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未確認生物の調査4
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森の中は乾燥していてとても歩きやすい、木の幹から僅かながらに残っている葉さえも赤く染まっていた。
魔物や生物の気配すらなくシーンと静まり返っている森の景色と合わさると、これまたなんとも言えない雰囲気を醸し出していた。
「なぁ、やっぱりおかしいよな?ゴブリンすら居ない森なんて聞いた事ないぞ」
「そうですね依頼で来てなければ帰りたいくらいですよ……本当に……」
いつもの布陣プラス、オウカとクロを入れた陣営におちゃらけた雰囲気はもうそこには無かった。
自分達の呼吸音と足元にある枯れ葉を踏み締める音がこだまする、その音が緊張感に拍車をかけていた。
なるべく音を立てない様、呼吸そして足元に気を使いながらも、辺りを警戒する。魔物どころか生き物すらも見当たらない、早く帰りたい衝動に駆られながらも歩みを進めた。十分、二十分と歩みを進めるが、その体感時間は一時間いや、二時間、他方もなく長く感じた。
警戒しながら歩いて行くと拓けた場所が見え、その中心には湖が存在していた。その手前で一度立ち止まると念入りに辺りを見渡し、一度休憩をとる。
「これは絶対に俺達じゃ解決出来ない依頼だと思うんだがどう思う?」
「私もこれは辞めた方が良いと思う一度戻って相談しない?」
「いや!俺はこの依頼絶対解決してみせる!この依頼を達成してランクを上げるんだ!」
「今の所大丈夫そうですしもうちょっと頑張ってみませんか?流石にこのまま戻ってしまったら笑われてしまいます。正直帰りたい気持ちが強いですが……」
各々帰りたい気持ちはあれど新人の者達が此処で帰ってしまっては終わりだとでも言う様に依頼を続行する事に落ち着いた。湖へ向けて歩き出すとクロが低い体勢を取り一点を見つめていた。そこには巨大な岩が佇んでおり、その後ろに何かが居るとでも言いたいのか唸り声を上げている、それを見て各々が武器の準備をし警戒しながら慎重に巨大な岩に近づく。
近づくにつれてとても不快な匂いが漂っていた。ある一定の距離まで近づくと、不意打ちをされない様に
岩の後ろへ回り込む。
「ウッッ……セラ、テラこっちに来るな!」
一番最初に回り込んだライズは口元に手を当てセラとテラに近づかない様に告げる、それを見て何かヤバそうと感じたルシウスはクロとオウカと共に後ろへ回り込んだ。そこにあったのは多種多様の魔物の死骸であった。
「これが原因だったのかライズ流石にこれは帰るぞ!
このままは不味い」
「あぁ、そうだな……」
「グォォォォッッッッッ!!!!!」
「不味い走るぞ!!」
何者かの雄叫びが響き渡ると全速力で森の外へと走り出した。段々と足音が近づくにつれて逃げきれない事を悟ったルシウス達は戦闘体勢に入る。
「ダメだ逃げきれない!ライズ一度戦闘に入るぞ!」
「あぁ、それしかないなセラ!お前は街に戻ってこの事を伝えて来い!誰か来てくれるかもしれない!」
「えっ、でもそれじゃ皆んなが!」
ライズとセラが言い合いをしている間にも敵は迫っていた。視認出来る程に近づいた敵を見て戦意を失わない様に己を奮い立たせた。
「良いから行け!」
「分かった!」
ライズの言葉を受けて祈りながらも走り出した。それを見てライズは気合を入れる。
「これは不味すぎる!絶対俺達死ぬぞ!助けなんてそもそも来るのか?」
「いや来ないだろうよ!なんせ冒険者は自由だからな!お前達には悪い!セラを行かせてしまって……」
「まぁ僕は構いませんよ?ライズの気持ちと同じですから」
「そんな事言い合ってる場合じゃない!取り敢えず迎え撃つぞ!」
各々いつ攻撃が来ても良い様に姿勢を比較し敵の出方を見た。そこに居たのは真っ白な体毛を身に纏った雪男が居た。
「あれはなんだ?誰か知ってる奴はいるか?」
ルシウスの声にテラが応じた。
「あ……れは……雪男です……こんな所に居る筈ないのですが……」
テラの愕然とした表情を見てルシウスとライズも諦めてしまった方が楽だと思ったその時真っ先にクロが雪男との距離を縮め日頃肉球の間に隠している鋭い爪を振るった。
「ニャアア!」
「辞めろクロ!お前だけじゃ死んじまう!」
諦めかけた心を叩き起こし、雪男に向かって行った。
それを見てすぐさま補助魔法を唱えルシウス達を援護する。つかず離れずの距離で攻撃していたクロ目掛け雪男は煩わしいとでもいう様に、上から下へ拳を叩き落とす。枯れ葉で滑ったクロにその拳が襲おうとした時
「ブフオォォォォ!!!」
俺の家族に手は出させないぞ!とオウカがトマホークを重ね雪男の拳を受け止めた。その際足元の枯れ葉で体勢を崩した雪男の拳はトマホークに少し接触すると横に逸れる、だがその拳が直撃した地面は陥没し、枯れ葉が舞った。それを見て顔を青ざめた三人だったが、ここまで来たら出来る事をしようと各々が命を散らすを覚悟を決めた。
クロの爪がイエティの体を捉えるが、金属を殴ったよな硬質な音が響き渡った。雪男にはダメージが通っていない様だが、徐々に動きが鈍っていく雪男を見てオウカ、ルシウス、ライズがここで決めると心に決め
熾烈な攻撃を繰り出す。その間何故か攻撃をして来なかった雪男だったが息を乱し呼吸を荒げていた。
「ぶふぅ……おまいら早く逃げろ……おでおまいらごろしでじまう!おではごろじだぐない!」
突然喋り出した雪男を見て呆然としたがテラに聞いてみると雪男が喋ると記載は何処にも無かったとの事だった。異様な雰囲気を醸し出した雪男を見て距離を取る。
「おでは……ごんなごどぢだぐない!おでよりづよいやづよんでぐれっ!たのむがらごろじで!」
雪男を見て悲しくなったルシウスは事情を聞く為に語りかけた。ライズとテラは早く逃げようと言うが逃げるならお前達だけで逃げろと言われ置いていく事が出来ないのでルシウスよりも距離をとり動向を見守る。
「お前はなんでこんな事をしているんだ?話を聞くにそんな奴じゃないんだろ?」
「おで……じらないやづになにかのまざれて……だ…め……だ……はや……ぐニゲ……ゲロォォォ!」
また雄叫びをあげ、顔を上げた雪男は口元からダラっと唾液を垂らしその瞳に理性が宿って居なかった。
魔物や生物の気配すらなくシーンと静まり返っている森の景色と合わさると、これまたなんとも言えない雰囲気を醸し出していた。
「なぁ、やっぱりおかしいよな?ゴブリンすら居ない森なんて聞いた事ないぞ」
「そうですね依頼で来てなければ帰りたいくらいですよ……本当に……」
いつもの布陣プラス、オウカとクロを入れた陣営におちゃらけた雰囲気はもうそこには無かった。
自分達の呼吸音と足元にある枯れ葉を踏み締める音がこだまする、その音が緊張感に拍車をかけていた。
なるべく音を立てない様、呼吸そして足元に気を使いながらも、辺りを警戒する。魔物どころか生き物すらも見当たらない、早く帰りたい衝動に駆られながらも歩みを進めた。十分、二十分と歩みを進めるが、その体感時間は一時間いや、二時間、他方もなく長く感じた。
警戒しながら歩いて行くと拓けた場所が見え、その中心には湖が存在していた。その手前で一度立ち止まると念入りに辺りを見渡し、一度休憩をとる。
「これは絶対に俺達じゃ解決出来ない依頼だと思うんだがどう思う?」
「私もこれは辞めた方が良いと思う一度戻って相談しない?」
「いや!俺はこの依頼絶対解決してみせる!この依頼を達成してランクを上げるんだ!」
「今の所大丈夫そうですしもうちょっと頑張ってみませんか?流石にこのまま戻ってしまったら笑われてしまいます。正直帰りたい気持ちが強いですが……」
各々帰りたい気持ちはあれど新人の者達が此処で帰ってしまっては終わりだとでも言う様に依頼を続行する事に落ち着いた。湖へ向けて歩き出すとクロが低い体勢を取り一点を見つめていた。そこには巨大な岩が佇んでおり、その後ろに何かが居るとでも言いたいのか唸り声を上げている、それを見て各々が武器の準備をし警戒しながら慎重に巨大な岩に近づく。
近づくにつれてとても不快な匂いが漂っていた。ある一定の距離まで近づくと、不意打ちをされない様に
岩の後ろへ回り込む。
「ウッッ……セラ、テラこっちに来るな!」
一番最初に回り込んだライズは口元に手を当てセラとテラに近づかない様に告げる、それを見て何かヤバそうと感じたルシウスはクロとオウカと共に後ろへ回り込んだ。そこにあったのは多種多様の魔物の死骸であった。
「これが原因だったのかライズ流石にこれは帰るぞ!
このままは不味い」
「あぁ、そうだな……」
「グォォォォッッッッッ!!!!!」
「不味い走るぞ!!」
何者かの雄叫びが響き渡ると全速力で森の外へと走り出した。段々と足音が近づくにつれて逃げきれない事を悟ったルシウス達は戦闘体勢に入る。
「ダメだ逃げきれない!ライズ一度戦闘に入るぞ!」
「あぁ、それしかないなセラ!お前は街に戻ってこの事を伝えて来い!誰か来てくれるかもしれない!」
「えっ、でもそれじゃ皆んなが!」
ライズとセラが言い合いをしている間にも敵は迫っていた。視認出来る程に近づいた敵を見て戦意を失わない様に己を奮い立たせた。
「良いから行け!」
「分かった!」
ライズの言葉を受けて祈りながらも走り出した。それを見てライズは気合を入れる。
「これは不味すぎる!絶対俺達死ぬぞ!助けなんてそもそも来るのか?」
「いや来ないだろうよ!なんせ冒険者は自由だからな!お前達には悪い!セラを行かせてしまって……」
「まぁ僕は構いませんよ?ライズの気持ちと同じですから」
「そんな事言い合ってる場合じゃない!取り敢えず迎え撃つぞ!」
各々いつ攻撃が来ても良い様に姿勢を比較し敵の出方を見た。そこに居たのは真っ白な体毛を身に纏った雪男が居た。
「あれはなんだ?誰か知ってる奴はいるか?」
ルシウスの声にテラが応じた。
「あ……れは……雪男です……こんな所に居る筈ないのですが……」
テラの愕然とした表情を見てルシウスとライズも諦めてしまった方が楽だと思ったその時真っ先にクロが雪男との距離を縮め日頃肉球の間に隠している鋭い爪を振るった。
「ニャアア!」
「辞めろクロ!お前だけじゃ死んじまう!」
諦めかけた心を叩き起こし、雪男に向かって行った。
それを見てすぐさま補助魔法を唱えルシウス達を援護する。つかず離れずの距離で攻撃していたクロ目掛け雪男は煩わしいとでもいう様に、上から下へ拳を叩き落とす。枯れ葉で滑ったクロにその拳が襲おうとした時
「ブフオォォォォ!!!」
俺の家族に手は出させないぞ!とオウカがトマホークを重ね雪男の拳を受け止めた。その際足元の枯れ葉で体勢を崩した雪男の拳はトマホークに少し接触すると横に逸れる、だがその拳が直撃した地面は陥没し、枯れ葉が舞った。それを見て顔を青ざめた三人だったが、ここまで来たら出来る事をしようと各々が命を散らすを覚悟を決めた。
クロの爪がイエティの体を捉えるが、金属を殴ったよな硬質な音が響き渡った。雪男にはダメージが通っていない様だが、徐々に動きが鈍っていく雪男を見てオウカ、ルシウス、ライズがここで決めると心に決め
熾烈な攻撃を繰り出す。その間何故か攻撃をして来なかった雪男だったが息を乱し呼吸を荒げていた。
「ぶふぅ……おまいら早く逃げろ……おでおまいらごろしでじまう!おではごろじだぐない!」
突然喋り出した雪男を見て呆然としたがテラに聞いてみると雪男が喋ると記載は何処にも無かったとの事だった。異様な雰囲気を醸し出した雪男を見て距離を取る。
「おでは……ごんなごどぢだぐない!おでよりづよいやづよんでぐれっ!たのむがらごろじで!」
雪男を見て悲しくなったルシウスは事情を聞く為に語りかけた。ライズとテラは早く逃げようと言うが逃げるならお前達だけで逃げろと言われ置いていく事が出来ないのでルシウスよりも距離をとり動向を見守る。
「お前はなんでこんな事をしているんだ?話を聞くにそんな奴じゃないんだろ?」
「おで……じらないやづになにかのまざれて……だ…め……だ……はや……ぐニゲ……ゲロォォォ!」
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