるから」

まるで子供を納得させるみたいに、そう言った。
今思えば、彼のこの行動はわたくしの気持ちに気付いていたから……。

"ごめんね、箱の中身俺の気持ちはあげられない。その代わり、とっておきの秘密教えてやるから君に嘘はつかないよ"ーー。

そう、言っていたのね?


「……箱の中身のが気になるわ」

「いや、コレを聞いたらお前絶対に食い付くぞ!」

「絶対?」

「ああ。……この本はな、俺の父さんが書いた本なんだ」

「!……リオン様の?!」

でも、こんな時でも貴方は優しくわたくしの気を逸らしてくれた。
自然に興味を本に引き付けてくれて、わたくしから醜い感情が飛び出さないように接してくれた。

リオン様が書かれた本。
その衝撃にすっかり心を奪われたわたくしは、この時ただただ無邪気に、夢中になっていた。


「ずっと、この本を探してたんだ。
俺と同じ名前の主人公が、度重なる試練を乗り越えて、未来を歩んで行く話。
俺が小さい頃父さんから貰った時は、まだ途中で……。でも、ディアスが父さんから預かってたみたいでさ。やっと、続きが読めたんだ」

「へぇ~……。
……!っ……、ねぇ!これって……」

ヴァロンの話にすっかり感動したわたくしが表紙を眺めていると、表紙の右下に書かれていた"ある文字"に気付く。
そこに、書かれていたのは「noiLノイエル」。本を書いた著者名が記載されている場所に、その名前があった。
驚いた表情のまま視線を移すわたくしに、ヴァロンは"気付いた?"って言いたげにニッと微笑む。

「……そう。それは、父さんが執筆していた時のペンネーム。本名のLionリオンを逆にして、Lionリオン
絵本から舞台になったあの名作『月姫の祈り』の作者だ」

それは、これまでずっと謎に包まれていた"あれだけ大人気だったのに、何故Lionリオンの作品は他にないのか?"という疑問の答えだった。
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