BOX・FORCE

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第2章:七魔編-七魔vs七天使-

[第40話:Salvator]

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「…"智炎の断罪ソフィアフローガ・カタディキ"。」

太陽を彷彿とさせる、橙色に燃える炎を纏った剣を、クリスは蒼松とジャッキー目掛けて振りかぶった。


「…"焔馬装えんばそう:天馬落炎斬ペガサス・メテオフレイム"っ!!!」


しかしそう叫びながら、真っ赤な炎に包まれた剣を振りかぶった、彩科院 鬼介さいかいん きすけが現れた。
彩科院の"裁馬刀シェバーエピー"は、クリスの"天使の剣"と激しく激突する。

「…お前まで俺の邪魔しようってかっ!鬼介ぇぇぇぇぇ!!!」

クリスはそう叫んだ。
彩科院は力いっぱい"裁馬刀シェバーエピー"を押し込むが、クリスの剣はびくともしない。

「…己の使命を全うしているまでだっ!!」

彩科院はそう言って、更にその剣に力を込めた。
しかし、クリスは"天使の剣"を振って彩科院諸共吹き飛ばした。

地面を転がる彩科院。
ゆっくりと立ち上がろうとする彼を、クリスは蔑んだ目で見下ろした。

「…お前が最高の失敗作だよ…鬼介…。」

クリスのその一言に、彩科院は驚愕した。

「…何…だと…!?」

クリスの言葉の重みに、彩科院は再び立ち上がる事が出来なかった。
彩科院は小刻みに震えながら、クリスの言葉を脳内で反復させた。
その彩科院の頭部に向けて、クリスは"天使の剣"の剣先を向けた。

「…やれやれ。何れその才を発揮すると期待していたが…お前に与えられた力は、何故それほどまでに弱い?弱すぎる。」

クリスは彩科院にそう言った。
彩科院が最も忌み嫌う"弱い"という言葉。
常にBOX・FORCEの頂点に立つ為にと活動してきた彼にとって、最上級の屈辱の言葉。

「…そうだ。"天使の力"には、まだ枠がある。
お前に与えてやってもいいぞ?
チャンスをやろう。お前がこの"天使の力"で、再び期待を実績にできるかどうかを…。」

クリスはそう言って笑みを浮かべた。

「…させるかぁぁぁぁぁ!!!」

クリスが彩科院に手を伸ばした瞬間、そう叫びながら蒼松が"白愉兎ラッキーラビッツ"をクリス目掛けて振り下ろした。


バキィィィィィィィン!!!!!!


鈍い金属音が戦地に響き渡る。

「…とりあえず、とんでもねぇ計画って事はよぉく分かった…。」

蒼松が両手で振るう"白愉兎"を、クリスは左手で持つ"天使の剣"で軽々しく受け止めた。

「…ならば、邪魔をするな蒼松。
そうだ。折角ならお前に、"新しい時代"における最良ポジションを与えても良いんだぞ?」

クリスは飄々とそう言ってみせた。
彼の理想郷は、もう誰にも止められないのか…。

「…そんなもん、俺は要らないね。
俺が欲しいもんは、もう2度と手に入らない…お前のせいでなぁぁぁぁぁ!!!」

蒼松の心底からの叫び声が、戦場の空気を揺らした。
蒼松は、その手に持つ"白愉兎"を軸として大きく旋回する。
クリスの背後目掛けて、その大きな剣を振りかぶる…!


_


"七魔団"と"七天使"の戦闘は、思いもよらぬ結末を迎える…。

_


体中に傷を負い地面に跪くスミレを、シホは見下ろしていた。
シホは全くの無傷である…。

「…"BOX・FORCE"って、案外たいしたことないのね…。」

シホはそう呟くと、"天使の銃"の銃口をスミレに向けた。

「…あんたに…何が…分かるって…言うのよ…。」

スミレはそう答えるも、立ち上がれないほどに弱っていた。
震える四肢に力を加え必死に足掻く姉の姿に、シホはため息を付いた。

「そんな状態のくせに、よくそんな事言えるよね。
軍人だったお姉ちゃんとは大違い。」

シホはそう言うとスミレの側にしゃがみ込み、その銃口をスミレの額に当てた。

「…『シホはスミレの二番煎じ。』『シホはスミレには勝てない。』
軍でお姉ちゃんの事を慕っていた連中は、皆んなそうやって私を卑下してきた…。」

シホは語気を強めながら、その銃口を更に強く突き付ける。
スミレは身動きが取れぬまま、大きく荒い呼吸を繰り返した。

「…その連中が、今のこの姿を見たら何て言うんだろうね…なぁ!!!!」

シホは突然大声で叫んだ。
その狂気じみた笑顔の奥に、確かな憎しみと怒りを込めて…。

シホの人差し指が、ジリジリと引き金に力を加えていく。
…その時だった。


「…"スターダスト・ミィーティオ"。」


戦場に散らばっていたBOX・FORCE本部建物の瓦礫の山の数々から、無数の瓦礫の破片がシホ目掛けて襲撃した。
シホはその異変に気がつくと、咄嗟に立ち上がり回避を試みた。
しかし、瓦礫の破片はシホを追跡しながら迫りくる…!

「…っ!!何なのこれぇぇ!!」

シホは叫びながら逃げ続けるも、瓦礫の迫るスピードはますます速く多くなっていった。

「…ちっ…!"神の鉄壁テオス・テフォラキスノメス"っっ!!」

シホがそう叫ぶと、彼女の周囲に球体状の光る壁膜が現れた。
辛うじて防御が間に合い、シホは無傷で済んだ。

「…あら。守るすべも持ってるのね。厄介だわ…。
紘紀くん、気を付けて。奴ら、"守り"も固いみたい。みんなも注意して!」

間一髪のところでその身を守られたスミレが目の当たりにしたのは、
両腕に凄まじい程の黒いオーラを宿らせながら、左耳の通信機にそう話している金髪の天然パーマに黒いローブを羽織った女性の姿であった。

「…お前は…。」

スミレがそう呟くと、は振り返ってスミレの姿を見下ろした。

「…あら、無事…って程でもなさそうだけど、生きてたのね。スミレ・エレーナ。
私は"七魔団"の東雲 香織しののめ かおり
勘違いしないでね。助けたわけじゃない。
紘紀くんの命通り、"七天使"を倒しに来ただけだから。」

東雲はそう言うと、プイッと振り返って再びシホ・エレーナを睨みつけた。

「…紘紀くんの使命のために…貴方を葬りに来たわ。"七天使"さん。」



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