25 / 85
第1章:NAMELESS編-渋谷戦
[第25話:Alder]
しおりを挟む「…生きてたのか…てっきりラスコに潰されてると思ってたが…。」
ウルセウスはゆっくり立ち上がると、目の前に立つ1人の男を見てそう言った。
「はぁ?死ぬわけねぇだろ。あんなもん。あいつも、今頃蒼松さん達にやられてぶっ殺されてるわ。」
ウルセウスの正面に堂々と立っていたのは、所々に手当ての跡が残る獅蘭だった。
「…そうか。」
そう言うと、ウルセウスは全身にドス黒いオーラを纏った。
「…貴様の戦闘データはラスコから聞いている。貴様は勝てない。ここで殺して消してやろう。」
ウルセウスのオーラが激しくなる。
すると、獅蘭は大声で笑った。
「俺の情報を全部持ってる?あっそ。だから何だ?俺に勝てるのか?俺は完全体じゃねーぞ。俺は戦いの中で成長する。今までも、そして、これからも。それでも俺に勝てるってならこいよ。全力で、てめぇをぶっ殺す。」
獅蘭は、"永猿棒"を構えて、そう言い放った。
「…面白い…そうでなくてはな!!!」
ウルセウスは、正面から獅蘭に突っ込んだ。
「"億壁門"っ!!」
獅蘭は、ウルセウスに向かってオレンジ色のシールドを展開した。
「"フルソニック:アブソリュート"」
ウルセウスは、真っ黒なオーラが溢れ出す右腕を、シールドに向かって突き出した。
「…お前のデータに、こんなのあったか?」
そう言うと、獅蘭は"永猿棒"をシールドに向かって突き刺した。
「"万突門"っ!!」
"永猿棒"はシールドを突き破り、ウルセウスの右肩目掛けて突き伸びた。
「…ほぅ…。」
"永猿棒"は確かにウルセウスの右肩を捉えたが、ウルセウスは余裕の表情で受け止めた。
ウルセウスは、右肩に当たる"永猿棒"を左手で力強く掴むと、力の限り引き寄せた。
「…終わりにしよう…"オーガソニック"っ!」
ウルセウスに、"永猿棒"ごと引き寄せられる獅蘭目掛けて、ウルセウスの右腕が、恐ろしい程の黒いオーラに包まれて放たれた。
その時、ウルセウスの周囲を3つの影が囲んでいた。
「…なめんなぁ!"フルフランベ"っ!」
「…"氷豹凍結拳"っ!」
「…"焔凰"っ!!」
ウルセウスに吹き飛ばされたはずの沫梨、チャン、白峰が、ウルセウスを包囲するように攻撃を仕掛けた。
「…どいつもこいつも…」
ウルセウスは、手に掴んでいる"永猿棒"を軸に逆立ちして攻撃を避けた。
「…かかったな…行けっ!獅蘭っ!!」
ウルセウスに攻撃を避けられるも、チャンはそう叫んだ。
すると、"永猿棒"は急激に縮んだ。その勢いに乗せて、獅蘭はウルセウス目掛けて思いっきり拳を振るった。
「"斉天大聖:猿天拳"っ!!」
獅蘭の拳は、真っ直ぐウルセウスの顔面を捉えた。
鈍い音がスクランブル交差点に響き渡る。
「…やったか…!」
4人は、吹き飛ばされたウルセウスの方向を見た。
するとそこにウルセウスの姿はなく、辺りはちょっとした隕石が落ちたかのように崩壊していた。
「…甘いんだよ。全く。」
その瞬間、巨大な衝撃波が襲いかかった。
「…何っ…!」
獅蘭がそう呟くと、沫梨が瞬く間に黒いオーラに包まれて、交差点のビルの一角に吹き飛ばされた。
「沫梨っ!!」
獅蘭がそう叫ぶと、今度はチャンが黒いオーラに包まれ、吹き飛ばされた。
「チャンっ!!」
一瞬にして沫梨とチャンの姿は消え、獅蘭の目の前には、残された白峰が立っていた。
「…やれやれ。本当に目障りだよ。」
ウルセウスは、2人の正面に現れると気怠そうにムクッと姿勢を正した。
「…貴様らのような弱くて価値のない人間は、世界を支配するに相応しくない。…我々が、貴様ら人間を排除し、新たな世界を作るっ!」
ウルセウスがそう言うと、ウルセウスの右頬に炎を纏った拳が襲いかかった。
「…その腐った価値観、叩き直してやるから覚悟しやがれっ!」
そう言うと、左拳を振り払った白峰が、ウルセウスを鋭い視線で睨みつけた。
「どいつもこいつも、めんどくせぇ野郎だぜ!」
ウルセウスは直様立ち上がり、白峰に襲いかかった。
その攻撃を、間一髪で獅蘭が食い止める。
「…ギャンギャンうるせぇよカスが。ぶっ潰すぞゴミがぁ!」
獅蘭はウルセウスに向かって咆哮した。
獅蘭、白峰とウルセウスが、スクランブル交差点で静かに鋭く睨み合った…。
「おもしろい。そうでなくてはなぁぁ!!」
真っ向から突っ込むウルセウスに対し、獅蘭は体制を構えた。
白峰は低くぐんとしゃがむと、低空飛行で向かいくるウルセウスに突っ込んだ。
「"昇炎"っ!!」
白峰は、ウルセウス目掛けて、炎の拳を振り上げた。
「…甘い、甘すぎるっ!」
ウルセウスは、勢いそのまま横に回転して白峰の攻撃を避けた。
「…甘いのは、テメェだぁ!」
その叫び声と共に、上空から"永猿棒"がウルセウス目掛けて振り下ろされた。
「グハッ…」
ウルセウスは、"永猿棒"によって思いっきり地面に叩きつけられた。
「…"ソニックアーム:フル"っ!!」
ウルセウスがそう叫ぶと、ウルセウスの全身から、どす黒いオーラが溢れ出した。
そのオーラは、みるみるうちにウルセウスの全身に纏わりついた。
ウルセウスは、鋼鉄のような黒い鎧を、全身に纏った。
「…ブッツブス…」
そう囁くと、ウルセウスは覇気を放ち、"永猿棒"を振り払った。
「…なんだよあいつ…バケモンじゃねぇか…」
獅蘭は、ウルセウスの姿を見てそう言った。
「…まあ、あれぐらいの方が、殺り甲斐がありますね…」
白峰は、そういうと両拳を構えた。
静寂な夜の風が、渋谷スクランブル交差点に立つ、3人の横を過ぎ去った…。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる