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PP1 配属の前夜
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「ようやく終わったぁー!」
同期の細川が大声で叫んでいた。
「マジで長かったわ。これでようやく1人前かぁ」
もう1人の同期、太田も細川につられて声を大にしていた。
この2人は高校からの同級生でいつもつるんでいる。
細川は名前と反してゴリゴリの筋肉質。アダ名は「ゴリ川」。太田はぺらっぺらのぺら男。アダ名は・・・・・・特にない。二人合わせて「マッキー」と呼ばれている。いわゆるマッキーペンが由来だ。よく自衛隊では自分のものにマッキーで名前を書く。その際班長が「お前ら太いと細いからマッキーだな」で今に至る。
今まさに新隊員教育という半年間のシゴキを終えて部隊配属を明日に控え、最後の同期会(と言っても茶話会)を行っている最中である。班長達は最後だからと気をつかい同期だけで楽しめと言っていたが、私服を来ていたため外で宴会するんだなとすぐ察した。
「マッキー達は同じ中隊でいいなぁ」
「マッキーって呼ぶな!!」
細川の声に皆の笑いが響く。
「ほんとだよね。俺なんて同じ区隊の奴いないよ」
「俺は松木と一緒だけどなんせ5中隊配属だぜ・・・・・・」
「マジっ!? 5中!? 俺先輩からあそこは殴る蹴る当たり前の中隊だって聞いたぜ」
「俺んとこの1中もパワハラやばいって・・・・・・」
根も葉も無いような話が飛び交う。そんなことより早く部隊配属したいな。と思いながら俺はこの半年を振り返った。そしてため息をついた。
正直新隊員教育はガッカリした。別に俺はミリオタではないが、それでも自衛隊に入るからと思い、戦争映画を何作か見て胸が熱くなるところはあった。特に「アメリカンスナイパー」を見たときは、シールズを目指す隊員達が過酷な訓練の中、教官から水と罵声を浴びせられながらも士気の高い仲間たちと共に苦しみを乗り越える!そして卒業と共に戦場へ行き・・・・・・。はぁ、長くなるから以下略。
とにかく、もっとこれが軍隊か!!みたいなものが欲しかったのだ。シールズの訓練に比べれば新隊員教育は戦争ごっこみたいに感じた。そしてまたため息がでた。
「おいっ!! 禿、何ため息ついてんだよ! 明日から同じ中隊だから頑張ろうぜ!」
太田が絡んできた。
「ハゲじゃない!! カムロだ!!」
「禿 尊」と書いて「カムロタカシ」という名前だ。珍しい苗字のため誰しもが最初は間違える・・・・・・てか読めない。読めるけど、絶対違うという本能的なものが働き読めない。だからほとんどは自分から言う。唯一まともに呼ばれたのは高校の時の古文の先生だけだ。あの時は初めてちゃんと呼ばれたため、「カムロ」と呼ばれたのに「カムロです」と言い返し変な空気になったことは今でも忘れない。
「いやいや、カムロって呼んだじゃん」
細川もでてきた。
「今お前の心の声が聴こえたんだよ! マッキーと一緒だからため息ついただけだ」
「マッキーじゃぁねぇよ! ハゲ!」
細川と太田のハモりツッコミに皆笑った。
ようやく明日から始まる俺の自衛隊人生。高鳴る気持ちを胸に俺はベットに入った。
同期の細川が大声で叫んでいた。
「マジで長かったわ。これでようやく1人前かぁ」
もう1人の同期、太田も細川につられて声を大にしていた。
この2人は高校からの同級生でいつもつるんでいる。
細川は名前と反してゴリゴリの筋肉質。アダ名は「ゴリ川」。太田はぺらっぺらのぺら男。アダ名は・・・・・・特にない。二人合わせて「マッキー」と呼ばれている。いわゆるマッキーペンが由来だ。よく自衛隊では自分のものにマッキーで名前を書く。その際班長が「お前ら太いと細いからマッキーだな」で今に至る。
今まさに新隊員教育という半年間のシゴキを終えて部隊配属を明日に控え、最後の同期会(と言っても茶話会)を行っている最中である。班長達は最後だからと気をつかい同期だけで楽しめと言っていたが、私服を来ていたため外で宴会するんだなとすぐ察した。
「マッキー達は同じ中隊でいいなぁ」
「マッキーって呼ぶな!!」
細川の声に皆の笑いが響く。
「ほんとだよね。俺なんて同じ区隊の奴いないよ」
「俺は松木と一緒だけどなんせ5中隊配属だぜ・・・・・・」
「マジっ!? 5中!? 俺先輩からあそこは殴る蹴る当たり前の中隊だって聞いたぜ」
「俺んとこの1中もパワハラやばいって・・・・・・」
根も葉も無いような話が飛び交う。そんなことより早く部隊配属したいな。と思いながら俺はこの半年を振り返った。そしてため息をついた。
正直新隊員教育はガッカリした。別に俺はミリオタではないが、それでも自衛隊に入るからと思い、戦争映画を何作か見て胸が熱くなるところはあった。特に「アメリカンスナイパー」を見たときは、シールズを目指す隊員達が過酷な訓練の中、教官から水と罵声を浴びせられながらも士気の高い仲間たちと共に苦しみを乗り越える!そして卒業と共に戦場へ行き・・・・・・。はぁ、長くなるから以下略。
とにかく、もっとこれが軍隊か!!みたいなものが欲しかったのだ。シールズの訓練に比べれば新隊員教育は戦争ごっこみたいに感じた。そしてまたため息がでた。
「おいっ!! 禿、何ため息ついてんだよ! 明日から同じ中隊だから頑張ろうぜ!」
太田が絡んできた。
「ハゲじゃない!! カムロだ!!」
「禿 尊」と書いて「カムロタカシ」という名前だ。珍しい苗字のため誰しもが最初は間違える・・・・・・てか読めない。読めるけど、絶対違うという本能的なものが働き読めない。だからほとんどは自分から言う。唯一まともに呼ばれたのは高校の時の古文の先生だけだ。あの時は初めてちゃんと呼ばれたため、「カムロ」と呼ばれたのに「カムロです」と言い返し変な空気になったことは今でも忘れない。
「いやいや、カムロって呼んだじゃん」
細川もでてきた。
「今お前の心の声が聴こえたんだよ! マッキーと一緒だからため息ついただけだ」
「マッキーじゃぁねぇよ! ハゲ!」
細川と太田のハモりツッコミに皆笑った。
ようやく明日から始まる俺の自衛隊人生。高鳴る気持ちを胸に俺はベットに入った。
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