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1章
殿下の様子が可笑しい
しおりを挟む今日もいつものように図書館で本読む
窓辺は私の特等席、
と、言っても図書館は私しかいない
静かな空間で一人ただポツンと座る
「あの頃が絶好機だったのかしらね。」
昔は、明るいはずだった。
でも、ある日を境に何かが欠けているような生活になった。
それからか、カイルに執着し始めたのは
何かに縋らないと、生きていけない
ふと、窓から噴水を見る。
カイルが一人の女の子と楽しく談笑している。顔は見えないが美しい黒髪
何故だろう、彼女を見たくない。
もう、帰ろう、
ここにいてもしょうがない。
なぜあんな、醜い顔をしてしまうの私は
反射した自分の顔は歪んでいた。
まるで、悪女、
あの顔に相応しい言葉だ
冷酷
皆からそう思われても仕方ない
愛想良くすればいい話、
もうキャラが定着しているから、無理か
相応しい女になりたい。
誰もが認める、
そんな人間になりたいのに、
本当に私は臆病な出来損ない
自分に自信が持てない
誰か、私を褒めて欲しい、
「お似合いよね。カイル様と 様」
「えぇ、本当ね。私も彼女を見た時、すごく綺麗で儚い御方だと思った」
「すごく素敵な御二方」
やめて、
言わないで、お願い
私がどんどん惨めになるから、もう、やめて、
あの時、
本当は誰の名前が呼ばれていたのか、
なんて私には分からない
でも、聞こえなかった
いや、
聞きたくなかったから聞こえないふりをした。ノイズが走る
雑音は嫌い、
応援ありがとうございます!
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