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新学期編

小西杏は起こしたい

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「おはよう、時斗」

俺が目を覚ますと顔の目の前に杏がいた。

「っ!?あ、杏!?」

なんかタメ語になってるし。ていうか、

「なんでお前馬乗りになってんだよ!?」

「時斗を起こそうとしたんだよ」

「そんな起こし方あるか!」

本当、心臓ヤバいんですけど!早く退いてくれ!

「なぁ、流石にこの体勢はやばくないか?」

冷静に対処。

「私、時斗にだったら、あげてもいいよ?」

「そういう問題じゃねえ!てゆか、杏は可愛いんだ

から、もっと自分を大切にしろよ?」

「ふぁ!?う、うん」

俯く杏。うわぁ。俺青春してるわぁ!

「「「「「ジィーーー」」」」」 

気づくと俺と杏は他の四人にガン見されていた。

「あ、おうお前ら起きてたのか」

「そりゃ起きるわね」

と雪。

「むぅーーーー」

と日和。

「楽しんでるね。ホッシー」

と光。

そして無言で俺に白い衣を着せてくる咲。

「なぁ、咲。何してんだ?」

「じっとしててください。今から儀式行うので」

「儀式?」

俺が尋ねるが早いか、咲は日本刀を腰に携えた。

「なぁ、咲?咲さん?」

「成敗!」

俺の鼻の先の近くを刀が通り過ぎる。

これヤバいやつじゃん!

「動かないでくださいよ?」

咲が俺によってくる。

「時斗君!咲ちゃんを抱きしめてあげて!」

突然雪に言われる。

「なんでだよっ!」

「とりあえず!いいからはやく!」

はぁ、やってみるか。

気持ちを引き締めた俺は、咲を抱きしめた。

「時斗様!?な、何を」

慌てる咲。どうやら戻ったようだ。

ふぅ。まじで焦った。

安堵の雰囲気になった部屋に、先生が入ってくる。

「みんな起きてるぞ?早くお前らも飯食いに行け」

どうやら寝坊扱いらしい。

「なぁ、星野君よぉ。このあと一緒に来てくれね?

あ、君に選ぶ権利なしね」

「そうそう、杏ちゃんに手ぇ出しちゃうかもだ

し?」

下に飯を食べに行くなり昨日のいじめっ子に声をか

けられる。

三人でくるあたりケンカ弱いのか?

「分かった。杏には手を出すなよ?」

とりあえず従うことにした。

当然、切り札を持って。

ご飯が終わると、

「ちょっとトイレ行ってくる」

と言って、班から離れ、昨日の場所に行く。

昨日の三人がいた。女子はお留守番のようだ。

「おー、ちゃんとくるじゃん。俺の勝ちね!」

「ちぇ、こねぇと思ってたのになぁ」

「来んなよお前さ」

着くなり言われたい放題である。

「んで?何の用だ?まさか三人がかりで一人をボコ

ろうって話か?」

「いいや?ちょっと口止めがわりに、いたぶろうと

思ってな。チクってないよな?」

「チクった方がよかったか?」

余裕をぶっこく。ここで下手に出てはいけない。

「てめぇ、なめてんのか?」

「やっちゃおうぜ?」

「先生にバレない程度にな」

やっぱこうなるか。

しょうがない、あれを出すか。

そうして俺は秘密兵器を出すのだった。

「なぁ、ちょっと聞いてくれよ」

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