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第1章:NAMELESS編-新宿戦-前編

[第35話: L-Albiflora]

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「…影虎ぁぁぁぁ!!!!」

NAMELESSの砲弾は、真っ直ぐ迅雷寺の胸を貫いた。
一瞬の出来事に、誰もがただ呆然と見つめるだけであった。

「…ぐはっ…!!」

迅雷寺は瀕死の状態にあったが、最期の力を振り絞って耳元の通信機に手をかけた。

「……後は…頼む…娘を…椎菜を…。」

迅雷寺はそう呟くと、彼は地面に落下した。
その瞬間、益富は迅雷寺に砲弾を放ったNAMELESSに突っ込んでいた。

「…拳護っ!!!まずいっ!冷静になれっ!!」

緋我は入り乱れる想いを抑えながら、必死に暴走する益富を呼び止めようとした。
しかし、その声は益富には届かない…。

「…"炎焉華月えんえんかげつ"っ!!!」

益富の右拳は、辺り一帯が感じとれるほど熱い炎を帯びながらNAMELESSに振り放たれた。
その益富に対し、NAMELESSは容赦なく右腕のガトリングガンを放った。

「…拳護ぉぉぉぉぉぉっ!!!」

緋我の叫びも届かぬまま、益富は避けることなく瞬く間に弾丸の雨に撃たれた。
かろうじて益富が、弾丸の雨に撃たれる直前に放った炎の拳を、
NAMELESSは嘲笑うように避けてみせた。
被弾して力尽きながら落下する益富の身体を、緋我が受け止めた。

「…すまねぇ…昇ちゃん…。」

緋我の腕の中で、益富はか細い声でそう言い息絶えた。
緋我の腕は、益富の血で真っ赤に染まっていた。

「…バカヤロウ…拳護も…影虎も…。」

緋我は、大粒の涙を零した。
緋我がふと顔を上げると、NAMELESSは左腕のランチャー砲にエネルギーを溜めていた。

「…まずいっ…。」

緋我が気がついた時には既に遅く、緋我の身体は硬直した。

「…昇ちゃんっ!!!」

益富は力一杯、緋我を突き飛ばした。
その瞬間、益富の身体をランチャー砲弾が包む…。

「拳護ぉぉぉぉぉぉっ!!!!」

緋我は直様立ち直り、"青龍銃"を構えた。
その顔は、俯いたまま…。

「…るさねぇ…絶対に許さねぇ!!!!」

辺りの空気が、一瞬にして冷え始める。
緋我の身体を、氷の龍の鎧が纏うと彼は姿を消した。

次の瞬間、NAMELESSの背後に現れた緋我は、
真っ直ぐ銃口をNAMELESSに向けた。

「…消えろぉぉぉぉぉぉっ!!!
"氷崩雪龍弾アヴァランチドラヴルム"っ!」

緋我の放った弾丸は、巨大な氷龍の姿になり
その周囲を、蹴散らす勢いでNAMELESSに向かった。
NAMELESSは、緋我の弾丸に向かってガトリングガンを放った。
しかし、緋我の弾丸はその勢いが劣ることはなくNAMELESSを襲撃する。

緋我は、休む事なく次の攻撃を仕掛けた。

「"氷龍爆暴弾アストロドラゴガン"…っ!!!」

NAMELESSは、緋我の弾丸を防ぎきれなかった。
爆発音と共に辺りを黒煙が覆う。

「…許さねぇ…。」

緋我の身体は、徐々に氷龍の鎧に包まれていった。
その姿は、まさに"龍"…。

「"龍皇氷鐡弾ドラヴルムヘイルランチャー"っ!!!」

NAMELESSを覆う黒煙目掛けて、氷龍の弾丸が無数に放たれた。

「…まだまだぁぁぁぁっ!!!!
"極凍龍閃弾クライオジェニックドラヴルム"っっっっ!!!」

辺りの空気が一瞬にして凍りつき、無数の礫が黒煙覆うNAMELESSに襲いかかった。

「…俺の…仲間を…、」

そう呟く緋我の手は、"青龍銃"を強く、壊れるくらいに強く握っている。

「…影虎を……拳護を……、」

緋我は、激しく口を噛み締めながら
その瞳に涙を浮かべた。

「…NAMELESS…
てめぇら1匹残らず…ぶっ潰すっっ!!!!!!!!」

上空は黒雲が立ち込め、次第に激しい雷音が轟いた。

緋我は全身で呼吸し、冷気を最大限放出しながら、その身を包む鎧を固めている。

「…これが…俺の…全てだっ!!!!!」

緋我の叫び声が、辺り一面を揺らすほど響き渡った。
それは人の叫び声とは思えない程に、轟いていた。


そして、一瞬の静寂の後…

「"氷龍装:吹雪双皇龍ひょうりゅうそう:スノードラヴルム"…」

緋我はそう呟くと、全身に冷気のオーラを纏った。


しかし…

「…うっ…。」

緋我の呻き声と共に、その力は徐々に弱まっていく…。
緋我の身体に震えが現れた。"箱装"を扱う代償なのか、明らかにその様子はおかしい。
そして遂には、緋我の目から赤い雫が滴り落ちた。

「…ここまで…だと…。」

すると、緋我の目の前に現れたのは、
右腕のガトリングガンを構えたNAMELESS…。


無数の弾丸が放たれる音が響き渡った。



『…オワリダ…。』

NAMELESSの声なのか、呟く声が静かに聞こえると、NAMELESSはその姿を消した。

残されたのは、争いの傷跡が残る街並みと
全身に弾丸の痕を残した緋我の姿だけであった…。

「……なんとしても…この力…引き継がなければ……。」

緋我の身体は、青白いオーラに包まれた。

「……後は…頼む…樫間…紘…紀…。…俺の…」

戦場には少し冷たい風が吹いていた…。


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