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51話 最後の戦い2

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 一方、王国のシャロム辺境伯領の砦に移転したナナファ―ナの所にガンゾイ辺境伯が駆けつけて来て。

「ナナファ―ナ様、堕天使との戦いは終わったのですか」

「魔人1人は倒したわ。堕天使はリュウトが倒すから心配ないわよ」

「まぁ、リュウト様だから心配はしていませんがナナファ―ナ様はどうしてこちらに来たのですか」

「魔物を操る巫女を倒そうと思って来たのですがそれにしても静かで魔物姿が見えないわね」

「アッハハ、其れが諜報部のハンドイとサスハにサイゾィが其の巫女を倒してしまいましたよ。だから、魔物は消滅してしまいました」

「えー! そんな! 私は何のために来たのかしら。もう~」

 其処に諜報部の3人が来てハンドイが。

「あれ? ナナファ―ナ様、堕天使との戦いはもう終わったのですか? 魔物を召喚していた巫女も弱かったし、堕天使も思ったより弱かったのですか」

 サスハもニコニコして。

「こんな事なら、もっと早く堕天使たちを倒せば良かったですよね」

 ナナファ―ナは顔を膨らませて。

「貴方達はもう~、好きかって言って私の立場が無いでしょう。魔物を召喚している巫女を倒すために来たのに」

 サイゾィが可笑しそうに。

「アハハ! そうか私たちが巫女を倒してしまったから膨れているんだ。アハハ」

 其処に応援に来ていたジャンク将軍も来て。

「私たちも応援に来たのですが魔物一匹も倒さずに終わってしまい。何のために応援に来たのか」

 ガンゾイ辺境伯も笑い声をあげて。

「ガッハハ! ナナファ―ナ様もジャンクも残念でしたな。でも、すべてが良い方向に成り良かったです。もうこちらは大丈夫ですのでリュウト様の所に行きませんか」

「そうね、リュウトも、もう堕天使を倒したと思うけれど、間に合うかも知れないので皆で移転して行きましょう」

 辺境伯領にいた人たちは、移転して聖国の大聖堂に移転したのだ。

 サビオたちと別れたダンライとサヨナァは、大聖堂の入り口の前で魔人に合い戦っている。

 魔人は帝国の皇帝のギャラン新皇帝で。

「ギャハハー! 弱そうな人間め。男は殺して女は、わしの玩具にして可愛がってあげよう。ギャハハ」

 サヨナァはギャランを見て。

「あんた、馬鹿じゃないの! 脳みそに蛆が湧いているんじゃない」

 ダンライも追いかぶせて。

「馬鹿に付ける薬は無いと言うが本当みたいだな、お前が死ぬと帝国民が喜ぶだろう」

「な、何だとー! 帝国は俺様のものだ。許さん殺してやる」

 何処から出したのか真っ黒い剣を取り出してギャラン魔人が飛び掛かって来て、ダンライが剣で受け止めたが思ったより力がありダンライが吹き飛ばされてしまい。

「ギャハハ、今度は女。お前だ。ギャハハ」

 サヨナァが。

「そうはいかないわ。【トルネード、スピア】]

 魔人は、氷の竜巻に巻き込まれて傷だけで血を流しながら氷の竜巻から脱出した。

 然し今度はダンライが【光速剣の舞】炎と雷の剣で魔人を切り刻み灰にしたのだ。

 サヨナァがあっけない戦いに。

「うそー! 魔人は、こんなに弱いの。こんなに弱いくせに此の世界を支配しようとしていたとは信じられないわ」

 ダンライが苦笑いをして。

「う~ん、魔人が弱いというより僕たちが強くなり過ぎたのかも」


 その頃、大聖堂の上空では、リュウトと堕天使が戦いを繰り広げて堕天使が大きな黒い鎌でリュウトに襲いかかり、リュウトが刀で鎌を打ち払い堕天使が勝ち誇った顔で。

「オーホホ、 龍神王弱いわねー。此れでおしまいよ。死になさい! オーホホ」

 堕天使と戦ってみて堕天使の力はそんなに強くなく直ぐにでも倒せたが此れからは、堕天使たちがいなくなり、もうこんな戦いも二度と出来ないと思い。

 戦いを楽しんでいたが馬鹿馬鹿しいので終わらせることにして最後に龍の姿になり、堕天使の下から天に向かって最大の魔力を込めて真っ赤なブレスを放ったのだ。

 下から吹き上げて来る真っ赤な炎のブレスを見た堕天使は、恐怖に晒されて震えながら。

『ま、まさか龍神王がこんなに強いとわ!!まさか此れで我が死ぬのか。ギャァーーー!!』

 堕天使は、悲鳴と共に灰も残さずに消滅したのである。

 リュウトの所に来て戦いを見ていたサビオは。

「終わった! 流石に龍神王のリュウト様だ。堕天使を遊びながら倒したか」

 同じく魔人のギャランを倒したダンライとサヨナァが。

「凄いー! 龍神王の龍神の姿が綺麗~」

 移転して最後の戦いを見ていた、ナナファ―ナとライナに諜報部のハンドイ、サスハ、サイゾィ、ジャンク、ガンゾイ辺境伯が。

「凄まじいブレスだ! この世界最強だ! リュウト様。これでこの世界は救われた。リュウト様はこの世界の救世主だ」

 見ていた聖都の住民たちは、堕天使が死んで催眠から目が覚めたのか。

「龍神王様は天使だったのか」

「龍神王様ありがとう~」

「リュウト天使様。ありがとう~」

「リュウト様は救世主だ~~~~」

「リュウト救世主様~」

 聖都に堕天使の催眠から解放された住民たちの歓声が鳴り響き、暫く鳴り止まなかったのだ。

 戦いを終わり地上に降りると、仲間たちに揉みくちゃにされて歓迎された。

 嬉しくて涙が溢れて止まらなかった。

 大聖堂の中に入ると、聖騎士が膝を付いてリュウトを出迎え、1人の騎士が代表して。

「リュウト龍神王様、この度は、堕天使に操られていたとはいえ、歯向かい申し訳ありませんでした。処分はどんな処分でも受けますのでナチラス聖国の住民たちには、なにとぞ寛大な処置を、お願い致します」

「心配するな。一部の自分の利益の為に動いた者たち以外は、処分しないから安心しなさい。それと聖国の統治者が決まるまでは君たちが治安を守ってくれ」

「寛大な処分ありがとうございます。全力で治安の安定に力を注ぎますのでご安心ください」

 こうしてこの世界を思いのままにしようとしていた堕天使たちを倒したリュウトたちは、領地の城に帰ったのである。
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