BOX・FORCE

hime

文字の大きさ
48 / 85
第2章 七魔編-七魔団結成-

[第4話:Satan]

しおりを挟む
「俺は、樫間 紘紀。もう一度言う。俺の目的の為に、君には共に来てもらうよ。」

樫間の"アスモレウス"、堀崎の"ベルフェゴール"の能力を駆使し、3人目の"七魔箱"を持つと思われる青年と出会った2人。
しかし、青年は突如2人に襲いかかった。

「…樫間…紘紀…。へぇ、あの"BOX・FORCE"の。
2年間行方不明だった筈なのに、こんなところに居たとはね。」

青年はそう言うと、手に持った大きな鎌を地面に突き立てた。

「葉坂 白牙(はさか はくが)だ。"BOX・FORCE"に沫梨ってのが居ただろ。あいつの従兄弟だ。」

葉坂は、背丈160cm程で白銀色の髪をしていた。
口元を隠すように、長いマフラーのようなものを巻いている。

「…なるほど。沫梨さんの。って事は、話が早いな。」

樫間は"アスモレウス"を納刀した。

「俺はこの"七魔箱"を持つ者たちと共に、
"BOX・FORCE"を攻めるつもりだ。」

樫間がそう言うと、葉坂は大笑いした。

「おいおい、あんたは"BOX・FORCE"の人間だろ?
なんでそんな奴が自分の所属組織攻めるんだよ。訳を聞かせてもらおうか。」

葉坂は冷静になってそう言った。

「そう言えば、俺も聞いてないぞ。樫間の目的はそれなのか?」

堀崎も葉坂につられてそう言った。

「…簡潔に説明する。2年前、そして7年前…いや、それ以前からか。あの大きな事件の発端が"BOX・FORCE"にある。その元凶を潰す為に、あそこを攻める。」

樫間の言葉に、堀崎と葉坂の2人は固まってしまった。

「…あの大きな事件…"NAMELESS大戦"ってやつか?」

堀崎は、樫間に問いかけた。

「ああ。それも1つだ。だがそれだけじゃない。
この先に、もっと大きな陰謀があるはずだ。
俺はその元凶を潰し、2度と今までのような悲惨な事件を起こさないようにする。」

樫間の言葉には決意がこもっていた。

「…その為に、が必要って事か?
悪いが、俺はそんな敵討ちの為に使う時間はない。」

葉坂は、樫間の言葉を理解はしているようだが、賛同はしていなかった。

「…ほう、ならば何に使うというのだ。」

樫間は、葉坂に敵意の目を見せた。

「俺は、四国を出て強くなる。この狭いコミュニティーの中じゃ収まらないくらいに、強くな。」

葉坂の答えに、樫間が返答するより先に
堀崎がツッコんだ。

「…ん?なら別に、俺たちと来ればいいんじゃないか?
この力、手に入れたところで使い所がなきゃ強いも弱いもないだろ。
この力を手に入れた以上、使うべく所で使わねば。
俺はそう思ったから、この樫間に着いて行こうと思ったんだけど…。」

堀崎の言う事は最もだ。
葉坂は、ハッとして赤面した。

「…まあ、そういうことだ。現在、BOX・FORCEがどういう立場なのかは知らないが、それでも一侵略生物から東京を守った実績はある。俺がその証明だと、自分で言うのもアレだが…。
その組織に問題があるから、その組織を潰す為に戦う。それで勝てば、強さの証明になるだろう。」

樫間は改めて説明した。
それを聞いた葉坂は、何故か少し怒っていた。

それは、言葉よりも先に行動によって示された。
葉坂は再び、樫間に襲いかかった。

「バカにしやがってぇぇぇ!!!」

襲いかかる葉坂に、樫間は呆れて言った。

「…めんどくせぇなぁ。俺を倒したら好きにしろ。俺に負けたら着いてこい。以上だ。」

樫間はそう言うと、再び"アスモレウス"を片方だけ抜刀した。
その剣は、黒く輝きを放っている。

葉坂は、その大きなを振り回しながら樫間に突っ込んだ。

樫間は、葉坂の攻撃を右腕に持った剣で軽くいなした。
すると、正面から樫間を攻撃しているはずの葉坂が、背後から鎌を振りかぶって樫間に襲いかかった。

すかさず、樫間は左手でもう1本の白い剣を抜いて
背後からの攻撃を背中越しに防いだ。

(…カシマ ヒロキ。奴は"サタン"。能力は"分身"だ。気をつけろ。)

樫間の脳内で、"アスモレウス"はそう呟いた。

「…なるほどな。大した能力だ。」

樫間はそう呟くと、クルッと身体を回転させ
葉坂の攻撃を弾き飛ばした。

「…まさか、まで使うとは思わなかったぜ。葉坂。」

樫間は左手に持つ白い剣を見ながらそう言った。

「…ナメやがってっ!」

葉坂がそう叫ぶと、その身体は黒い煙に包まれた。
その煙は、忽ち辺り一面を覆い尽くすと
樫間の周囲には10人程の葉坂の姿が現れた。

「…そう来たか。」

樫間は息を呑んだ。


「…おいおい、なんだかやべぇんじゃねぇのか?」

少し離れた場所で、戦いを見ていた堀崎はそう呟いた。

(…そう焦るでない。"サタン"の"分身"の能力は少し厄介だが、我は奴に。この意味が分かるか?)

堀崎の脳内で、"ベルフェゴール"がそう呟いた。
堀崎は、その言葉を聞いてハッとした。

「…なるほどな。"ベルフェゴール"、、もう1回貸してくれ。」

堀崎がそう言うと、堀崎の目が鋭く猫のようになった。


「…覚悟しやがれっ!樫間 ぁぁぁぁっ!!!」

10人の姿に分身した葉坂が、一斉に樫間に襲いかかった。
その瞬間_

「樫間っ!!背後だっ!」

堀崎がそう叫んだ。


堀崎の言葉を聞き、樫間はクルッと身体を回転させながら、左手の剣を納刀し、右手に持つ黒い剣を真っ直ぐ突き出した。


分身して襲いかかった葉坂の姿は、一瞬にして消え去った。
本体の葉坂は、樫間の剣の刃先に触れそうな僅かな距離で固まっていた。

樫間がニヤッと笑み、勝利を確認した。

「…流石だ、堀崎。」

堀崎は、樫間からの褒め言葉に照れ隠ししながら答えた。

「どうよ。俺の"ベルフェゴール"、中々いい力だろ?」

すると、葉坂はぐったりと項垂れ、俯いた。
顔を上げると、突然叫んだ。

「ずりぃぞ!外野は出てくんなよ!」

それは、小学生の子供のような口調であった。

「言ったろ?俺は樫間に付く。そう言う事だ。」

堀崎の反論もまた、親の背に隠れた小学生のようである。

その2人の言い合いを見て、樫間は呆れながら納刀した。

「堀崎、葉坂。次はに乗り込む。
"4人目"に会いに行くぞ。」


こうして、樫間、堀崎、葉坂の3人は、
"4人目"のいる東京・渋谷に向かった。_


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

アラフォーリサの冒険 バズったSNSで退職からリスタート

MisakiNonagase
恋愛
堅実な会社員として働いてきた39歳のリサ。まだまだ現役の母親と二人暮らしで高望みしなければ生活に困ることはなく、それなりに好きなことを楽しんでいた。 周りが結婚したり子育てに追われる様子に焦りがあった時期もあるなか、交際中の彼氏と結婚の話しに発展した際は「この先、母を一人にできない」と心の中引っ掛かり、踏み込めないことが続いてきた。 ある日、うっかりモザイクをかけ忘れインスタグラムに写真を上げたとき、男性から反応が増え、下心と思える内容にも不快はなく、むしろ承認欲求が勝り、気に入った男性とは会い、複数の男性と同時に付き合うことも増え、今を楽しむことにした。 その行動がやがて、ネット界隈で噂となり、会社の同僚達にも伝わり… リサは退職後、塞ぎ込んでいたが、同じような悩みを抱えていたカナリア(仮名)と話すようになり立ち上がった。ハローワーク経由で職業訓練を受講したり、就活したり、その間知り合ったり仲間と励まし合ったり、生きる活力を取り戻していく… そして新たな就業先で、メール室に従事する生涯枠採用の翔太という男性と知り合い、リサの人生は変わる… 全20話を予定してます

冴えない建築家いずれ巨匠へと至る

木工槍鉋
ファンタジー
「建築とは、単なる箱を作ることではない。そこに流れる『時』を設計することだ――」 かつてそう語り、伝説の巨匠と呼ばれることになる男も、かつては己の名前に怯えるだけの冴えない二級建築士だった。 安藤研吾、40代。独立したものの仕事はなく、下請けとして「情緒のない真四角な箱」の図面を引き続ける日々。そんな彼が恩師に教えられた座標の先で迷い込んだのは、昭和初期を彷彿とさせる、魔法のない異世界だった。 現代の建築知識、そして一釘一釘を大切にする頑固大工との出会い。 「便利さ」ではなく「住む人の幸せ」を求めて、研吾は廃村に時計台を建て、水路を拓き、人々の暮らしを再生していく。 異世界で「百年の計」を学んだ研吾が現実世界に戻ったとき、その設計は現代の建築界をも揺るがし始める。 これは、一人の男が仕事への誇りを取り戻し、本物の「巨匠」へと駆け上がるまでの、ひたむきな再建の記録。

背徳のミラールージュ(母と子 それぞれが年の差恋愛にのめり込んでいく鏡写し)

MisakiNonagase
恋愛
24歳の市役所職員・中村洋平には、自慢の恋人がいた。2歳年上の小学校教師、夏海。誰もが羨む「正解」の幸せの中にいたはずだった。 しかし、50歳になる母・美鈴が21歳の青年・翔吾と恋に落ちたとき、歯車は狂い出す。 ​母の恋路を「不潔だ」と蔑んでいた洋平だったが、気づけば自分もまた、抗えない引力に引き寄せられていた。  その相手は、母の恋人の母親であり、二回りも年上の柳田悦子。 ​純愛か、背徳か。4年付き合った恋人を捨ててまで、なぜ僕は「彼女」を求めてしまうのか。 交差する二組の親子。歪な四角関係の果てに、彼らが見つける愛の形とは――。

女神の白刃

玉椿 沢
ファンタジー
 どこかの世界の、いつかの時代。  その世界の戦争は、ある遺跡群から出現した剣により、大きく姿を変えた。  女の身体を鞘とする剣は、魔力を収束、発振する兵器。  剣は瞬く間に戦を大戦へ進歩させた。数々の大戦を経た世界は、権威を西の皇帝が、権力を東の大帝が握る世になり、終息した。  大戦より数年後、まだ治まったとはいえない世界で、未だ剣士は剣を求め、奪い合っていた。  魔物が出ようと、町も村も知った事かと剣を求める愚かな世界で、赤茶けた大地を畑や町に、煤けた顔を笑顔に変えたいという脳天気な一団が現れる。  *表紙絵は五月七日ヤマネコさん(@yamanekolynx_2)の作品です*

処理中です...