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第25章(2)アランside
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しおりを挟むその様子にハッとして、拳銃の引き金を引こうとした瞬間だった。
「ーー動かないで」
「!!ッーー……」
とても綺麗な声が、聞こえた。
その直後。オレは背後からフワッと何者かに抱き付かれ、更に拳銃を握っていた手に、その何者かの手が触れる。
するとオレの身体は、まるで石化したように動かなくなってしまった。
振り返る事も出来ない。声も、出せない。
もう一人仲間が居たのかーー?!
唯一自由なのは、目。
真っ直ぐ正面の視界に映るディアスを見て"マズい"と思った。
……けれど、……。
「アラン様。
貴方の役目は、まだまだこれからです」
ーーードスッ……!!!!!
……
…………。
「!!っーー……ガ、ハッ……、……」
ディアスのナイフが、心臓を一撃で貫いた。
オレに微笑って、艶やかな黒髪をなびかせて振り返り……。自分の背後に居た"シャルマ様"に向かって、ディアスがナイフを振り下ろしたのだ。
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