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第26章(2)アンナside

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悪い結果ばかりしか浮かばない時、つまり精神的に弱っている時には明るい未来を見出す事が出来なくなる。
ヴァロンは頭が良くて、何より優しい。その優しさ故に、大切な人を巻き込みたくない、と……。自分が全てを背負い、独りになる人生みちを選ぶ事だろう。


ーーダメよ!そんな事ッ……!!
せっかく運命の女性その子に逢えたのだから、諦めたりしないでっ?!

そう心の中で叫びながらも……。私はその時、占いの館を去って行くヴァロンの背中を黙って見送る事しか出来なかった。


けれど、その後もずっと思わずにはいられなかった。
"私がヴァロンの為に出来る事は、何かないのだろうか?"……と。

魔女。
希血天使の血を持つ者は、漆黒の容姿を受け継がない。
その法則が破られた時、その者は更なる能力ちからを発揮するであろうーーー。

そう呼ばれるだけの、そう言い伝えられるだけの能力ちからがもし私に本当に宿っているのならば……。私は息子ヴァロンの為に、何でもしてやりたいと思った。
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