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第24話 復活とオケアノス
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「な……」
レイアから思わず声が出てしまった。
防ぐことができない攻撃が来るとは思っていたが、このような結果となるとは思わなかった。ただ、その攻撃の結果にさらに驚くことになる。
一斉に降り注いだ水の槍であったが。
「ふーん、裏切るんだ」
その一言と共に、巨大な大鎌を掲げてデロとリラは無傷で現れた。
裏切るという言葉や話している立場以上、セリナの目からはデロとリラがクロノスの上司のように映った。
「というか、あの攻撃を無傷って、どうなっているんだ……?」
そこで、デロは着ていたローブの首元を緩めた。露になったのは首に巻き付いた赤いチョーカーであった。そのチョーカーに彼は触れる。
その瞬間、彼の体は変貌する。
現れたのは白い肌、青色の瞳、そして、赤の短髪の巨人であった。体の大きさはオケアノスよりは小柄かつ細身であるが、特徴的なのはその右手に持つ自身の背丈よりも大きい大鎌であった。刃先まで含めれば、彼の身長の二倍以上あるだろう。
ただ、奇妙だったのは大鎌がよく見ると刃先がさび付いていることである。
大鎌を背負った彼は呟いた。
「残念だよ。君はヒュペリオンとは違って裏切らないと思っていたんだけどね」
「私は……アスラとして人を守りたいんです!」
「君はアスラでも、人でもないだろう!」
オケアノスは左の掌に周囲から水分を集める。そのまま、彼は作成した水流でアスラをからめとると、孤児院から離れた広い空き地まで吹き飛ばした。だが、吹き飛ばされる間にデロは大鎌で水流を切り裂き、水流から逃れる。
だが、オケアノスもそれを読んでいたようで、空中で水を複数の矢にし、それを次々に投げていった。だが、その矢は大鎌の異常なまでの裁きであっさり落とされてしまう。
「なんだ、俺をあのガキどもから遠ざけたつもりか?」
「クロノス。もう、私は……誰の命も奪わない。絶対に」
クロノスと呼ばれたティタンは大鎌を肩に背負うと目をつむり、呟いた。
「お前は誰も救えない」
そのまま大鎌を構え、瞬時にオケアノスの前に立つと、一気に切り裂いた。オケアノスはギリギリで後ろに下がりかわすも、皮が一気に裂け、血がうっすらと流れる。さらにクロノスは続けて大鎌を横に払うと、オケアノスは水を発生させると、アクロバットのように大鎌を起点にして、相手の背中側に立つようにして攻撃を避ける。
そのまま水で作成した槍を突き出すも、クロノスは背中を向けたまま、大鎌を逆手に持ち替え、回すようにして攻撃していた。
大鎌はオケアノスの脇腹を引き裂き、さらに再び持ち替え、次は大鎌を逆側の手で持ち替え、その遠心力でオケアノスの胸部を切り裂く。だが、オケアノスは声の一つもあげることはない。
水の槍を左手に生み出すと、クロノスに向けて投げるも、彼は背中を思い切り逸らす。槍は彼の頭上を勢いよく突き抜けて行った。さらに、その間にクロノスはオケアノスの足を切り裂き、膝をつかせた。
そのまま、クロノスは大鎌を構えると言った。
「私はヒュペリオンを評価している部分もある。自らの信念を抱え、その先に裏切りがあったのだから。それに比べてお前は何だ? お前は何に従っている? お前は何もできない」
オケアノスはその言葉に睨みつけながらも、叫んだ。
「人間を守る。これが私の信念です……!」
彼は左手を掲げると、水分が一気に集まり、薄い盾ができる。よく見ると、体からは蒸気が上がっていた。限界の合図。
鎌による攻撃を防ぐことはできたが、圧に押されていく。
そこで、不意に顔の前に気配があった。
エデンかレイアだろうか。
そこには。
「今のは、本当ですか?」
フレイがいた。
「な、ど、どうして生きている!?」
その姿を見て思わずオケアノスは叫んでいた。
「ギルドマスターが治してくれたんです」
「な、なんだと……?」
彼は心臓を貫かれていた。臓器も矢の影響でめちゃくちゃにしたはずだ。にもかかわらず、生きているとは……。
「僕も同じです。人間を守りたいんです。だから、腕輪を返してください」
オケアノスは確かな彼の意思を感じていた。そして、少し俯くとつぶやく。
「本当に、申し訳なかった。君を殺しかけてしまって……」
「気にしてないです。別に。もし反省しているのなら、共に戦ってください」
フレイの元にテミスの腕輪が戻ってくる。腕輪から声が響いた。
「だ、大丈夫なの!?」
「僕にもよくわからないけど、生きてました。ので、またお願いします」
フレイはテミスに呼びかけると、右腕につけ、空へ掲げた。
「テミイイイイイイイイス!!!!」
そして、褐色肌、白の短髪の巨人が現れる。そのまま水の盾ごとクロノスを押し込み、突き飛ばした。
その姿を見て、クロノスは吐き捨てるように言った。
「どいつも、こいつも……どうなってるんだよ!」
空き地まで駆けてきたセリナは呟いた。
「よかった……生きていたんだ……」
「加勢ってことかな。レイア、どうすればいいと思う?」
エデンは隣に浮かぶレイアへ不安そうに声をかけるが、彼女からの返答は速かった。
「わたしは、人間の味方を応援する」
その言葉にエデンは微笑み頷いた。
クロノスは二体の巨人を前にして、立ち上がる。そして、テミスに向けて大鎌を突き出した。
「テミス。てめえは許さない。俺のことをこんなにしたお前のことを。お前らは俺が消し炭にしてくれる」
「記憶ないんだけど。どう答えましょう……」
いつも通りあわあわとし始める彼女にフレイは冷静に呟いた。
「みんなを守る。それだけだよ」
彼らはクロノスへと突撃し始める。オケアノスは瞬時に左手に槍を、テミスは右手に分厚い本を持つ。彼らはそれを掲げ、次々に連撃を繰り返す。クロノスの大鎌も彼らに対応するように繰り出していった。
だが、うまくかわしつつ攻撃を仕掛けていく。大鎌がフレイを襲えば、その間にオケアノスの槍がクロノスを狙う。それすらかわすも、彼は飛んで来る矢までは避けることができなかった。
当たると爆発し、彼はひるんだ。そのまま、後ろへ引き下がる。
だが、下がった先にはテミスがおり、その鈍器で吹き飛ばされた。
「クソが……ァ」
そして、オケアノスが放った水流にクロノスは巻き込まれる。そのまま水流に乗って上空へ放たれたところを矢が爆発。
さらに、テミスが飛んでいた。
クロノスは大鎌を突き出し、テミスの左腕を切り落としたが、噴き出す血も気にせずテミスは本を構え、クロノスの脳天へ叩き落した。
地面へ叩きつけられ、大きく砂煙が舞う。その中で、立つシルエットが見えた。
クロノスは頭から血を流しながらも、こちらを着地したテミス、オケアノス、人間たちをにらみつける。
「この恨みは必ず……」
そのまま彼は倒れていき、姿は蒸発するように消えていった。
オケアノスが変身を解除すると、そこへエデンとレイアが舞い降りた。セリナも駆けつける。
何を言われるのかと思っていたが、エデンが駆け寄ると、そのまま平手打ちした。
「お前には何か事情があったのかもしれない。ただ、フレイを殺したという事実は……」
「あの……ごめん、生きてます……」
そこで彼女たちのすぐ隣にフレイがいることに気づく。
「な、え? へ? 生きていたんですか!?」
エデンはみるみるうちに紅潮し始め、オケアノスに何度も深く礼をした。
「す、すいません。そんなことが。え、もしかして殺していなかった?」
「いや、手を出したのは事実だ……」
オケアノスはうつむき、頭を下げた。
「本当に申し訳なかった」
レイア、エデン、セリナは彼とフレイを交互に見渡す。そんな様子も見ていてかフレイは微笑んだ。
「ま、大丈夫です。僕はこうしてぴんぴんとしているんですし」
その姿を見て、オケアノスは微笑むと「ありがとう」と呟く。だが、その彼の口元は閉じており、何かつぶやこうとしてまた紡ぐと、背中を向けて去っていった。
その背中に向けてフレイは呼びかける。
「また、明日からダンジョンボスを攻略しましょうー!」
夕日が彼を照らす。手が振られることはなかった。
レイアから思わず声が出てしまった。
防ぐことができない攻撃が来るとは思っていたが、このような結果となるとは思わなかった。ただ、その攻撃の結果にさらに驚くことになる。
一斉に降り注いだ水の槍であったが。
「ふーん、裏切るんだ」
その一言と共に、巨大な大鎌を掲げてデロとリラは無傷で現れた。
裏切るという言葉や話している立場以上、セリナの目からはデロとリラがクロノスの上司のように映った。
「というか、あの攻撃を無傷って、どうなっているんだ……?」
そこで、デロは着ていたローブの首元を緩めた。露になったのは首に巻き付いた赤いチョーカーであった。そのチョーカーに彼は触れる。
その瞬間、彼の体は変貌する。
現れたのは白い肌、青色の瞳、そして、赤の短髪の巨人であった。体の大きさはオケアノスよりは小柄かつ細身であるが、特徴的なのはその右手に持つ自身の背丈よりも大きい大鎌であった。刃先まで含めれば、彼の身長の二倍以上あるだろう。
ただ、奇妙だったのは大鎌がよく見ると刃先がさび付いていることである。
大鎌を背負った彼は呟いた。
「残念だよ。君はヒュペリオンとは違って裏切らないと思っていたんだけどね」
「私は……アスラとして人を守りたいんです!」
「君はアスラでも、人でもないだろう!」
オケアノスは左の掌に周囲から水分を集める。そのまま、彼は作成した水流でアスラをからめとると、孤児院から離れた広い空き地まで吹き飛ばした。だが、吹き飛ばされる間にデロは大鎌で水流を切り裂き、水流から逃れる。
だが、オケアノスもそれを読んでいたようで、空中で水を複数の矢にし、それを次々に投げていった。だが、その矢は大鎌の異常なまでの裁きであっさり落とされてしまう。
「なんだ、俺をあのガキどもから遠ざけたつもりか?」
「クロノス。もう、私は……誰の命も奪わない。絶対に」
クロノスと呼ばれたティタンは大鎌を肩に背負うと目をつむり、呟いた。
「お前は誰も救えない」
そのまま大鎌を構え、瞬時にオケアノスの前に立つと、一気に切り裂いた。オケアノスはギリギリで後ろに下がりかわすも、皮が一気に裂け、血がうっすらと流れる。さらにクロノスは続けて大鎌を横に払うと、オケアノスは水を発生させると、アクロバットのように大鎌を起点にして、相手の背中側に立つようにして攻撃を避ける。
そのまま水で作成した槍を突き出すも、クロノスは背中を向けたまま、大鎌を逆手に持ち替え、回すようにして攻撃していた。
大鎌はオケアノスの脇腹を引き裂き、さらに再び持ち替え、次は大鎌を逆側の手で持ち替え、その遠心力でオケアノスの胸部を切り裂く。だが、オケアノスは声の一つもあげることはない。
水の槍を左手に生み出すと、クロノスに向けて投げるも、彼は背中を思い切り逸らす。槍は彼の頭上を勢いよく突き抜けて行った。さらに、その間にクロノスはオケアノスの足を切り裂き、膝をつかせた。
そのまま、クロノスは大鎌を構えると言った。
「私はヒュペリオンを評価している部分もある。自らの信念を抱え、その先に裏切りがあったのだから。それに比べてお前は何だ? お前は何に従っている? お前は何もできない」
オケアノスはその言葉に睨みつけながらも、叫んだ。
「人間を守る。これが私の信念です……!」
彼は左手を掲げると、水分が一気に集まり、薄い盾ができる。よく見ると、体からは蒸気が上がっていた。限界の合図。
鎌による攻撃を防ぐことはできたが、圧に押されていく。
そこで、不意に顔の前に気配があった。
エデンかレイアだろうか。
そこには。
「今のは、本当ですか?」
フレイがいた。
「な、ど、どうして生きている!?」
その姿を見て思わずオケアノスは叫んでいた。
「ギルドマスターが治してくれたんです」
「な、なんだと……?」
彼は心臓を貫かれていた。臓器も矢の影響でめちゃくちゃにしたはずだ。にもかかわらず、生きているとは……。
「僕も同じです。人間を守りたいんです。だから、腕輪を返してください」
オケアノスは確かな彼の意思を感じていた。そして、少し俯くとつぶやく。
「本当に、申し訳なかった。君を殺しかけてしまって……」
「気にしてないです。別に。もし反省しているのなら、共に戦ってください」
フレイの元にテミスの腕輪が戻ってくる。腕輪から声が響いた。
「だ、大丈夫なの!?」
「僕にもよくわからないけど、生きてました。ので、またお願いします」
フレイはテミスに呼びかけると、右腕につけ、空へ掲げた。
「テミイイイイイイイイス!!!!」
そして、褐色肌、白の短髪の巨人が現れる。そのまま水の盾ごとクロノスを押し込み、突き飛ばした。
その姿を見て、クロノスは吐き捨てるように言った。
「どいつも、こいつも……どうなってるんだよ!」
空き地まで駆けてきたセリナは呟いた。
「よかった……生きていたんだ……」
「加勢ってことかな。レイア、どうすればいいと思う?」
エデンは隣に浮かぶレイアへ不安そうに声をかけるが、彼女からの返答は速かった。
「わたしは、人間の味方を応援する」
その言葉にエデンは微笑み頷いた。
クロノスは二体の巨人を前にして、立ち上がる。そして、テミスに向けて大鎌を突き出した。
「テミス。てめえは許さない。俺のことをこんなにしたお前のことを。お前らは俺が消し炭にしてくれる」
「記憶ないんだけど。どう答えましょう……」
いつも通りあわあわとし始める彼女にフレイは冷静に呟いた。
「みんなを守る。それだけだよ」
彼らはクロノスへと突撃し始める。オケアノスは瞬時に左手に槍を、テミスは右手に分厚い本を持つ。彼らはそれを掲げ、次々に連撃を繰り返す。クロノスの大鎌も彼らに対応するように繰り出していった。
だが、うまくかわしつつ攻撃を仕掛けていく。大鎌がフレイを襲えば、その間にオケアノスの槍がクロノスを狙う。それすらかわすも、彼は飛んで来る矢までは避けることができなかった。
当たると爆発し、彼はひるんだ。そのまま、後ろへ引き下がる。
だが、下がった先にはテミスがおり、その鈍器で吹き飛ばされた。
「クソが……ァ」
そして、オケアノスが放った水流にクロノスは巻き込まれる。そのまま水流に乗って上空へ放たれたところを矢が爆発。
さらに、テミスが飛んでいた。
クロノスは大鎌を突き出し、テミスの左腕を切り落としたが、噴き出す血も気にせずテミスは本を構え、クロノスの脳天へ叩き落した。
地面へ叩きつけられ、大きく砂煙が舞う。その中で、立つシルエットが見えた。
クロノスは頭から血を流しながらも、こちらを着地したテミス、オケアノス、人間たちをにらみつける。
「この恨みは必ず……」
そのまま彼は倒れていき、姿は蒸発するように消えていった。
オケアノスが変身を解除すると、そこへエデンとレイアが舞い降りた。セリナも駆けつける。
何を言われるのかと思っていたが、エデンが駆け寄ると、そのまま平手打ちした。
「お前には何か事情があったのかもしれない。ただ、フレイを殺したという事実は……」
「あの……ごめん、生きてます……」
そこで彼女たちのすぐ隣にフレイがいることに気づく。
「な、え? へ? 生きていたんですか!?」
エデンはみるみるうちに紅潮し始め、オケアノスに何度も深く礼をした。
「す、すいません。そんなことが。え、もしかして殺していなかった?」
「いや、手を出したのは事実だ……」
オケアノスはうつむき、頭を下げた。
「本当に申し訳なかった」
レイア、エデン、セリナは彼とフレイを交互に見渡す。そんな様子も見ていてかフレイは微笑んだ。
「ま、大丈夫です。僕はこうしてぴんぴんとしているんですし」
その姿を見て、オケアノスは微笑むと「ありがとう」と呟く。だが、その彼の口元は閉じており、何かつぶやこうとしてまた紡ぐと、背中を向けて去っていった。
その背中に向けてフレイは呼びかける。
「また、明日からダンジョンボスを攻略しましょうー!」
夕日が彼を照らす。手が振られることはなかった。
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