隊員の内部事情

元次三蔵

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SP  受け入れ準備

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 コンコン。
「入るぞ」
「お疲れさまです!」
「明日から新隊員入ってくるけど、部屋の準備できてるか?」

 9月28日に来る新隊員のために現在営内では部屋の整理整頓と受け入れ準備に勤しんでいた。娑婆で言うところの新入社員みたいなもんだ。

「はいっ! 部屋の整理整頓とベッドの準備バッチリです!」
「了解。明日から来るから心の準備しとくように。特に西田」
「はいっ!」
 
 顎で指された西田は大きく返事をした。
 西田は去年配属されたばかりの一等陸士である。これがまた変わったやつで軍事ものが大好きないわゆるミリオタというやつだ。車両や戦車の名前なら俺より遥かに知っている。

 実際に西田を初めて駆け足がてら駐屯地を案内したときは8割はあいつが喋っていた。

「明日来ちゃいますね」
 1つ下の後輩 久城が言った。
「あぁ、今年も来るぞ」
「広報も適当なやつ入隊させるなよなぁ!」
「最近の子は正直めんどくさい。根性無い上に無駄にパワハラなどの知識だけはあるからなぁ」
「あと、親も出てくるじゃないですか! モンスターペアレンツ。まじモンスペ」
 俺はモンスペという言葉に大爆笑した。
「引っ張っても自分に帰ってくるからな。もはやこっちがパワハラ受けてるよ」

 毎年入ってくる新隊員は個性的な奴ばかりでこの時期の班長たちは受け入れるのに心の準備と書類整理に忙しい。まさしくこの俺、佐々木健吾も班長の1人として準備に取りかかっている。

「さて、ある程度落ち着いたな。もう消灯時間か。明日に向けて寝るかな」

 明日来る新隊員はまともな奴でありますようにと願いながら俺は寝床についた。
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