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第25章(1)シャルマside
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しおりを挟む他の者など、どうでも良かった。
私の唯一の息子、リオンだけは失いたくなった。
だから、自分の出来る最大限を与えてやろうと思った。
安定した生活に、仕事、将来。
私の妻とは違う、リオンだけを一途に愛してくれる許嫁。
それなのに……。
『父さん、僕は……作家になりたいんだ!!』
ーー何故だ?
『リリカは幼馴染だよっ?
僕は、結婚する相手は自分で選びたいッ……!!』
何故、そんな事を言うのだ?
私は私に与えられる全てをやって、お前を幸せにしてやろうとしているのに……。何故、分からないのだ!!
……
…………。
そして、家を……。私の元を飛び出したリオンは、アンナと出逢い、不幸になった。
私の愛する息子は、悪い魔女の毒牙にかかってしまった。
救わなくてはならない。
私が、息子を助けてやらなくてはーー!!
迎えに行って、もう一度話したら、リオンはようやく納得して、私の後を継ぎ、私の決めた許嫁と結婚した。
安心しろ、お前を誘惑した魔女も。
魔女がお前を繋ぎ止める為に産んだ薄汚い雑種の子猫も、私がしっかりと始末してやる。
もうお前に近付けないようにしてやる。
お前が幸せだと思える未来を、私が創ってやる。
私がお前を、護ってやるーー。
『……満足した?もう、いいでしょう?』
リオン?
何故、そんな悲しそうに微笑うんだ?
『さよなら、父さん』
……。
私が育てていた花で作った毒薬。
それを自ら飲み干して、リオンは……死んだ。
私の目の前で、私が育てていた花の毒で、自殺した。
……。
何故、リオンが自ら命を絶ったのか分からない。
何も手に付かず、途方に暮れていた私。
しかし。
リオンが亡くなって、三ヶ月程経った頃。私はようやくリオンが亡くなった原因を知る。
アランの結婚が破断した裏で、あの魔女の息子が絡んでいた事を……。
ーーそうか。
不幸の原因がまだ生きていたから、リオンは……。
薄汚い雑種の子猫。
痛め付けて、少しづつ弱らせて、殺してやろう。
お前も愛する者と引き離してやろう。
……だが。
さすがは悪運の強い野良猫。なかなか死らないな。
よし。そろそろ、仕上げといこうか。
……
…………。
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