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第1章:NAMELESS編-渋谷戦
[第24話:Stonecrop]
しおりを挟む池袋での戦闘開始と同時刻程、渋谷スクランブル交差点。
「…みんな、まるで事態がわかってねぇ…」
沫梨は辺りに広がる、パニックで逃げ惑う人々や面白おかしく動画を撮る人々を見渡し、呆れてそう言った。
次の瞬間、ウルセウスはスクランブル交差点のど真ん中に降り立った。
その姿は、以前よりもさらにどす黒いオーラを放っていた。
「…やべぇ…来ますよ!」
白峰はそう叫ぶと、"炎鳥皇"を構えた。
「…やるぞ!白峰!沫梨!」
チャンがそう叫ぶと、3人は一斉にウルセウスに向かった。
「…愚かな…。ここが貴様らの墓場だ。」
ウルセウスはそう呟くと、右足を一歩下げ、その右脚にドス黒いオーラを纏った。
「…"ソニック:フルウェーブ"。」
ウルセウスの右脚は、向かい来る3人目掛けて勢いよく振り込まれた。
その右脚からは、リング状の黒いオーラが放たれた。
「"氷豹装:蹴襲牙"っ!」
向かい来る黒いオーラに対抗するように、チャンは氷のオーラに包まれた左脚を振り切った。
「…"ウェルダン"っ!」
沫梨は、鋼鉄の装備からありったけの炎のオーラを放ち、黒いオーラを蹴り飛ばそうとした。
「"炎華"っ!」
白峰は、炎の花のようなオーラを拳に乗せ、黒いオーラ目掛けて撃ち放った。
それは、炎の蔦のようなものを伸ばしながら黒いオーラにぶつかった。
3人の攻撃を受け、打ち消されたと思われたウルセウスの攻撃は、勢いそのまま再び広がった。
「…まずいっ!避けっ…!」
チャンの叫び声も間に合わず、ウルセウスの攻撃は白峰と沫梨を吹き飛ばした。
「「うっ…」」
呻きながら倒れる白峰と沫梨は、すぐさま起き上がり、ウルセウスに次の攻撃を仕掛けようとした。
「…素直に我々の配下になればいいものを…」
ウルセウスはそう言うと、まっすぐ沫梨を睨みつけた。
次の瞬間、沫梨の目の前に、黒いオーラを纏った右腕を振り上げたウルセウスが現れた。
「"ソニックハンマー"」
ウルセウスの右腕は、目にも留まらぬ速さで沫梨を襲った。
「…"炎牛装:ブリアンブロー"っ!!」
ウルセウスの攻撃を真っ向に受けたと思われた沫梨。しかし、沫梨は間一髪でそれを避けてウルセウスに攻撃を仕掛けた。
「…効かぬ」
ウルセウスは、沫梨の繰り出した左手を片手でいとも簡単に受け止めた。
「…止められたところでっ!!」
沫梨がそう叫ぶと、チャンと白峰がウルセウスの左右から現れた。
「…"炎皇"っ!」
「"豹点牙"っ!」
2人の攻撃がウルセウス目掛けて放たれると、爆風が交差点の中央を覆い包んだ。
爆風が晴れると、ウルセウスは膝をついてしゃがんでいた。
「…やれやれ。」
ウルセウスはゆっくり立ち上がると、身に纏った黒いローブを脱ぎ捨てた。
強靭な肉体は、鋼鉄のように硬くドス黒い色をしていた。
「…ウォーミングアップは、終わりか?」
そう呟くと、ウルセウスの姿は一瞬にして3人の目の前から消え去った。
「…来るぞっ!」
チャンは白峰と沫梨にそう叫んだ。
その瞬間、チャンは正面からウルセウスに殴り飛ばされた。
「何っ!?」
沫梨は攻撃の態勢を取るも、一瞬にして現れたウルセウスに蹴り飛ばされた。
「…やろぉ…。」
白峰は全神経を研ぎ澄ませ、周囲を睨んだ。
その時、何やら激しい感覚が白峰の脳をよぎった。
「…全く、遅かったじゃないですか。」
白峰がそう呟くと、目の前にウルセウスが現れた。
ウルセウスの素早い拳を、白峰は瞬時に避けると、ウルセウスの溝落ち目掛けて、拳を振り上げる。
「…"炎凰装:炎鳥翔飛拳"っ!」
白峰の体に、赤く煌々と燃える炎の鎧が纏われる。
その鎧と共に放たれた一撃は、ウルセウスの体を確実に捉えた。
(…っ…当たってるのに…効いてない?)
「…甘いんだよ。」
そう言うと、ウルセウスは白峰の顔面目掛けて回し蹴りを放った。
白峰は避ける事ができず、真っ向から蹴り飛ばされた。
「…所詮、人間なんてこの程度か…。」
ウルセウスは、倒れる白峰を見下ろしてそう呟いた。
その瞬間…
「ぶち消してやらぁぁぁぁ!!!」
ウルセウスは、何やらオレンジ色の光を放った、棒状の物で地面に叩きつけられた。
「…てめぇに人間の何が分かる。とっとと消えやがれクソが。」
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