BOX・FORCE

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第1章 NAMELESS編-序編-

[第2話:Lily]

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翌日、蒼松率いる第2部隊と行動を共にする事になった樫間率いる第1部隊。
3人は、蒼松たちが共同生活する一軒家に招待された。


「ようこそ!我らのホームへ!」


蒼松に招待され、3人は部屋のリビングに入った。
そこには、2人の男女がいた。

「初めまして!咲波 愛花です。よろしくね!」

そう挨拶した彼女の名は、咲波 愛花(さきなみ あいか)。黒髪のロングヘアを揺らしながら、軽く右手を振った。
第2部隊の隊員で、箱装「長蛇銃(スコープスネイク)」という狙撃銃を扱う。

続けて、隣にいた男が挨拶した。

「なんか、ずいぶん見ない間に大きくなったな。よろしく頼むよ。」

彼の名は、沫梨 洸(まつなし こう)。第2部隊の格闘接近戦を務める隊員。
身長は165cm程の少し小柄な体型をしている。

2人の挨拶が終わると、蒼松は言った。

「まあ、とりあえず1週間3人にはここで一緒に過ごしてもらうよ。紘紀は俺、椎菜ちゃんは愛花の、渉は洸の部屋にそれぞれいてもらおうかな!」

「聡ちゃん、樫間君の事襲っちゃダメだよ?」

咲波はいたずらに蒼松に言った。

「ンなことするか!とりあえず、3人とも荷物置いたらまたここ来てよ。洸が飯作ってくれたから一緒に食べよう!」

蒼松は言った。
そして、3人はそれぞれの部屋に案内され、荷物を置いた。リビングに戻ると、そこには豪勢な食事が並んでいた。

「こう見えて実家が飲食店やっててね。小さい頃から手伝ってたレベルよ。」

少し照れ臭そうに沫梨は答えた。

「さぁ、座ってくれ。食事の時は、リリィ特有の儀式を行う。」

そういうと、蒼松は立ち上がり、拳を額に当てて言った。
咲波と沫梨も同じ格好をしたので、第1部隊の3人も、同じようにした。
皆の準備が整うと、蒼松は唱え始めた。

「全ての人類よ、生ける魂を喰らい、その命と共に、その身朽ち果てるまで生き過ごせ。
感謝と贖罪を祈る。」

蒼松がそう唱えると、咲波と沫梨も静かに目を閉じた。3人はそれに合わせて目を閉じた。

「さぁ、目を閉じた先に何が見える?それが答えだ。」

6人は、静かに自分自身と向き合った。
少し経って、蒼松が手を叩いた。

「よし、目を開けて。冷めないうちに食べようか!」

「「「いただきます」」」

そういうと、皆各々に食事を始めた。


食事が終わり、沫梨と白峰は洗い物を、咲波と迅雷寺は机の片付けをした。
蒼松と樫間はというと、リビングで向かい合いながら話をしていた。

「紘紀、正直お前には荷が重い役目をさせてしまって申し訳ないと思っている。
しかし、BOX・FORCEの第1部隊というのは、負けることが許されない。言ってしまえば、負けたら俺たち組織が全滅するだろう。その意味はわかるな?」

「はい。先代の教えにもありました。"リコリス"は敵を死へと追いやる彼岸花。我々の使命は敵の全滅。それだけだ、と。」

「ふっ…緋我さんが言いそうなことだ。」

「先代の時代、聡悟さんもメンバーだったんですよね?先代はどんな方たちだったんですか?」

「初代BOX・FORCEは、俺はまだ第2の下っ端だった。初代第1部隊は、それはもう最強部隊といってもいいほどだった。しかし、第1次大戦とも言われている戦いで部隊は全滅。
それはもう、悲惨な大戦だったよ…。」

先代を語る蒼松は、どこか悲しい表情だった。

「先代の第2の隊長も、その大戦で戦死した。俺の目の前で、NAMELESSの大群に木っ端微塵にされた…。その時だったな。俺はもう誰も、うちのメンバーはこんな悲惨な結果にはさせないと誓ったのは…。」

「それが、隊長の務めですね。俺も、そんな結果にはしたくないです。」

「紘紀はすごいよ。その歳で、隊長背負ってそこまで思えてるのは。その事を今後も絶対忘れるんじゃないぞ。」

「もちろんです。俺は、強くなってみせます。」

2人が深刻そうに話しているところに、作業が終わった他のメンバーが集い始めた。

「聡ちゃん、大事な話は終わった?」

咲波が、茶化すように入ってきた。

「ああ、まあな。さて、今日はもう遅いしみんなそれぞれ休んで、明日からの任務に備えよう。」

蒼松が言うと、皆それぞれ解散した。


翌朝-


『渋谷スクランブル交差点上空にNAMELESS出現!数2体!リリィ、急行願います!』


目覚ましより早い時間に、けたましい通信によって一行は起こされた。

「さて、仕事の時間だ。見せてあげるよ。我々"リリィ"の実力を。」

蒼松がそう言うと、一行は渋谷へ向かった。


渋谷へ着くと、朝早い時間にも関わらず人が溢れており、皆パニック状態にあった。
上空には2体のNAMELESS。

「俺と洸で攻める。愛花はいつも通り支援頼む。」

「「了解!」」

2人はそう言うと、それぞれ動き始める。
沫梨は、上空左側の敵めがけ走り始めた。
咲波は、箱装を開放して狙撃銃を構えた。

「さて、はじめようか。」

蒼松は、そう言うと自身の箱装を開放した。
大剣のように見えるが、蒼松はそれを銃のように構えた。

「"白愉兎(ラッキーラビッツ)".。それが俺の相棒だ。」

蒼松は"白愉兎"から、2発の弾を放った。それは鋭い弾だが、水のように見える。
すると今度は、"白愉兎"を大剣状に構えて両足から高圧の水を吹き出し、NAMELESSに向かって飛んだ。

「"白愉兎"は銃剣だ。どうだ?楽しいだろ?」

そう言いながら、蒼松はニヤリと笑みを浮かべその大剣を振りかぶった。

NAMELESSは、腕のような菱形の物体でそれを防ぐも、瞬く間にそれは真っ二つに切れた。

一方沫梨は、自身の箱装を両手足に装備し、そこから威嚇のような炎を吹いていた。

「"鋼鉄牛(カウメイル)"の塵となれ。」

そう呟くと、沫梨は両足の炎を噴射させ、NAMELESSに向かって飛んだ。
気づくと、NAMELESSの下で炎を纏った足を振りかぶっていた。

「…食らいな。"ブルーレア"!」

そう言うと、沫梨はNAMELESSを思い切り蹴り上げた。

上空へ飛ばされたNAMELESSは、自身の動きを封じられたように回転している。

「NEXT。"ミディアム"!」

そう言うと、回転しているNAMELESSを今度は横方向に殴った。
回転しながら横に飛ばされたNAMELESSは、もはや身動きが取れない状態だ。

「FINAL。"ウェルダン"!」

気がつくと身動きが取れず横に飛ばされたNAMELESSに、沫梨が追いついていた。
そのNAMELESS目掛けて、沫梨の右の拳が火を放った。

遂には炎上しながら、NAMELESSは蒼松と交戦しているNAMELESSにぶつかった。

「愛花、決めてくれ。」

蒼松は咲波を見ながらそう言うと、地面へ身を引いた。

「OK。I won't take it off. I'll shoot.(外さない。狙い撃つ。)」

そう呟くと、咲波は引き金を引いた。
1本の鋭い線を描くように、1ミリたりとも外さずにNAMELESSのコアを貫いた。

「私の"長蛇銃(スネイクスコープ)"は、狙いを1ミリだって外さないよ。」

咲波は言った。
NAMELESSはコアを貫かれ消滅した。

「これで総戦闘時間、たったの1分26秒。どう?俺らの戦い方。」

蒼松は自慢げに樫間たちに向けて言った。
樫間たち"リコリス"は、"リリィ"の各員の強さとコンビネーションの良さに、圧倒されるほかなかった。

NAMELESSは消滅し、再び元の姿に戻った渋谷を一行は後にした。



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