幼馴染がそんなに良いなら、婚約解消いたしましょうか?

ルイス

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46話 フォルセの想い その3


「そうでしたか……。アーチェ様、とても大変な目に遭われていたのですね」

「いえ……。確かに大変なことではございましたが、自業自得な面も大きいので」

「そんなことはないと思いますが……まあ、私は当事者ではないので、なんとも申し上げられませんがね」


 セルガス様と私は舞踏会会場の端に陣取り、話を弾ませていた。弾ませると言っても、お互いの趣味思想から始まり、今は私の最近の身の上話になっているけれど。

 私の話を振って来たのはセルガス様からだったので、私のことはある程度、フォルセから聞いているのでしょうね。


「どんな事態になったとしても、幼馴染という存在を失うことは、非常に悲しいと思います」

「そうですね……セルガス様は、そういったご経験はありますか?」

「幼馴染失った経験ということでしょうか?」

「はい」


 セルガス様は少し考え事をしているようだった。しばらくの間無言が続き、フォルセの方向に目をやっている。私も自然とそちらに目をやっていた。


 フォルセの隣には見知らぬ女性の姿がある。いえ、違うわね、あの女性はフォルセの婚約者になる予定の人物だ。確か名前は──。

「フォルセの隣に居る、エルザ・エッジ伯爵令嬢……私も含めて幼馴染の関係にはなりますが、子供の頃はエルザを巡って、フォルセと対立したこともありましたかね」

「まあ、そんなことがあったのですね……」

「ええ。子供ゆえにそこまでドロドロの三角関係というわけではなかったですが。時と場合が違えば、私達の関係も崩れていたかもしれない。そう考えると今の状況は奇跡なのかもしれませんね。大切にしていきたいと思います」


 セルガス様は年齢的には歳下だけれど、私よりも成熟しているよう思えるわね。話も参考になるし……。


「幼馴染という存在は重要ですが、それを乗り越えて行けるように私は今後も、努力していこうかと思っています」

「素晴らしいことですね。幼馴染という決別を糧にしての成長……私も心から応援しております」

「ありがとうございます、セルガス様」


 今日会ったばかりのセルガス様だけれど、随分とプライベートな話をしているような気がする。流石にネプト様の件は詳しくは伝えていないけれど、ウォーレスやニーナの件は詳しく話したのだし。まあ、彼もある程度のことは知っているようだったけれど。

「まったく、フォルセは……おせっかい焼きなんだから……」


 セルガス様を私に会わせたことも含めて、全てはネプト様のことを忘れて、見聞を広めろと言いたいのかもしれないわね。フォルセのおせっかい焼きもここまでくると笑えてくるけれど……それでも私は愛する弟にとても感謝していた。

 自分の成長の為の良い一歩になりそうだったから。
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