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第25章(1)シャルマside
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3月3日。
結婚式場、親族控室ーシャルマの部屋ー。
「……ディアス、殺せ」
今日で、全てを終わらせるーー。
何よりも苦しめる方法を、見付けたからな。
「アカリ様を、殺せ」
奪ってやろう。
彼奴の1番大切な者を奪ってやろう。
『天使の血を持つ者は、真に愛した者とは決して結ばれないーー』
その言い伝え通りの運命を、ヴァロンにも辿らせてやろう。
彼奴だけ幸せになど、させてなるものかッ……!!
蓄積され溢れ出すドス黒い感情。
強い念を込めて、能力を使おうとした瞬間だった。
「ーーそんな事はさせません」
扉が静かに開き、そう言葉を発した人物が一歩だけ部屋の中に入ってくる。
その気配に私がゆっくりと振り返ると、白いタキシードに身を包んだその男は、上着の内側から拳銃を取り出して……そのまま構えた。
リオン譲りの、灰色の髪の男ーー。
「……やはり。お前も私に逆らうか、アラン」
距離は離れているが、表情はハッキリと分かる。
今までさほど似ているとは思わなかったのに、この時のアランの悲しそうな表情が、リオンと被る。
そして、良く似た声色が問い掛けた。
「……一緒に、逝きましょう。
私が貴方にお供します。だからっ……もう、いいでしょう?」
もう、いいでしょうーー?
リオンが命を絶ったあの時と同じ台詞を言いながら、アランは私に銃口を向けた。
3月3日。
結婚式場、親族控室ーシャルマの部屋ー。
「……ディアス、殺せ」
今日で、全てを終わらせるーー。
何よりも苦しめる方法を、見付けたからな。
「アカリ様を、殺せ」
奪ってやろう。
彼奴の1番大切な者を奪ってやろう。
『天使の血を持つ者は、真に愛した者とは決して結ばれないーー』
その言い伝え通りの運命を、ヴァロンにも辿らせてやろう。
彼奴だけ幸せになど、させてなるものかッ……!!
蓄積され溢れ出すドス黒い感情。
強い念を込めて、能力を使おうとした瞬間だった。
「ーーそんな事はさせません」
扉が静かに開き、そう言葉を発した人物が一歩だけ部屋の中に入ってくる。
その気配に私がゆっくりと振り返ると、白いタキシードに身を包んだその男は、上着の内側から拳銃を取り出して……そのまま構えた。
リオン譲りの、灰色の髪の男ーー。
「……やはり。お前も私に逆らうか、アラン」
距離は離れているが、表情はハッキリと分かる。
今までさほど似ているとは思わなかったのに、この時のアランの悲しそうな表情が、リオンと被る。
そして、良く似た声色が問い掛けた。
「……一緒に、逝きましょう。
私が貴方にお供します。だからっ……もう、いいでしょう?」
もう、いいでしょうーー?
リオンが命を絶ったあの時と同じ台詞を言いながら、アランは私に銃口を向けた。
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