8 / 15
第2章 出会い
8
しおりを挟む
驚いて固まっている俺をよそに眼鏡をかけた知らない男の人が緊張した面持ちで話しかけてきた。
「お話中失礼いたします。私、この4人のグループ Dahliaのマネージャーをさせていただいております、高木と申します」と知らない男、高木さんは名刺を差し出しながら軽く頭を下げた。
高木さん?高木さん、、から名刺を受け取り、まじまじとその紙面を見つめる。この人たちのグループDahliaって言うんだ。ダリアって確か花の名前だった気がする。などと少し現実逃避しながらチラッと4人の人を見る。
うわぁ、やっぱり近くで見るとすごいイケメン。それぞれが違う分野の顔の整い方をしている。モデルでも通用するくらいかっこいいし。演奏も上手なんだよなぁ。しかし、4人の顔はステージ上で見た顔とは違い、翳りがある。4人とも悲痛なそれでいて気まずそうな顔で俺を見つめているが、中でもドラムを叩いていた銀髪の人は翳りがあるを通り越していっそ顔色が真っ青だ。怪我人である俺が大丈夫?と声をかけたくなるレベルで。
といろいろ考えてそっと銀髪の人に声をかけようとすると、名刺と4人を眺める俺に意を決したように高木さんが話しかけてきた。
「あの、黒崎水樹様でお間違い無いでしょうか。」の問いかけになんとも言えない気の抜けた「はあ」と言う返答をしてしまったのはしょうがないことである。
「こ、この度はメンバーの軽率な行動により怪我を負わせてしまったことを深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした!」と高木さんが高らかにいいガバッと頭を下げた。それはもう綺麗な直角90度で惚れ惚れするほどである。つむじが見える。
高木さんに習うようワンテンポ遅れ4人が
「「「「すいませんでした」」」」とガバッと頭を下げた。これまた綺麗な直角90度。みんなして俺の近くで勢いよく頭をふるもんだからシャンプーなのかよくわからないがいい香りがふわり、と漂ってくる。いい匂いだなぁ、きっとお高いの使ってるんだろうなぁ。などと、違うことを考えどうしたらいいか分からず「え、えっと、あの」とオロオロしていると、大貴が不機嫌そうな顔をして頭を下げる5人を見つめ、それから俺のほうを向いて言った。
「謝罪してるが、どうするんだ?俺は許さなくてもいいと思うぞ、っていうか水樹が許したとしても俺は許さない。たとえわざとじゃなかったにしろお前に消えない傷を負わせたんだ」険しい顔をしながら俺を見つめる。
でも、この人たちは大好きな演奏を心から楽しんでただけだと思う。そりゃドラムスティックを投げるのは少し危ないとは思うけど。でも、あのライブすごい楽しそうだった。笑顔がキラキラして汗が光って全力で突っ走ってる感じがして……うん、やっぱり俺またあのライブ行きたいしこの人たちの演奏もっと聞きたい。こんな翳りがある顔じゃなくてキラキラした笑顔が見たい。
と悶々と考えていると俺の沈黙が長かったのか、高木さんがそろりそろりと頭を上げ
「もちろん、こちらとしましては慰謝料としてそれ相応の金額をお支払いして償おうとは思いますが、それ以外にもダリアの活動は無期限停止で黒崎様の承諾がなければ演奏もしないようにいたします。それと、黒崎様の生活の支援も私たちが保証いたします。本当にもうしわけ……」とまた謝罪を続けようとする高木さんの言葉に「ちょ!ちょっと待って!」とストップをかけた。
「えーっと、慰謝料?はまだわかるとして、いや、治療費とかもだしてもらってるからそんなに大丈夫ですし。それに活動が無期限停止って?それに何で俺の承諾が必要になるんですか?」なんか大ごとになりすぎてよく分からなくなってきた。
「いえ、慰謝料は必ずきっちりとお支払い致します。無期限停止の方は演奏中に黒崎様にけがを負わせてしまいましたので、黒崎様がダリアの曲を聴いて嫌な思いをするかもしれないと思いましたのでそうさせていただきました」
「いやいや!俺みなさんの曲聴いて嫌な気持ちなんてならないですし!それに俺、初めて皆さんのライブに行ったけどあんな楽しいことがあるんだって初めて知りました。何よりみなさんがすごい楽しそうに演奏するところが好きになりました。それがまた見れなくなるなんて嫌です!俺の承諾が必要なら今からもうしていいです!活動停止は終了です!」とズイズイと高木さんに詰め寄り訴える。
「黒崎様ッ。なんてお優しい方、私これからどうなるのか心配でしたが黒崎様がこんなに慈悲深い方だとは。いえ!これからはもう黒崎様のお心に添えるよう今一度精進します!そして黒崎様の片目となるよう私たちが生活の支援をさせていただきます!」俺に負けず劣らず高木さんもズイズイとくる。「は、はぁ、」と高木さんの圧に負けぎこちなく頷く。
「ご両親にもここへ来る途中謝罪とお話をさせていただきましたが、支援に関しては快く快諾してくださいました。詳しいお話をまたさせていただきますので黒崎様はゆっくりと体を休めていてください。私はご両親へもう一度説明に参ります。」と高木さんは俺が謝罪を受け入れたことに安心したのか、さっきまでとは違い流暢に話す。「これからは、何かと交流があるかと思いますのでダリアを少し置いておきます」と言いさっさと病室を出て行ってしまう。
そして今まで黙って話を聞いていた大貴がなぜか顔を真っ青にして慌てて高木さんを追って行った。
え?えっと、生活の支援?それって何するの?っていうかもう両親に承諾してもらったって何してるの父さんたち!
大貴は走ってどっか行っちゃうし、話の内容わけわかんないし
っていうかこんなイケメンさんたちを置いていかないで!高木さん!
「お話中失礼いたします。私、この4人のグループ Dahliaのマネージャーをさせていただいております、高木と申します」と知らない男、高木さんは名刺を差し出しながら軽く頭を下げた。
高木さん?高木さん、、から名刺を受け取り、まじまじとその紙面を見つめる。この人たちのグループDahliaって言うんだ。ダリアって確か花の名前だった気がする。などと少し現実逃避しながらチラッと4人の人を見る。
うわぁ、やっぱり近くで見るとすごいイケメン。それぞれが違う分野の顔の整い方をしている。モデルでも通用するくらいかっこいいし。演奏も上手なんだよなぁ。しかし、4人の顔はステージ上で見た顔とは違い、翳りがある。4人とも悲痛なそれでいて気まずそうな顔で俺を見つめているが、中でもドラムを叩いていた銀髪の人は翳りがあるを通り越していっそ顔色が真っ青だ。怪我人である俺が大丈夫?と声をかけたくなるレベルで。
といろいろ考えてそっと銀髪の人に声をかけようとすると、名刺と4人を眺める俺に意を決したように高木さんが話しかけてきた。
「あの、黒崎水樹様でお間違い無いでしょうか。」の問いかけになんとも言えない気の抜けた「はあ」と言う返答をしてしまったのはしょうがないことである。
「こ、この度はメンバーの軽率な行動により怪我を負わせてしまったことを深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした!」と高木さんが高らかにいいガバッと頭を下げた。それはもう綺麗な直角90度で惚れ惚れするほどである。つむじが見える。
高木さんに習うようワンテンポ遅れ4人が
「「「「すいませんでした」」」」とガバッと頭を下げた。これまた綺麗な直角90度。みんなして俺の近くで勢いよく頭をふるもんだからシャンプーなのかよくわからないがいい香りがふわり、と漂ってくる。いい匂いだなぁ、きっとお高いの使ってるんだろうなぁ。などと、違うことを考えどうしたらいいか分からず「え、えっと、あの」とオロオロしていると、大貴が不機嫌そうな顔をして頭を下げる5人を見つめ、それから俺のほうを向いて言った。
「謝罪してるが、どうするんだ?俺は許さなくてもいいと思うぞ、っていうか水樹が許したとしても俺は許さない。たとえわざとじゃなかったにしろお前に消えない傷を負わせたんだ」険しい顔をしながら俺を見つめる。
でも、この人たちは大好きな演奏を心から楽しんでただけだと思う。そりゃドラムスティックを投げるのは少し危ないとは思うけど。でも、あのライブすごい楽しそうだった。笑顔がキラキラして汗が光って全力で突っ走ってる感じがして……うん、やっぱり俺またあのライブ行きたいしこの人たちの演奏もっと聞きたい。こんな翳りがある顔じゃなくてキラキラした笑顔が見たい。
と悶々と考えていると俺の沈黙が長かったのか、高木さんがそろりそろりと頭を上げ
「もちろん、こちらとしましては慰謝料としてそれ相応の金額をお支払いして償おうとは思いますが、それ以外にもダリアの活動は無期限停止で黒崎様の承諾がなければ演奏もしないようにいたします。それと、黒崎様の生活の支援も私たちが保証いたします。本当にもうしわけ……」とまた謝罪を続けようとする高木さんの言葉に「ちょ!ちょっと待って!」とストップをかけた。
「えーっと、慰謝料?はまだわかるとして、いや、治療費とかもだしてもらってるからそんなに大丈夫ですし。それに活動が無期限停止って?それに何で俺の承諾が必要になるんですか?」なんか大ごとになりすぎてよく分からなくなってきた。
「いえ、慰謝料は必ずきっちりとお支払い致します。無期限停止の方は演奏中に黒崎様にけがを負わせてしまいましたので、黒崎様がダリアの曲を聴いて嫌な思いをするかもしれないと思いましたのでそうさせていただきました」
「いやいや!俺みなさんの曲聴いて嫌な気持ちなんてならないですし!それに俺、初めて皆さんのライブに行ったけどあんな楽しいことがあるんだって初めて知りました。何よりみなさんがすごい楽しそうに演奏するところが好きになりました。それがまた見れなくなるなんて嫌です!俺の承諾が必要なら今からもうしていいです!活動停止は終了です!」とズイズイと高木さんに詰め寄り訴える。
「黒崎様ッ。なんてお優しい方、私これからどうなるのか心配でしたが黒崎様がこんなに慈悲深い方だとは。いえ!これからはもう黒崎様のお心に添えるよう今一度精進します!そして黒崎様の片目となるよう私たちが生活の支援をさせていただきます!」俺に負けず劣らず高木さんもズイズイとくる。「は、はぁ、」と高木さんの圧に負けぎこちなく頷く。
「ご両親にもここへ来る途中謝罪とお話をさせていただきましたが、支援に関しては快く快諾してくださいました。詳しいお話をまたさせていただきますので黒崎様はゆっくりと体を休めていてください。私はご両親へもう一度説明に参ります。」と高木さんは俺が謝罪を受け入れたことに安心したのか、さっきまでとは違い流暢に話す。「これからは、何かと交流があるかと思いますのでダリアを少し置いておきます」と言いさっさと病室を出て行ってしまう。
そして今まで黙って話を聞いていた大貴がなぜか顔を真っ青にして慌てて高木さんを追って行った。
え?えっと、生活の支援?それって何するの?っていうかもう両親に承諾してもらったって何してるの父さんたち!
大貴は走ってどっか行っちゃうし、話の内容わけわかんないし
っていうかこんなイケメンさんたちを置いていかないで!高木さん!
49
あなたにおすすめの小説
虐げられた令息の第二の人生はスローライフ
りまり
BL
僕の生まれたこの世界は魔法があり魔物が出没する。
僕は由緒正しい公爵家に生まれながらも魔法の才能はなく剣術も全くダメで頭も下から数えたほうがいい方だと思う。
だから僕は家族にも公爵家の使用人にも馬鹿にされ食事もまともにもらえない。
救いだったのは僕を不憫に思った王妃様が僕を殿下の従者に指名してくれたことで、少しはまともな食事ができるようになった事だ。
お家に帰る事なくお城にいていいと言うので僕は頑張ってみたいです。
【完結・続編別立】片想いの相手が「そろそろ恋愛したい」と言ったので、用済みの俺はニートになることにしました。
はぴねこ
BL
高校生の頃、片想いの親友に告白した。
彼はノンケだったから玉砕して友人関係も終わるものだと思っていた。
もしかすると気持ち悪いと軽蔑される覚悟までしていたのに、彼は「今は恋愛をしている時間がないんだ」と自分の夢を語ってくれた。
彼は会社を興した祖父のことをとても尊敬していて、自分も起業したいと熱く語ってくれた。
そして、俺の手を握って「できれば親友のお前には俺の右腕になってほしい」と言われた。
同性愛者の俺のことを気持ち悪いと遠ざけることもせずに、親友のままでいてくれた彼に俺は感謝して、同じ大学に進学して、大学の頃に彼と一緒にゲームを作成する会社を起業した。
あれから二十年間、本当に二人三脚で駆け抜けてきた。
そして、昨年売り出したVRMMOが世界的に大ヒットし、ゲーム大賞を取ったことを祝うパーティーで親友が語った言葉に俺の覚悟も決まった。
「俺もそろそろ恋愛したい」
親友のその言葉に、俺は、長年の片想いを終わらせる覚悟をした。
不憫な拗らせアラフォーが”愛”へと踏み出すお話です。
拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件
碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。
状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。
「これ…俺、なのか?」
何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。
《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》
────────────
~お知らせ~
※第3話を少し修正しました。
※第5話を少し修正しました。
※第6話を少し修正しました。
※第11話を少し修正しました。
※第19話を少し修正しました。
※第22話を少し修正しました。
※第24話を少し修正しました。
※第25話を少し修正しました。
※第26話を少し修正しました。
※第31話を少し修正しました。
※第32話を少し修正しました。
※第33話を少し修正しました。
────────────
※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!!
※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。
ひみつのモデルくん
おにぎり
BL
有名モデルであることを隠して、平凡に目立たず学校生活を送りたい男の子のお話。
高校一年生、この春からお金持ち高校、白玖龍学園に奨学生として入学することになった雨貝 翠。そんな彼にはある秘密があった。彼の正体は、今をときめく有名モデルの『シェル』。なんとか秘密がバレないように、黒髪ウィッグとカラコン、マスクで奮闘するが、学園にはくせもの揃いで⁉︎
主人公総受け、総愛され予定です。
思いつきで始めた物語なので展開も一切決まっておりません。感想でお好きなキャラを書いてくれたらそことの絡みが増えるかも…?作者は執筆初心者です。
後から編集することがあるかと思います。ご承知おきください。
うちの家族が過保護すぎるので不良になろうと思います。
春雨
BL
前世を思い出した俺。
外の世界を知りたい俺は過保護な親兄弟から自由を求めるために逃げまくるけど失敗しまくる話。
愛が重すぎて俺どうすればいい??
もう不良になっちゃおうか!
少しおばかな主人公とそれを溺愛する家族にお付き合い頂けたらと思います。
初投稿ですので矛盾や誤字脱字見逃している所があると思いますが暖かい目で見守って頂けたら幸いです。
※(ある日)が付いている話はサイドストーリーのようなもので作者がただ書いてみたかった話を書いていますので飛ばして頂いても大丈夫です。
※度々言い回しや誤字の修正などが入りますが内容に影響はないです。
もし内容に影響を及ぼす場合はその都度報告致します。
なるべく全ての感想に返信させていただいてます。
感想とてもとても嬉しいです、いつもありがとうございます!
従者は知らない間に外堀を埋められていた
SEKISUI
BL
新作ゲーム胸にルンルン気分で家に帰る途中事故にあってそのゲームの中転生してしまったOL
転生先は悪役令息の従者でした
でも内容は宣伝で流れたプロモーション程度しか知りません
だから知らんけど精神で人生歩みます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる