夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】

☆リサーナ☆

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(2)アランside

2-2

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「美味そうだろ?
てか、絶対に美味いぜ!アカリの手作りだからな!」

「!っ……アカリ、様の?」

兄上の言葉とアカリ様の名前に、思わずドキッとした。
けれど兄上は、そんなオレには気付かずお弁当を幸せそうに眺めながら話を続けた。

「ああ!今日お前と打ち合わせがあるって話したらさ、「一緒に食べて」っていっぱい作ってくれたんだ」

「っ……」

「すげぇよな~。あ!これ、玉子焼きに大葉とチーズが入ってて、美味いんだぜ~!んで、こっちが……」

兄上の笑顔と、このお弁当を用意してくれたアカリ様の気持ちを察して胸が痛くなる。
二人共本当に美しい心の持ち主で、オレなんかを弟として、家族として受け入れてくれているのに……。それなのに、自分はなんてザマなのだろう?

美しい二人の心に触れて、改めて押し寄せてくる罪悪感。箸を持ったまま俯いて、もう合わせる顔がないと思った。
……でも、…………。

「アラン!ほらっ、あーん!」

「!っ……兄上?」

名前を呼ばれてビクッと顔を上げると、目の前に居るのは自分の箸で玉子焼きを掴んで差し出す、笑顔の兄上。


「……何か悩んでるんだろ?」

「!……ッ」

「なら、これ食え!美味いもん食うと、元気になるぜ!」

「っ……ちょ、ッ……!」

悩んでいる、と言い当てられてギクッとするオレの口に、兄上は強引に玉子焼きを押し込んだ。
すると食欲なんてなかった筈なのに、フワッと口の中に広がった爽やかな大葉の香りに突き動かされてオレは口を動かす。

「!……。っ……美味い」

そして、思わず漏れる素直な感想。
久々に食べるアカリ様の手料理は、初めて食べた時と変わらない優しい味。
……いや。また一段と腕を上げているように思えた。
その理由は、絶対に……、……。

「だろだろっ?
あ!こっちの肉の野菜巻きも美味いからさ~……」

「ーー兄上。自分で食べられます!」

オレの「美味い」に気を良くした兄上がまた自分の箸で口元に運んで来そうな勢いを遮り、オレはさっと自分で肉巻きを掴んで食べた。
それを見て兄上は「そっか!いっぱい食えよ」って微笑って、自分も美味しそうに肉巻きやおにぎりを頬張りだす。

兄上のその姿と雰囲気。そして、アカリ様のお弁当の優しさにいつの間にか心が落ち着いていった。
そして、以前よりも更に美味しくなったアカリ様の手料理から感じる"今の幸せ"と"兄上への想い"を強く感じて、オレがいくらやましい想いを抱こうとも兄上とアカリ様この二人が決して揺らがない事を思い知り……なんだか安心した。
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