魔物テイマー強い魔物がほしいけど癒しも必要だよね

夜風甚助

文字の大きさ
37 / 41

未確認生物の調査3

しおりを挟む

翌朝ライズ達を門の近くで待たせると、キースの店に向かう。キースの店に着くと足早に店へ入った。今日はいつも以上に寒い、店へ入るとカウンターに武器が並べられ布が被せられている。

「おはようございます!」

「おぉ!良く来てくれた少年!さっそくオウカっちを出してもらえるか?」

「ぶふぉ!」

「見て驚くなよっ!俺っちの傑作集だっ!」

ニヤつきながら布をゆっくり剥がす。するとそこあったのは素人が見ても市販されている物より綺麗で、とても心惹きつけるモノがあった。

「まぁ俺っちの傑作集と言ったのはなんだが、コイツらは依頼主が取りに来なかったモノでよ、死んだんだかバックレたんだか知らねぇが可哀想だから使ってくれや!」

そこには四つの武器が並べられていた。長剣が一つ、メリケンサックが一つ、トマホークが対のセットで一つだ。

「オーダーメイドの品だから性能はピーキーなんだがなそこは勘弁してくれよ?」

「いえ、我儘言ってるのは俺なんですから構いませんよ!」

「それじゃあ早速説明するぜ?この透き通る様な長剣はだな剣身に使われてる素材の大半が鋼では無く水晶等の天然結晶だ。斬れ味は抜群、でも耐久性に難があり使用者の技量が無ければすぐ様御臨終さ!オウカっち振ってみてくれ」

オウカが手にとって振ってみるがなんともしっくりきてない様子、それをみて残り二つの説明が始まった。

「その調子じゃ長剣は無理そうだな、じゃあ残りのコイツらだ。このメリケンサックは耐久性抜群の逸品だ。四本の指を通すタイプでな、相手に当たる打撃部分に一本鋭く太い針を備えていて、一撃必殺も秘めている、取り敢えず付けてみてくれ!」

「ぶふぉ!ぶふぉぉぉぉぉ!」

「キースさん……ちょっとサイズの方が……」

指を入れようと鼻息を荒くしたオウカだったがいっこうに入る気配が無い、あちゃー俺忘れてたわと言った顔をキースは浮かべている。

「オウカっち悪いそれは無しだ!そこまで考えて無かったわアハハ……じゃあ必然的に残るコイツだなもう在庫が無いから他は出せないぜ?」

メリケンサックの大きさはオウカにピッタリなのだが指の方はあと少しの所で入らない、メリケンサック自体は気に入ってそうな感じだが入らない事にとても残念そうだ。

「残るトマホークだが、これが一番無難だな強度は最強斬れ味はゴミだ!以上っ!ただ、難点はトマホークのクセにやたら重いって事だけだなオウカっちなら丁度良いんじゃないか?」

「ぶほぉ?ぶふぉ!」

トマホークを手に取り振り回しているオウカ、その際風切音がしてとても危なく感じた。ただ、満更でもない顔をしていたのでこの武器に決めた。

「危なそうですが本人も気に入ったみたいなので、こよトマホーク買います!値段はいくらですか?」

「ソイツはタダで良いぜ!」

「いや、そういう訳には!」

「って言うのも俺っちが損してる訳じゃねぇーしな、依頼主から金は頂いてんだわ、だからルシウスっちにやるよ。ここで埃を被るよりはソイツも嬉しいだろうよ」

「それじゃあお言葉に甘えますねっ!」

「あぁ、若いうちは素直じゃないとな!どうせ大人になりゃ皆偏屈になっちまうんだからよ!ソイツをぶら下げるベルトも一緒にやるから死なないように頑張れよ」

「はい!頑張ります!」

少し待たせすぎたなと思ったルシウスは昼ご飯を買うついでにライズ達の分のフルーツも買った。

「お待たせ!悪い遅くなった!」

「大丈夫だ!オウカの武器は良いもの買えたのか?」

「あぁ、これ以上は無いって程のヤツを買えたぜ!」

談笑しながら門を潜る、血潮の森迄は徒歩での移動だ。お金があれば馬車をチャーター出来るが、節約の為歩いて行く事にしたのだ。森迄は徒歩で一時間から二時間程で着く、荒野の様な道がずっと続いて行くが、森に近づくにつれて段々と緑が増えていった。体感温度は冷たいがこの季節特有の陽射しに体力を奪われていく。

「しかし、オウカの貫禄つったら凄いよなついこの間迄はこんなに小さかったのによ!だから魔物は脅威なんだろうな」

「あんた魔物だのなんだのちょっと感じ悪く無いかしら?クロちゃんの可愛らしさも凄く良いんだけど、オウカちゃんのお腹だってホラ!こんなに感触が良いのよ?」

「セラ!ちょっと!そんなにお腹を触ったらオウカさんに失礼ですよ!」

「大丈夫よっ!ねぇ?オウカちゃーん!」

「ぶふぉ!」

「本人もこう言ってるんだから良いんじゃないか?」

「ルシウスさんが良いなら良いんですけど……」

じゃれあいつつも休憩を挟み歩みを進める、森に近づくにつれてその景色は様変わりしていた。段々と緑色の草が赤く色づきとても不気味な様相を漂わせている
森のすぐ近くまで行くと、此処から先は入るべからずとでも言うように草が剥げ赤土が露出していた。

「なんか不気味じゃないか?本当に大丈夫なんだろうなライズ!」

「お前ビビってんのか?嫌ならルシウスは此処でお留守番でも良いぜ?」

「そういう事じゃないんだが!まぁいいや危なそうだったら帰るからな?調査がメインの依頼なんだからさ」

各々装備品の点検をした後森へ入っていった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~

チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!? 魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで! 心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく-- 美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  ブックマーク・評価、宜しくお願いします。

元・神獣の世話係 ~神獣さえいればいいと解雇されたけど、心優しいもふもふ神獣は私についてくるようです!~

草乃葉オウル ◆ 書籍発売中
ファンタジー
黒き狼の神獣ガルーと契約を交わし、魔人との戦争を勝利に導いた勇者が天寿をまっとうした。 勇者の養女セフィラは悲しみに暮れつつも、婚約者である王国の王子と幸せに生きていくことを誓う。 だが、王子にとってセフィラは勇者に取り入るための道具でしかなかった。 勇者亡き今、王子はセフィラとの婚約を破棄し、新たな神獣の契約者となって力による国民の支配を目論む。 しかし、ガルーと契約を交わしていたのは最初から勇者ではなくセフィラだったのだ! 真実を知って今さら媚びてくる王子に別れを告げ、セフィラはガルーの背に乗ってお城を飛び出す。 これは少女と世話焼き神獣の癒しとグルメに満ちた気ままな旅の物語!

「お前の戦い方は地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん、その正体は大陸を震撼させた伝説の暗殺者。

夏見ナイ
ファンタジー
「地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん冒険者アラン(40)。彼はこれを機に、血塗られた過去を捨てて辺境の村で静かに暮らすことを決意する。その正体は、10年前に姿を消した伝説の暗殺者“神の影”。 もう戦いはこりごりなのだが、体に染みついた暗殺術が無意識に発動。気配だけでチンピラを黙らせ、小石で魔物を一撃で仕留める姿が「神業」だと勘違いされ、噂が噂を呼ぶ。 純粋な少女には師匠と慕われ、元騎士には神と崇められ、挙句の果てには王女や諸国の密偵まで押しかけてくる始末。本人は畑仕事に精を出したいだけなのに、彼の周りでは勝手に伝説が更新されていく! 最強の元暗殺者による、勘違いスローライフファンタジー、開幕!

処理中です...