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第二幕 トヴォー王国
9. 勲章
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会場のざわめきが、やがて歓声のうねりへと変わっていく。トヴォー王が会場に現れ、表彰台に進み出る。王自らが勲章を掲げ、厳かに言葉を告げた。
「トヴォー国王の名において、汝に"王冠瑠璃勲章"を授ける。副賞として金貨百枚。」
真ん中に青い宝石がはめられた立派な勲章を胸に付けてもらった。
義父から聞いた話だと、この勲章は戦中に武功を挙げた者に授けられるものらしく、上から三番目に権威ある勲章だ。大会の後のパーティーには必ず着けていくようにも言われた。表彰式を終えた私たちは、パーティーの準備のため、一旦タウンハウスへ戻ることになった。石畳を走る馬車の窓から、カラフルなとんがり屋根が続く街並みが流れていく。
「義父上、女性の優勝者は初めてですって。魔力量は体力と違って男女差がほとんどないのに、不思議ですわ。」
「こちらの国では、あまり女性に魔法の教育をしないのよ。魔法を学べる貴族の学校は王都にあるんだけど、女子の教育は家庭教師に任せで、学校に入れない家も多い。」
「義父上を見ていて、トヴォー王国はフィーラ帝国より寛容な国なんだと思っていました。」
「あら、私は例外。それとエディー、自由に振る舞うには、それ相応の責任も伴うの。私にも先祖が築いてきた家名や領地があるからね。私はただ勝手気ままに生きているわけじゃないのよ。」
タウンハウスでは、今か今かと使用人が待ち構えていた。まさか誰も決勝進出するとは、しかも優勝するとは、思いもしなかったようで、侍女たちが準備が間に合わないと慌てている。次から次へとドレスを出しては並べ、靴やら、ジュエリーやらの箱が山積みにされている。その日の気分でドレスを決めるなんて言わなきゃよかった。
最速で湯浴みを済ませ、今の自分の瞳の色に合わせた緑のドレスに身を包む。授与された勲章の宝石に合わせて、青のドレスを纏うのもよかったと思う。けれど、フィーラにいた頃はいつも私は婚約者であるマティアス殿下の瞳の色に合わせて青を選んでいた。今夜はどうしても青いドレスを纏う気分にはなれなかった。胸元には、エメラルドのネックレスが輝く。
髪の毛は風魔法と火魔法で乾かし、簡単なヘアアレンジを大きめのバレッタで隠した。これで一応、深窓のお嬢様に見えるはず。義父のエスコートでパーティー会場に向かう。馬車の中で簡単な貴族の勢力図を教えてもらう。
「――まあでもエディーは気にしなくていいわ。今日は初めてだし、私がついて回るから。」
「ありがとうございます、義父上。」
すっかり日も暮れ、カラフルな屋根の下に窓に灯る明かりが、どこか温もりを感じさせる。車窓に王城が見えてきた。トヴォーの王城に登城するのはこれが初めてだ。豪奢なフィーラ帝国の皇宮とは対照的に、この国の王城は伝統を重んじる質実剛健な風格がある。周辺国家の中でも、最も長い歴史を誇る国の城らしいと思った。
「トヴォー国王の名において、汝に"王冠瑠璃勲章"を授ける。副賞として金貨百枚。」
真ん中に青い宝石がはめられた立派な勲章を胸に付けてもらった。
義父から聞いた話だと、この勲章は戦中に武功を挙げた者に授けられるものらしく、上から三番目に権威ある勲章だ。大会の後のパーティーには必ず着けていくようにも言われた。表彰式を終えた私たちは、パーティーの準備のため、一旦タウンハウスへ戻ることになった。石畳を走る馬車の窓から、カラフルなとんがり屋根が続く街並みが流れていく。
「義父上、女性の優勝者は初めてですって。魔力量は体力と違って男女差がほとんどないのに、不思議ですわ。」
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「あら、私は例外。それとエディー、自由に振る舞うには、それ相応の責任も伴うの。私にも先祖が築いてきた家名や領地があるからね。私はただ勝手気ままに生きているわけじゃないのよ。」
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最速で湯浴みを済ませ、今の自分の瞳の色に合わせた緑のドレスに身を包む。授与された勲章の宝石に合わせて、青のドレスを纏うのもよかったと思う。けれど、フィーラにいた頃はいつも私は婚約者であるマティアス殿下の瞳の色に合わせて青を選んでいた。今夜はどうしても青いドレスを纏う気分にはなれなかった。胸元には、エメラルドのネックレスが輝く。
髪の毛は風魔法と火魔法で乾かし、簡単なヘアアレンジを大きめのバレッタで隠した。これで一応、深窓のお嬢様に見えるはず。義父のエスコートでパーティー会場に向かう。馬車の中で簡単な貴族の勢力図を教えてもらう。
「――まあでもエディーは気にしなくていいわ。今日は初めてだし、私がついて回るから。」
「ありがとうございます、義父上。」
すっかり日も暮れ、カラフルな屋根の下に窓に灯る明かりが、どこか温もりを感じさせる。車窓に王城が見えてきた。トヴォーの王城に登城するのはこれが初めてだ。豪奢なフィーラ帝国の皇宮とは対照的に、この国の王城は伝統を重んじる質実剛健な風格がある。周辺国家の中でも、最も長い歴史を誇る国の城らしいと思った。
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