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第一章
第66話 毒ぶ……いや、ポーションを作ろう
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「坊主、助かったよ。
これは少ないけど褒章金だ。
大事なお金だから、お姉さんに預かってもらいなさい」
そう告げると、その兵士は麻袋でできた掌サイズの包みを差し出した。
つづいて、隣のシェーナに向かってにっこり微笑む。
かなりわざとらしいな、おい。
なお、これは盗品を販売していた商人を通報したご褒美であり、お姉さんとはシェーナのことであろう。
どうやら腹違いか何かで種族の違う姉だと思っているらしい。
そういう家族も、この世界では珍しくないのだ。
「うん、おじさんありがとう!」
「……おじさん」
俺がわざとおじさんと呼ぶと、おそらくまだ二十代であろう兵士の眉間に皺が生まれる。
しかも、シェーナがプッと笑うと目に見えてうろたえた。
やっぱりおまえ、シェーナを狙っていたかよ。
おおかた、報奨金を俺に渡したのも、俺を手懐けたかったのだろうな。
そして俺を出しにしてシェーナの関心を誘いたかったのだろうが……いろんな意味でご愁傷様である。
すると、がっくりとうなだれる兵士と入れかえにふっくらとした体型の中年紳士が前に進み出た。
「いやぁ、本当に助かりました」
彼は礼を述べながら微笑むと、俺とシェーナの手を順番に握る。
こちらは紳士らしく、あまり下心を感じなかった。
まぁ、比較的に……ではあるが。
むしろシェーナのレベルの美少女の手を握って心がざわめかないほうがむしろ怖いし。
「いえ、そちらも無事に家宝が戻ってなによりですわ」
さすがにここで子供にしか見えない俺が口を出すのもおかしいので、会話のやり取りはシェーナに任せるほうがいいだろう。
おれはただの六歳児のふりをする。
しばらくそうやって話の成り行きを傍観していると、ふいに思い出したかのように商人が手をパンとたたいた。
「ところで、あの市場にいたのは何かお探しのものがあったからだったとか?」
「じつは薬草から薬をつくるための道具を探していたのです。
今、この町には火傷で苦しんでいる方がたくさんいるはず。
なので、そんな方々のために弟が何かできる事はないかと考えまして……。
弟は神官の見習いで、薬学を学んでおりますのよ」
すると、紳士はにっこりと笑って俺の頭をなでた。
そしてその柔らかでさらさらした感触に目を細める。
「実にに尊い志ですな。
よろしければ、私どもの商品のなかから良いものをそろえさせていただきましょう。
私はこれでもこの町ではそこそこ名の知れた商家の者でしてな。
なに、御代はけっこうです。
これは、神と未来の神官への喜捨と思ってください」
「では、ありがたく……」
そんなわけで、俺は予定外の方向から薬草つくりの道具を手に入れた。
なお、紳士が俺の頭の上からなかなか手をはなさなかったのはどういうことだろうか。
別れ際の、なんとも切なげな表情が妙に脳裏から離れなかった。
そんなことを思い出していると、ボスッと音を立てて髪の毛の中に何か入ってくる。
「たしかにこの感触は癖になるわね」
「お前までなでるな、シェーナ。
俺は抱き枕じゃない」
「あら、そのサラサラとした髪の手触りと艶、ヌイグルミにしたらきっと売れるわよ」
「そんな予定はないぞ」
頭に触ろうとするシェーナの手を跳ね除けつつ、俺は商人からもらった道具を荷台に乗せて森に向かった。
なぜなら、この魔導書に載っている傷薬は街の中じゃ作れないからだ。
……もうすこしお手軽な方法はなかったのかねぇ。
ラノベだと、呪文ひとつでとか画面にタッチするだけとか定番なのに。
「さて、この辺でいいか。
ここなら人目にもつかないだろう」
俺は台車から荷物を降ろし、魔導書を開いて薬作りの手順をなぞる。
「えーっと、まず最初に全部の道具を聖別するんだっけ。
精霊レクスシェーナの名において、我が助けになるは正しきなり……と」
最初の作業として、俺は草をつぶす乳鉢や敷き布、薬を入れる瓶にいたるまでひとつずつ念入りに魔術をかけた。
この薬を作る魔術というのは、複雑な手順を踏まなくてはならない儀式魔術というタイプの奴で、とかく手順が面倒なのだ。
「次に壷の中に水をいれる。
そして水を清める呪文を唱えよ。
……水よ、精霊レクスシェーナの祝福を受け入れよ。
汝は命を溶かし育む水なり」
俺が呪文を唱えると、壷の中の水が青く輝きだす。
余談だが、この光はある程度魔術の修行を積んだものにしか見えない代物らしい。
なんで俺にも見えるのかって?
ほら、俺って人間じゃなくて、神獣スフィンクスの亜種だし。
これでもけっこう特別な存在らしいのよ。
さて、水に十分な魔力が行き渡ったら、こんどは触媒となる草をつぶして壷の中に入れる。
この時も呪文が必要だ。
本当に面倒くさ……うわ、いま壷に入れた草が一瞬で溶けて消えたぞ。
これ、ヤバいものなんじゃないか?
なにはともあれ、これで手順の大半がおわった。
「あとは、この壷を魔法陣の真ん中において、レクスシェーナの名を刻んだ杖で壷の中身をかき混ぜるだけ……と」
実を言うと、壷の中に入れた薬草は魔術の固定剤であり、それ自体には人を癒す効果がまったくない。
シェーナの扱う傷薬は、魔術を固定する液体の中に回復魔術を付与するという理論によって作られるのだ。
さらに、人の傷を癒すために必要な膨大な魔力を補うため、魔法陣を使って周囲の植物から生命力を吸い取るという、なかなかにエグい仕様である。
何度も使えば、周囲を雑草ひとつ生えない砂漠に変えてしまうだろう。
その分術の負担は軽いのだが、まったくもって恐ろしい魔術だ。
ちなみに、魔法陣を変えればネズミやハトを生贄にして同じ効果を出すことも可能だが、それはちょっと使いたくはなかった。
いや、なんというか、それはもはや黒魔術っぽくてさ。
「しかし……子供の体は不便だな。
よいしょっと」
俺は足元に転がっている踏み台を持ち上げ、壷の横に置く。
用意した壷が俺の背丈より高いため、踏み台を使わないと壷の中身を混ぜることができないのだ。
「トシキ、ちゃんと気をつけて混ぜるのよ。
足滑らせて、自分が薬の材料になったりしないようにね」
「……そんな事いって後ろから押すとかやるなよ。
これはフリじゃないからな」
シェーナが、ベテランお笑い芸人の鉄板ネタを知っているはずがないと知りながらも、俺は何度も後ろを振り返る。
さっき、草が一瞬で溶けて消えた光景が目に焼きついて離れないんだよ!
たぶん、この中に落とされたら俺も一瞬で溶けるに違いない。
おい、そのニヤニヤ顔やめろ。
ものすごく不安になるから。
そして数十分後。
壷の中身が粘っこくなり、中の物質は周囲の植物の生命力を十分に吸収したらしくその色をかえていた。
火傷にも傷にも効く外傷治療薬の完成である。
「なぁ、これ本当に薬なのか?」
だが、その完成品を見て俺の口から思わずそんな呟きが漏れた。
「失礼ね。
なんだったら、あんたの体で効果を確かめてあげましょうか?」
フィーナが怒るのも無理はない。
たしかに今のは俺の失言だった。
だが、これは仕方がないだろう?
なにせ……。
出来上がった薬は紫の蛍光色をしたゲル状物質だったのだから。
これは少ないけど褒章金だ。
大事なお金だから、お姉さんに預かってもらいなさい」
そう告げると、その兵士は麻袋でできた掌サイズの包みを差し出した。
つづいて、隣のシェーナに向かってにっこり微笑む。
かなりわざとらしいな、おい。
なお、これは盗品を販売していた商人を通報したご褒美であり、お姉さんとはシェーナのことであろう。
どうやら腹違いか何かで種族の違う姉だと思っているらしい。
そういう家族も、この世界では珍しくないのだ。
「うん、おじさんありがとう!」
「……おじさん」
俺がわざとおじさんと呼ぶと、おそらくまだ二十代であろう兵士の眉間に皺が生まれる。
しかも、シェーナがプッと笑うと目に見えてうろたえた。
やっぱりおまえ、シェーナを狙っていたかよ。
おおかた、報奨金を俺に渡したのも、俺を手懐けたかったのだろうな。
そして俺を出しにしてシェーナの関心を誘いたかったのだろうが……いろんな意味でご愁傷様である。
すると、がっくりとうなだれる兵士と入れかえにふっくらとした体型の中年紳士が前に進み出た。
「いやぁ、本当に助かりました」
彼は礼を述べながら微笑むと、俺とシェーナの手を順番に握る。
こちらは紳士らしく、あまり下心を感じなかった。
まぁ、比較的に……ではあるが。
むしろシェーナのレベルの美少女の手を握って心がざわめかないほうがむしろ怖いし。
「いえ、そちらも無事に家宝が戻ってなによりですわ」
さすがにここで子供にしか見えない俺が口を出すのもおかしいので、会話のやり取りはシェーナに任せるほうがいいだろう。
おれはただの六歳児のふりをする。
しばらくそうやって話の成り行きを傍観していると、ふいに思い出したかのように商人が手をパンとたたいた。
「ところで、あの市場にいたのは何かお探しのものがあったからだったとか?」
「じつは薬草から薬をつくるための道具を探していたのです。
今、この町には火傷で苦しんでいる方がたくさんいるはず。
なので、そんな方々のために弟が何かできる事はないかと考えまして……。
弟は神官の見習いで、薬学を学んでおりますのよ」
すると、紳士はにっこりと笑って俺の頭をなでた。
そしてその柔らかでさらさらした感触に目を細める。
「実にに尊い志ですな。
よろしければ、私どもの商品のなかから良いものをそろえさせていただきましょう。
私はこれでもこの町ではそこそこ名の知れた商家の者でしてな。
なに、御代はけっこうです。
これは、神と未来の神官への喜捨と思ってください」
「では、ありがたく……」
そんなわけで、俺は予定外の方向から薬草つくりの道具を手に入れた。
なお、紳士が俺の頭の上からなかなか手をはなさなかったのはどういうことだろうか。
別れ際の、なんとも切なげな表情が妙に脳裏から離れなかった。
そんなことを思い出していると、ボスッと音を立てて髪の毛の中に何か入ってくる。
「たしかにこの感触は癖になるわね」
「お前までなでるな、シェーナ。
俺は抱き枕じゃない」
「あら、そのサラサラとした髪の手触りと艶、ヌイグルミにしたらきっと売れるわよ」
「そんな予定はないぞ」
頭に触ろうとするシェーナの手を跳ね除けつつ、俺は商人からもらった道具を荷台に乗せて森に向かった。
なぜなら、この魔導書に載っている傷薬は街の中じゃ作れないからだ。
……もうすこしお手軽な方法はなかったのかねぇ。
ラノベだと、呪文ひとつでとか画面にタッチするだけとか定番なのに。
「さて、この辺でいいか。
ここなら人目にもつかないだろう」
俺は台車から荷物を降ろし、魔導書を開いて薬作りの手順をなぞる。
「えーっと、まず最初に全部の道具を聖別するんだっけ。
精霊レクスシェーナの名において、我が助けになるは正しきなり……と」
最初の作業として、俺は草をつぶす乳鉢や敷き布、薬を入れる瓶にいたるまでひとつずつ念入りに魔術をかけた。
この薬を作る魔術というのは、複雑な手順を踏まなくてはならない儀式魔術というタイプの奴で、とかく手順が面倒なのだ。
「次に壷の中に水をいれる。
そして水を清める呪文を唱えよ。
……水よ、精霊レクスシェーナの祝福を受け入れよ。
汝は命を溶かし育む水なり」
俺が呪文を唱えると、壷の中の水が青く輝きだす。
余談だが、この光はある程度魔術の修行を積んだものにしか見えない代物らしい。
なんで俺にも見えるのかって?
ほら、俺って人間じゃなくて、神獣スフィンクスの亜種だし。
これでもけっこう特別な存在らしいのよ。
さて、水に十分な魔力が行き渡ったら、こんどは触媒となる草をつぶして壷の中に入れる。
この時も呪文が必要だ。
本当に面倒くさ……うわ、いま壷に入れた草が一瞬で溶けて消えたぞ。
これ、ヤバいものなんじゃないか?
なにはともあれ、これで手順の大半がおわった。
「あとは、この壷を魔法陣の真ん中において、レクスシェーナの名を刻んだ杖で壷の中身をかき混ぜるだけ……と」
実を言うと、壷の中に入れた薬草は魔術の固定剤であり、それ自体には人を癒す効果がまったくない。
シェーナの扱う傷薬は、魔術を固定する液体の中に回復魔術を付与するという理論によって作られるのだ。
さらに、人の傷を癒すために必要な膨大な魔力を補うため、魔法陣を使って周囲の植物から生命力を吸い取るという、なかなかにエグい仕様である。
何度も使えば、周囲を雑草ひとつ生えない砂漠に変えてしまうだろう。
その分術の負担は軽いのだが、まったくもって恐ろしい魔術だ。
ちなみに、魔法陣を変えればネズミやハトを生贄にして同じ効果を出すことも可能だが、それはちょっと使いたくはなかった。
いや、なんというか、それはもはや黒魔術っぽくてさ。
「しかし……子供の体は不便だな。
よいしょっと」
俺は足元に転がっている踏み台を持ち上げ、壷の横に置く。
用意した壷が俺の背丈より高いため、踏み台を使わないと壷の中身を混ぜることができないのだ。
「トシキ、ちゃんと気をつけて混ぜるのよ。
足滑らせて、自分が薬の材料になったりしないようにね」
「……そんな事いって後ろから押すとかやるなよ。
これはフリじゃないからな」
シェーナが、ベテランお笑い芸人の鉄板ネタを知っているはずがないと知りながらも、俺は何度も後ろを振り返る。
さっき、草が一瞬で溶けて消えた光景が目に焼きついて離れないんだよ!
たぶん、この中に落とされたら俺も一瞬で溶けるに違いない。
おい、そのニヤニヤ顔やめろ。
ものすごく不安になるから。
そして数十分後。
壷の中身が粘っこくなり、中の物質は周囲の植物の生命力を十分に吸収したらしくその色をかえていた。
火傷にも傷にも効く外傷治療薬の完成である。
「なぁ、これ本当に薬なのか?」
だが、その完成品を見て俺の口から思わずそんな呟きが漏れた。
「失礼ね。
なんだったら、あんたの体で効果を確かめてあげましょうか?」
フィーナが怒るのも無理はない。
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