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第21話、王国が帝国の侵略に備えた準備を始める
しおりを挟むアスクルト王国は、ワルキュイ・ゴウマヤァ公爵一族や派閥の裏切者たちの処罰も終わり、帝国の侵略に対抗する為に一致団結して準備に当たっていたのです。
私の母親を殺して、虐待を10年以上に渡って繰り返し醜い扱いをして、挙句の果ては食事も与えずに死にかけた私を魔物の住む森に投げ捨てた、ゴウマヤァ公爵一族の対する恨みは晴らせました。
でも、私の心は何故か晴れません、多分に帝国との戦いが控えているせいでしょうか?
帝国がピースァイ聖国を亡ぼしたのは、書物で読んで知っていましたが、その時はピースァイ聖国が私の故郷だった事は知りませんでした。
詳しく調べてみると、帝国はガーダ武神を祭るガーダ教を国教としていて、ソフィーナ皇妃は帝国一の妖艶な美女でガーダ教の巫女なのです。
皇帝は、ソフィーナ皇妃を溺愛していて、愛の女神のアリーナ教を大陸から排除してガーダ教を唯一の宗教とし、大陸を支配して大陸の最高支配者になるつもりなのが分かりました。
その為に、まず小さな国々を侵略して帝国の領土にして、武力で無理やりガーダ教に改宗させているのでした。
私の故郷のピースァイ聖国はアリーナ女神の聖地がある所なので、帝国にとっては目障りな為に侵略されて住民は全員が虐殺されました。
虐殺された人々の中には私の祖父母で国王夫妻や王子だった父親もいたのです。
そのどさくさに紛れて、ゴウマヤァ公爵は身重だった私の母親を誘拐したのです。
色んな事が分かると、ガーダ教を唯一の宗教として大陸を支配して、大陸の最高支配者を目論む帝国のワガミガィ・ダスケジュ皇帝とソフィーナ・ダスケジュ皇妃が大陸の平和を乱す諸悪の根源と分かりました。
私は、帝国の住民には平和に暮らして貰いたいのですが、皇帝一族とその一族郎党は根絶やしにしようと決意したのです。
私は、この大陸を平和にしようとか、住民の為とか、それが聖女の使命とか綺麗ごとは言いません。
私は小さな幸せが欲しいのです、大好きで愛するトムと平穏な暮らしが出来れば良いのです。
その為に、今は帝国との戦いに勝たなくては、私はトムと平穏な暮らしどころか、帝国にとっては邪魔な存在の聖女として殺される未来しか無いのですから。
諜報員からの報告によると、帝国が侵略して来るのは1年後位になるらしいのです。
私の今の生活は、教会で聖女として治癒魔法で重症患者の治療を週に2日程する以外は基本的に自由なのです。
王宮には何時の間にか、私の部屋が用意されていました。
どういう訳かトムの執務室の隣なのですが、ですからトムと会いたくなったら移転して行くのです「ウッフフ」。
今日は、王宮の庭のバラの花が見ごろなので、バラ園でトムとお茶をしています。
トムが私を見つめて。
「サヤカは何時も綺麗で可愛いね」
「トム、女心を破壊する綺麗な顔を近づけて言わないで、私の心臓が持たないわよ」
「アッハハ、サヤカも言うようになったね、でも本当に此のバラ園のバラよりもサヤカの方が何倍も綺麗だよ」
「もう~、トムは口が上手なんだから」
「バカ、カップルがいちゃついているわね、お邪魔だけどいいかしら?」
声の方を見ると王妃様が侍女を連れてニコニコしていたのです。
「はい、王妃様大歓迎ですわ」
「もう、王妃様じゃ無くてお母様と呼んでよ」
トムが不機嫌な顔で。
「まだ、結婚していませんから、それで何の用事なのですか?」
「可愛い息子なのにそんな邪険な言い方は無いでしょう、用事なんて無いわよ、可愛い息子と愛する娘と話したかっただけよ」
「もしかしたなら、トムが口が上手なのは王妃様の遺伝なのかしら」
トムと、王妃様は楽しそうに同時に笑い。
私は何か変な事を言ったのかしら?
(サヤカは自分が天然な所があるのには気が付いていなみたいです)
暫く楽しく話をしていた王妃様が。
「お邪魔虫は早く退散しますわね」
と言い侍女と退散したのです。
私は前から思っていた事をトムに言いました。
「トム、私ね、帝国との戦いに備えて魔法の実践の訓練をしたいの、思いっきり魔法を使える場所は無いかしら?」
トムは少し考えてから。
「サヤカにとっては嫌な思いの場所だけれど、魔物の森はどうかな?」
「大丈夫よ、薄汚れた私をトムが思い出すのは嫌だけれど、トムと私が出会った場所だから今は嫌じゃないわよ」
「そうか、じゃぁ、僕が計画を立てて置くよ、10日後位に行けるようにするから」
こうして私は、帝国との戦いに備えて、魔の森で魔法の実践に取り組むことになったのでした。
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