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(4)アランside
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しおりを挟む「いいか!俺はお前が本気そうだったから力になろうとーー……。って、アラン?どうした?」
お説教口調だったが、頭を抱えて俯き込むオレに気付いた兄上がひょいひょいっと顔を覗き込んでくる。
しかし、オレはそれどころではない。
どうしたもこうしたもないッ……!!
オレ、あの後も何回かあの女の話をしたよなっ?!
兄上が「その後どうだ?」とか会う度に聞いてきたから、深いところまでは話さないにしろある程度の事は答えてしまっていた。
だが、それは相手が分からないと思ったから普通に話せただけで……。相手が誰なのかバレていたのだと思うと、何だか無性に恥ずかしくなってきた。
「……。お前、可愛いな」
「気付いてたなら言ってくれよッ!!」
真っ赤になっているオレの頭をポンポンッと撫でてくる兄上に思わずそう言ってしまって、すぐに"しまった"と、ハッとする。
動揺と恥ずかしさから、ついつい兄上に失礼な言葉を吐いてしまった。気不味くなって再び俯くが、そんな私の肩を兄上がグッと抱いて言った。
「安心したよ」
「!……え?」
「その様子ならスズカの事、本気なんだな?」
「っ……」
気不味くなったオレの気持ちを吹き飛ばすかのように、兄上は微笑う。
その笑顔は本当に嬉しそうで、そして優しい瞳。茶化している訳じゃなく、本当に、本気でオレの恋を喜び、見守ってくれていたのだと感じた。
すると、そんな兄上に解かされて、素直な気持ちがオレの口から漏れる。
「っ……どうすればいいのか、分からない」
「ん?」
「オレ、自信がないんだ……」
オレは女への気持ちを自覚した際に感じた気持ちを、兄上に話した。戸惑い、恐怖、不安……。
兄上はオレが話している間、相槌も打たずに黙って聞いていた。兄上が口を開いたのは、オレの気持ちを全部聞いた後……。
「ーー俺も一緒だよ」
「!……、え?」
「俺も、アカリへの気持ちを自覚した瞬間お前と同じ気持ちだった」
「っ、嘘だ……」
思わず漏れる疑いの言葉。兄上の言葉は、オレからしたら意外でしかなかった。
だって、オレの目から見たら兄上は完璧で、アカリ様も子供も大切にして、幸せにして……。暖かい、信頼し合っている、理想的な家庭を築いてるじゃないかーー。
そんな風に思っていると、兄上はオレの疑いを解くようにゆっくりと話し始めた。
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