虐げられ続け、名前さえ無い少女は王太子に拾われる

黒ハット

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第24話、サヤカ聖女は神獣を使い魔にする

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 私とトムは、小屋に戻り別々の部屋で眠りに付きました。

初めての戦闘に疲れていたのか、横になると直ぐに眠りに付いて、気が付くと朝でした。

 隣で寝ていたジャネットの姿は無く、もう起きたみたいなのです。

 食堂に行くと皆さんが全員起きていて最後に起きたのは私で、寝坊して恥ずかしい思いで皆さんに。

「おはようございます、寝坊してゴメンナサイ」

 トムが優しい言葉で。

「僕たちも皆、少し前に起きた所だよ、気にしないで」

 ジャネットが用意してくれた朝食を食べてから、折角なので森の奥をもう少し調べてから帰る事に事にしたのです。

 此処からは人間が入った事の無い未踏の魔の森なのです。

 私は探知魔法で周囲に魔物がいないか探知しながら歩き魔物を見つけると先制攻撃で倒して進んだのです。

 流石に魔の森の奥地の魔物の数は少ないのですが、大きくて凶暴でその上に強くて、ジャネットやショウジャ将軍の剣では太刀打ちできなくて、ゴッドファー魔法騎士団長とトムの魔法でも倒すのは難しく、私の魔法で倒しながら進んだのです。

 トムが私を見ながら。

「魔物が強すぎる、サヤカの魔法以外では倒せないので、これ以上は危険だから帰ろうか」

 私が返事をしようとした時にジャネットが。

「見て! 見て! 湖よ、綺麗な湖よ」

 見ると対岸が霞んで見える位に大きく綺麗な湖が見えたのです。

 細心の注意を払い、湖に近づいてみると、大きな魚が泳いでいるのが見えるくらい透明度の高い綺麗な湖でした。

 トムが湖を見ながら。

「魔物がいなかったら、絶好の避暑地に成るのに・・・・残念だ! 此処で綺麗な景色を見ながら昼を食べて、帰ろうか」

 ジャネットが食事の用意をし始めて、私は何気なく綺麗な空を見上げていると、遠くから何かが飛んできました。

 近づいてくると姿がはっきりしてきて、私は側にいたトムに。

「トム、トム! 空を見て、あれ、神話に出て来るペガサスじゃない?」

 トムや皆が空を見上げて。

「まさか!! 本当だ! 神話に出て来るペガサスだ!!」

 皆が見ているとペガサスは私たちから100m位離れた湖に着水して水浴びをし始めたのです。

 水が飛び散りペガサスの周りがキラキラ光り、とても綺麗で幻想的なので私たちは言葉も無く見惚れていました。

 ペガサスは水浴びを終えて空に飛び上がろうとして水面から10m位離れた所で、湖の水面が盛り上がり、何と大きな大蛇が姿を現し、長さは50m位の大蛇は飛び上がってペガサスに飛びついたのです。

 ペガサスは驚いて逃げようとしましたが、不意打ちをくらい、足を大蛇に咥えられてしまい、大蛇はペガサスを飲み込うとしたのです。

 私は、見ている事が出来ずに、魔法剣を抜いて瞬間移動で大蛇の側に行き、光線魔法で大蛇の首を切り落として胴体を細切れにしたのです。

 私が、湖面に落ちるとペガサスが私の襟を咥えて、飛んで皆のいる場所に連れて来てくれたのでした。

 トムが慌てて私の側に来て私の身体をピタピタ触り

「大丈夫か? 怪我は無いか? もうー、サヤカは無茶をするんだから、ビックリしたよ」

「私は大丈夫よ、それよりペガサスは」

 ペガサスを見ると、大蛇に咥えられた足から血を流して、足がブラブラしていて今にも足が取れそうなので、私は急いでペガサスに治癒魔法を掛けました。

 ペガサスは青白い光に包まれて光が消えると、ペガサスの足は綺麗に元に戻り、ペガサスは目を見開き、驚く事に私に話しかけて来たのです。

「ほぅー、娘よ、お主は色々な魔法を使えて治癒魔法まで使えるのか?もしかしたらこの間、現れた聖女とはお主の事か?」

「はい、そうですが、ペガサスさんはそんな事も知っているのですか?」

「わしは、神獣でな、此れでも千年近く生きておるのだぞ、大概の事は知っておるぞ、アッ、其れよりも大蛇から助けて呉れてありがとう、礼が遅くなって申し訳ない、チョット油断したわい」

「いえ、どういたしまして、助ける事が出来て良かったですわ」

「所でお主にお願いがあるのじゃが、わしを聖女様の使い魔にして側において呉れんかのぅ~、わしは、美味しい魔力が大好きでな、聖女様から漂って来る魔力は美味しくて魅力があるのじゃ、それに1人でいるのに飽きたのじゃ」

 私は、トムにペガサスが念話を話せる事や神獣で私の使い魔になりたいと言っている事を話すとトムは興奮して。

「神獣を使い魔にするなんて聞いたことが無くて、史上初めての事だよ、絶対!使い魔にしなよ」

「ペガサスさん、使い魔にするには如何すれば良いのですか?」

「簡単な事じゃ、名前を付けてくれて、わしの身体にお主の魔力を流して呉れれば良いだけじゃよ」

 私は名前を考えて話し方がお年寄りみたいなので。

「ジイチャンは嫌ですか?」

「其のままじゃな、フォフォ、良いじゃろう、ジイチャン(爺ちゃん)で良いよ、じゃー、魔力を流しておくれ」

 私がペガサス体に触りに魔力を流すと私とペガサスは光に包まれたのです。

 光が収まると、ペガサスは、驚くことに人化して白い布のような服を纏い真っ白な長い髭を生やし、白い不思議な杖を持った、本当にお爺ちゃんの姿になったのでした。

 ジイチャンは驚く私たちを見て。

「フォ、フォ、此れなら皆といても違和感が無いじゃろう」

 トムがジイチャンを見て。

「まるで、物語の仙人みたいだ」

 こうして私は、神獣のペガサスを使い魔にすることが出来たのでした。
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