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2話 パーティー その1
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「合コンパーティー……なんだかいかがわしい雰囲気がする言葉ね」
「何を言ってるのよ、ウィニー。一般人の間では結構、普通のことなんだから」
「それは知っているけれど、名称がいかがわしいのよ……」
「まあ、それは分かるけどね。一般人の間では、お持ち帰りと称して、その時に出会った男女が一夜を過ごすとかもあるらしいしね」
駄目だ……リュシアは平然と言っているけれど、私は聞けば聞くほど顔が赤くなってしまう。まだ私達は17歳なんだし、リュシアの態度の方がおかしいのよ。一夜を過ごすって……リュシアもまだ処女なはずなのに。これは今までの性教育の違いなのかしら? 確かにお父様やお母様は、私がある程度大きくなるまで、そういう話はしなかったように思うけれど。
「まあ、名称の件はともかくとして、通常のパーティーと特に変わりないと思えば平気でしょう?」
「非公式だし、絶対に変わりないなんてことはないわよね?」
既に私達は護衛と一緒にパーティー会場に入っている。本来のパーティーであれば、バイキング形式で料理がテーブルに並べられているはずだけれど、今回はそういうことはなかった。
「ウィニー様、リュシア様。料理や飲み物に関しましては、使用人にお申し付けくださいませ。早急に準備をするとのことですので」
「あ、そうなんですね」
リュシアの護衛であり、今回の護衛班のリーダー格であるクロイドさんがそのように言ってくれた。
「レストランのような方式でしょうか?」
「そういうことになりますね」
クロイドさんはリュシアの護衛役だけれど、伯爵令息の立場にあるはず。詳しい事情は分からないけれど、リュシアの専属の護衛兼執事を担っている。
「バイキング形式も良いけれど、レストランのように注文形式も悪くないわね。適当なテーブルに座りましょうか」
「そうね」
私達は目の前にあったテーブルに座った。パーティーに出席しているというよりは、普通に料理を食べに来た印象だ。なんだか不思議な感じだわ……う~ん。
「こちらの席に座ってもよろしいですか?」
「ええ、構いませんよ。よろしくお願いいたします」
私達が席に付いたのを見計らっていたかのように、貴族の方々が私達のテーブルにやってきた。リュシアは慣れた態度で彼らをもてなしている。なるほど……なんとなく、システムが分かって来たわ。基本的には女性がテーブルに座ったのを見てから、殿方が接触を試みるというパターンなわけね。
そして会話を楽しみながら、料理も楽しむと……一般人の世界でいうところのナンパに近いのかもしれない。でも、この方式って、モテるかどうかを端的に表しそうな気がするんだけれど。
ええと、そう考えると自信を持っても良いということかしら……? まあ、細かいことは置いておいて、せっかくなのだから楽しまないとね。私はそのように考えていた。
「何を言ってるのよ、ウィニー。一般人の間では結構、普通のことなんだから」
「それは知っているけれど、名称がいかがわしいのよ……」
「まあ、それは分かるけどね。一般人の間では、お持ち帰りと称して、その時に出会った男女が一夜を過ごすとかもあるらしいしね」
駄目だ……リュシアは平然と言っているけれど、私は聞けば聞くほど顔が赤くなってしまう。まだ私達は17歳なんだし、リュシアの態度の方がおかしいのよ。一夜を過ごすって……リュシアもまだ処女なはずなのに。これは今までの性教育の違いなのかしら? 確かにお父様やお母様は、私がある程度大きくなるまで、そういう話はしなかったように思うけれど。
「まあ、名称の件はともかくとして、通常のパーティーと特に変わりないと思えば平気でしょう?」
「非公式だし、絶対に変わりないなんてことはないわよね?」
既に私達は護衛と一緒にパーティー会場に入っている。本来のパーティーであれば、バイキング形式で料理がテーブルに並べられているはずだけれど、今回はそういうことはなかった。
「ウィニー様、リュシア様。料理や飲み物に関しましては、使用人にお申し付けくださいませ。早急に準備をするとのことですので」
「あ、そうなんですね」
リュシアの護衛であり、今回の護衛班のリーダー格であるクロイドさんがそのように言ってくれた。
「レストランのような方式でしょうか?」
「そういうことになりますね」
クロイドさんはリュシアの護衛役だけれど、伯爵令息の立場にあるはず。詳しい事情は分からないけれど、リュシアの専属の護衛兼執事を担っている。
「バイキング形式も良いけれど、レストランのように注文形式も悪くないわね。適当なテーブルに座りましょうか」
「そうね」
私達は目の前にあったテーブルに座った。パーティーに出席しているというよりは、普通に料理を食べに来た印象だ。なんだか不思議な感じだわ……う~ん。
「こちらの席に座ってもよろしいですか?」
「ええ、構いませんよ。よろしくお願いいたします」
私達が席に付いたのを見計らっていたかのように、貴族の方々が私達のテーブルにやってきた。リュシアは慣れた態度で彼らをもてなしている。なるほど……なんとなく、システムが分かって来たわ。基本的には女性がテーブルに座ったのを見てから、殿方が接触を試みるというパターンなわけね。
そして会話を楽しみながら、料理も楽しむと……一般人の世界でいうところのナンパに近いのかもしれない。でも、この方式って、モテるかどうかを端的に表しそうな気がするんだけれど。
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